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series
ピュイズー級数
説明
例
ピュイズー級数展開の計算
一変数および多変数の式のピュイズー級数展開を求めます。
点 x = 0
における次の式のピュイズー級数展開を求めます。
syms x series(1/sin(x), x)
ans = x/6 + 1/x + (7*x^3)/360
次の多変数式のピュイズー級数展開を求めます。展開変数を指定しない場合、series
は symvar(f,1)
により決定される既定の変数を使用します。
syms s t f = sin(s)/sin(t); symvar(f, 1) series(f)
ans = t ans = sin(s)/t + (7*t^3*sin(s))/360 + (t*sin(s))/6
別の展開変数を使用するには、展開変数を明示的に指定します。
syms s t f = sin(s)/sin(t); series(f, s)
ans = s^5/(120*sin(t)) - s^3/(6*sin(t)) + s/sin(t)
展開点の指定
x = Inf
の場合の psi(x)
のピュイズー級数展開を求めます。展開点の既定値は 0 です。異なる展開点を指定するには、ExpansionPoint
の名前と値のペアを使用します。
series(psi(x), x, 'ExpansionPoint', Inf)
ans = log(x) - 1/(2*x) - 1/(12*x^2) + 1/(120*x^4)
または、展開点を series
の 3 番目の引数として指定します。
syms x series(psi(x), x, Inf)
ans = log(x) - 1/(2*x) - 1/(12*x^2) + 1/(120*x^4)
ピュイズー級数近似のプロット
異なる打ち切り階数を使用して exp(x)/x
のピュイズー級数展開を求めます。
既定の打ち切り階数である 6 まで、級数展開を求めます。
syms x
f = exp(x)/x;
s6 = series(f, x)
s6 =
Order
を使用して、打ち切り階数を制御します。たとえば、最大 7 階数と 8 階数まで同じ式を近似します。
s7 = series(f, x, 'Order', 7)
s7 =
s8 = series(f, x, 'Order', 8)
s8 =
元の式 f
とその近似 s6
、s7
および s8
をプロットします。近似の精度が打ち切り階数によってどう変わるかがわかります。
fplot([s6 s7 s8 f]) legend('approximation up to O(x^6)','approximation up to O(x^7)',... 'approximation up to O(x^8)','exp(x)/x','Location', 'Best') title('Puiseux Series Expansion')
展開の方向の指定
引数 Direction
を使用してピュイズー級数近似を求めます。この引数を使用して、収束領域を変更できます。収束領域とは、series
で元の式に近似するように収束するピュイズー級数展開を求める領域です。
この式のピュイズー級数近似を求めます。既定では、series
は、展開点の周りの複素平面における小さな開円盤で有効な近似を求めます。
syms x series(sin(sqrt(-x)), x)
ans = (-x)^(1/2) - (-x)^(3/2)/6 + (-x)^(5/2)/120
展開点の左側の小さい区間で有効な、同じ式のピュイズー級数近似を求めます。次に、展開点の右側の小さい区間で有効な近似を求めます。
syms x series(sin(sqrt(-x)), x) series(sin(sqrt(-x)), x, 'Direction', 'left') series(sin(sqrt(-x)), x, 'Direction', 'right')
ans = (-x)^(1/2) - (-x)^(3/2)/6 + (-x)^(5/2)/120 ans = - x^(1/2)*1i - (x^(3/2)*1i)/6 - (x^(5/2)*1i)/120 ans = x^(1/2)*1i + (x^(3/2)*1i)/6 + (x^(5/2)*1i)/120
こちらの式のピュイズー級数近似を計算してみます。既定では、series
は、展開点の周りの複素平面において有効な近似を求めます。この式では、そのような近似が存在しません。
series(real(sin(x)), x)
Error using sym/series>scalarSeries (line 90) Unable to compute series expansion.
しかし、近似は実数軸 x = 0
の両側に沿って存在します。
series(real(sin(x)), x, 'Direction', 'realAxis')
ans = x^5/120 - x^3/6 + x
入力引数
ヒント
3 番目の引数
a
と名前と値のペアExpansionPoint
の両方を使用して展開点を指定する場合、ExpansionPoint
で指定された値が優先されます。
バージョン履歴
R2015b で導入