メインコンテンツ

PRBS Signal Generator

プラントの周波数応答推定用の PRBS 入力信号を生成する

R2024a 以降

  • PRBS Signal Generator block icon

ライブラリ:
Simulink Control Design / Signal Generation

説明

このブロックを使用して、PRBS 入力摂動信号を生成します。PRBS 信号は、sinestream の入力信号を使用する場合と比較して、合計の推定時間が削減される一方で、比較可能な結果が得られます。より迅速に構成できるように、このブロックでは、指定した周波数に基づいて自動生成された主要パラメーターの値を使用できます。PRBS 信号は、通信用途やパワー エレクトロニクス用途向けに周波数応答を推定するのに有用です。詳細については、PRBS 入力信号を参照してください。

このブロックは、摂動信号を生成して、デスクトップ シミュレーションまたはハードウェア上でコード生成を介してプラント モデルに挿入する場合に役立ちます。その後、摂動信号へのプラント応答を収集し、カスタム処理を実行してプラントの特性を特定できます。

端子

入力

すべて展開する

推定プロセスを開始し終了するために、start/stop 端子で信号を提供します。信号の値によって次のように処理されます。

  • 負の値またはゼロから正の値に変わると、信号生成が開始します。

  • 正の値から負の値またはゼロに変わると、信号生成が終了します。

通常、0 から 1 に変わると実験を開始し、1 から 0 に変わると実験を終了する信号を使用できます。実験が実行中でない場合、ブロックは出力端子で摂動を生成しません。

調査するすべての周波数で良好な推定を得るのに十分なデータをアルゴリズムが収集できるまで、実験を実行し続けます。ブロックは、推奨される実験の長さをブロック パラメーターの [信号長] セクションに表示します。この値は実験のモードおよび実験に指定される周波数に基づいています。

推奨される実験の長さは次のとおりです。

Ts(2n1)Np,

ここで、以下となります。

  • Ts は実験のサンプリング時間であり、[サンプル時間 (Ts)] パラメーターで指定します。

  • n は PRBS 信号の次数であり、[信号の次数] パラメーターで指定します。

  • Np は PRBS 信号の周期数であり、[周期数] パラメーターで指定します。

実験中はプラントへの負荷外乱をすべて回避してください。負荷外乱によってプラント出力が歪み、周波数応答の推定の精度が低下することがあります。

データ型: single | double

[周波数] パラメーターに値を指定します。周波数の選択方法については、[周波数] パラメーターを参照してください。

この端子から周波数を指定する場合は、[励起信号の周波数の数] パラメーターで周波数の数を指定します。

依存関係

この端子を有効にするには、[励起信号ソース][外部端子] を選択します。

データ型: single | double

[振幅] パラメーターに値を指定します。詳細については、[振幅] パラメーターを参照してください。

依存関係

この端子を有効にするには、[励起信号ソース][外部端子] を選択します。

データ型: single | double

出力

すべて展開する

ブロックはこの端子で PRBS 摂動信号を生成します。

パラメーター

すべて展開する

ブロック パラメーターを対話形式で編集するには、プロパティ インスペクターを使用します。Simulink® ツールストリップから、[シミュレーション] タブの [準備] ギャラリーで [プロパティ インスペクター] を選択します。

ブロックは、このパラメーターで指定される固定サンプル時間で実行される離散時間ブロックです。推定できる最大の周波数はナイキスト周波数 π/Ts rad/s です。ナイキスト周波数の少なくとも 5 倍は速いサンプル時間を使用することをお勧めします。

Ts = π/(5ωmax) ≅ 0.6/ωmax or 0.1/fmax,

ここで、ωmax[周波数] パラメーターにある最も高い周波数 (rad/s 単位) で、fmax は Hz 単位での最も高い周波数です。サンプル時間は最速の望ましい周波数を推定するのに十分小さくなければなりませんが、不要な計算負荷が発生するほど小さくしてはなりません。

サンプル時間を -1 に設定すると、ソフトウェアはブロックの外のソースに基づいてコンパイル時にサンプル時間を決定します。サンプル時間を -1 に設定することで、推定の周波数をナイキスト周波数より低く抑えるブロックでの内部チェックは無効になります。

