symsum

級数のシンボリックな和

構文

F = symsum(f,k,a,b)

F = symsum(f,k)

説明

F = symsum(f,k,a,b) は、下限 a から上限 b までの総和のインデックス k についての数列 f のシンボリックな総和 (definite sum) を返します。k を指定しない場合、symsum は総和のインデックスとして symvar によって決定される変数を使用します。f が定数の場合、既定の変数は x です。

symsum(f,k,[a b]) または symsum(f,k,[a; b]) は symsum(f,k,a,b) と等価です。

F = symsum(f,k) は、総和のインデックス k についての数列 f の総和 (indefinite sum) (逆差分) を返します。引数 f は、総和 (indefinite sum) F が関係 F(k+1) - F(k) = f(k) を満たすような級数を定義します。k を指定しない場合、symsum は総和のインデックスとして symvar によって決定される変数を使用します。f が定数の場合、既定の変数は x です。

例

数列の和の計算

整数 $1+2+3+...+\mathit{n}={\sum }_{\mathit{k}=1}^{\mathit{n}}\mathit{k}$ の和を求めます。

syms k n
F1 = symsum(k,k,1,n)

F1 = 
$$\frac{n\hspace{0.17em}\left(n+1\right)}{2}$$

平方数 $1^2+2^2+3^2+...+{\mathit{n}}^2={\sum }_{\mathit{k}=1}^{\mathit{n}}{\mathit{k}}^2$ の和を求めます。

syms k n
F2 = symsum(k^2,k,1,n)

F2 = 
$$\frac{n\hspace{0.17em}\left(2\hspace{0.17em}n+1\right)\hspace{0.17em}\left(n+1\right)}{6}$$

立方数 $1^3+2^3+3^3+...+{\mathit{n}}^3={\sum }_{\mathit{k}=1}^{\mathit{n}}{\mathit{k}}^3$ の和を求めます。

syms k n
F3 = symsum(k^3,k,1,n)

F3 = 
$$\frac{n^2\hspace{0.17em}{\left(n+1\right)}^2}{4}$$

範囲をもつ級数の和の計算

次の級数の和を求めます。

$$\begin{array}{l}\mathrm{F1}=\sum _{\mathit{k}=0}^{10}{\mathit{k}}^2\\ \mathrm{F2}=\sum _{\mathit{k}=1}^{\infty }\frac{1}{{\mathit{k}}^2}\\ \mathrm{F3}=\sum _{\mathit{k}=1}^{\infty }\frac{{\mathit{x}}^{\mathit{k}}}{\mathit{k}!}\end{array}$$

syms k x
F1 = symsum(k^2,k,0,10)

F1 = $$385$$

F2 = symsum(1/k^2,k,1,Inf)

F2 = 
$$\frac{{\pi }^2}{6}$$

F3 = symsum(x^k/factorial(k),k,1,Inf)

F3 = $${\mathrm{e}}^x-1$$

または、総和範囲を行ベクトルまたは列ベクトルとして指定できます。

F1 = symsum(k^2,k,[0 10])

F1 = $$385$$

F2 = symsum(1/k^2,k,[1;Inf])

F2 = 
$$\frac{{\pi }^2}{6}$$

F3 = symsum(x^k/factorial(k),k,[1 Inf])

F3 = $${\mathrm{e}}^x-1$$

級数の総和 (indefinite sum) の計算

次の級数の総和 (indefinite sum) (逆差分) を求めます。

$$\begin{array}{l}\mathrm{F1}=\sum _{\mathit{k}}\mathit{k}\\ \mathrm{F2}=\sum _{\mathit{k}}{2}^{\mathit{k}}\\ \mathrm{F3}=\sum _{\mathit{k}}\frac{1}{{\mathit{k}}^2}\end{array}$$

syms k
F1 = symsum(k,k)

F1 = 
$$\frac{k^2}{2}-\frac{k}{2}$$

F2 = symsum(2^k,k)

F2 = $$2^k$$

F3 = symsum(1/k^2,k)