ヒント

展開されたブロックを、異なるサンプル時間を使ってアプリケーション内で実行する場合、このパラメーターを –1 に設定し、ブロックを Triggered Subsystem 内に配置します。その後、目的のサンプル時間でサブシステムをトリガーします。展開後にサンプル時間を変更する予定がない場合には、固定された有限のサンプル時間を指定してください。

シミュレーション環境またはハードウェア要件に基づいて浮動小数点精度を指定します。

実験の摂動信号の周波数と振幅を、ブロック パラメーターと外部端子のどちらを介して提供するかを指定します。

  • ブロック パラメーター[周波数] および [振幅] パラメーターを有効にする場合に選択します。

  • 外部端子w および amp 入力端子を有効にする場合に選択します。展開後に摂動信号の周波数と振幅を変更する場合はこのオプションを使用します。

プラントの周波数応答を推定する周波数。ブロックは、摂動をこれらの各周波数で挿入します。推定できる最も高い周波数はナイキスト周波数 π/Ts rad/s により制限されます。ここで、Ts[サンプル時間 (Ts)] パラメーターに設定した値です。

PRBS 信号の場合、周波数の範囲は実験の長さに影響します。最も低い周波数の値により、指定した周波数をカバーできる最小の信号の次数が決定されます。最も低い周波数範囲を下げると、必要な最小の信号の次数が増加するため、実験の長さが増大します。ただし、PRBS 入力信号の広帯域特性のため、周波数点を追加しても実験の長さは増大しません。

ヒント

このパラメーターは調整できません。展開の後に周波数を指定するには、[励起信号ソース][外部端子] に設定して w 入力端子を使用します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[励起信号ソース][ブロック パラメーター] に設定します。

プラントに挿入される摂動信号の振幅を指定します。すべての周波数に同じ振幅を使用するには、スカラー値を指定します。推定する周波数の範囲内で応答が大きく変化することがわかっている場合、ベクトルを使って各周波数に別々の振幅を指定できます。たとえば、既知の共振周波数の周りで小さい値を使用し、ロールオフ周波数より上では大きい値を使用することができます。ベクトルは [周波数] に指定するベクトルと同じ長さでなければなりません。

振幅は以下の条件を満たしていなければなりません。

  • 摂動がプラント アクチュエータのすべての不感帯を克服してノイズ レベルを超える応答を生成できる程度に大きい

  • 定格操作点近傍のほぼ線形の領域内でプラントを実行し続け、プラントの入力または出力の飽和を回避できる程度に小さい

ヒント

このパラメーターは調整できません。展開後に振幅を指定するには、[励起信号ソース][外部端子] に設定して amp 入力端子を使用します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[励起信号ソース][ブロック パラメーター] に設定します。

外部端子 w を介して実験の周波数を提供する場合は、周波数の数 (w のベクトル信号の長さ) をこのパラメーターで指定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[励起信号ソース][外部端子] に設定します。

PRBS 信号の周期数。正の整数として指定します。

指定した周波数およびサンプル時間に基づいて、ブロックは、このパラメーターの推奨される値をブロック ダイアログの [信号長] セクションに表示します。

信号の次数。正の整数として指定します。PRBS 信号の最大の長さは 2n–1 (n は信号の次数) です。正確な周波数応答推定を取得するには、PRBS の長さは十分に大きくなければなりません。

与えられたサンプル時間に対して、より高い周波数解像度を得るには、より大きい信号の次数を指定します。24 以下の値を指定して、実験の実行時間が長くなりすぎないようにします。

指定した周波数およびサンプル時間に基づいて、ブロックは、このパラメーターの推奨される値をブロック ダイアログの [信号長] セクションに表示します。

ブロックは、指定された周波数とサンプル時間に基づいて、[周期数] パラメーターと [信号の次数] パラメーターに対する推奨値を計算します。PRBS 信号パラメーターの片方または両方で自動生成された値を使用する場合は、このオプションを有効にします。これは、周波数範囲またはサンプル時間を変更して複数の実験を実行する場合に役立ちます。

拡張機能

すべて展開する

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2024a で導入