F3 = 
$$\{\begin{array}{cl}-{\psi \text{<a href="matlab:doc symbolic/psi">psi</a>}}^{\prime }\left(k\right)& \text{ if }0<k\\ {\psi \text{<a href="matlab:doc symbolic/psi">psi</a>}}^{\prime }\left(1-k\right)& \text{ if }k\le 0\end{array}$$

多項式級数の総和

多項式級数 $\mathit{F}\left(\mathit{x}\right)={\sum }_{\mathit{k}=1}^8{\mathit{a}}_{\mathit{k}}{\mathit{x}}^{\mathit{k}}$ の総和を求めます。

係数 $$a_k$$ がある整数変数 $$k$$ の関数であることがわかっている場合、関数 symsum を使用します。たとえば、$\mathit{F}\left(\mathit{x}\right)={\sum }_{\mathit{k}=1}^8\mathit{k}{\mathit{x}}^{\mathit{k}}$ の和を求めます。

syms x k
F(x) = symsum(k*x^k,k,1,8)

F(x) = $$8\hspace{0.17em}{x}^8+7\hspace{0.17em}{x}^7+6\hspace{0.17em}{x}^6+5\hspace{0.17em}{x}^5+4\hspace{0.17em}{x}^4+3\hspace{0.17em}{x}^3+2\hspace{0.17em}{x}^2+x$$

$$x=2$$ の級数和を計算します。

F(2)

ans = $$3586$$

または、係数 $$a_k$$ が値のベクトルであることがわかっている場合、関数 sum を使用できます。たとえば、係数が ${\mathit{a}}_1,\dots ,{\mathit{a}}_8=1,\dots ,8$ であるとします。subs(x^k,k,1:8) を使用して、項 $$x^k$$ をベクトルとして宣言します。

a = 1:8;
G(x) = sum(a.*subs(x^k,k,1:8))

G(x) = $$8\hspace{0.17em}{x}^8+7\hspace{0.17em}{x}^7+6\hspace{0.17em}{x}^6+5\hspace{0.17em}{x}^5+4\hspace{0.17em}{x}^4+3\hspace{0.17em}{x}^3+2\hspace{0.17em}{x}^2+x$$

$$x=2$$ の級数和を計算します。

G(2)

ans = $$3586$$

入力引数

f — 級数の項を定義する式

シンボリック式 | シンボリック関数 | シンボリック ベクトル | シンボリック行列 | シンボリック数

級数の項を定義する式。シンボリック式、関数、ベクトル、行列、またはシンボリック数として指定します。

k — 総和のインデックス

シンボリック変数

総和のインデックス。シンボリック変数として指定します。この変数を指定しない場合、symsum では symvar(expr,1) によって決定される既定の変数が使用されます。f が定数の場合、既定の変数は x です。

a — 総和のインデックスの下限

数値 | シンボリック数 | シンボリック変数 | シンボリック式 | シンボリック関数

総和のインデックスの下限。数値、シンボリック数、変数、式または関数 (無限大を含む式および関数を含む) として指定します。

b — 総和のインデックスの上限

数値 | シンボリック数 | シンボリック変数 | シンボリック式 | シンボリック関数

総和のインデックスの上限。数値、シンボリック数、変数、式または関数 (無限大を含む式および関数を含む) として指定します。

詳細

総和 (definite sum)

級数の総和 (definite sum) は次のように定義されます。

$${\displaystyle \sum _{k=a}^b{f}_k}=f_a+f_{a+1}+\dots +f_b.$$

総和 (indefinite sum)

級数の総和 (indefinite sum) (逆差分) は次のように定義されます。

$$F(x)={\displaystyle \sum _{x}f\left(x\right)},$$

条件

$$F\left(x+1\right)-F\left(x\right)=f\left(x\right).$$

バージョン履歴

R2006a より前に導入

参考

cumsum | int | sum | symprod | syms | symvar | rewrite

トピック

• シンボリックな総和