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Pipe (TL)

熱液体システムにおける流体の流れのための剛性管

  • Pipe (TL) block

ライブラリ:
Simscape / Foundation Library / Thermal Liquid / Elements

説明

Pipe (TL) ブロックは、固定体積の液体を含むパイプライン セグメントを表します。液体では、粘性摩擦による圧力損失と、流体とパイプの壁の間の対流による熱伝達が生じます。粘性摩擦はダルシー・ワイスバッハの式から得られ、熱交換係数はヌセルト数の相関式から得られます。

パイプの効果

このブロックでは、動的圧縮率および流体慣性の効果を含めることができます。これらの効果をそれぞれオンにすると、方程式の複雑度が増し、シミュレーション コストが増大する可能性がありますが、モデルの忠実度を向上させることができます。

  • 動的圧縮率がオフの場合、液体がパイプの体積内に留まる時間は無視できるものと仮定されます。したがって、パイプ内での質量の累積はなく、質量の流入量と流出量は等しくなります。これは、最も単純なオプションです。パイプ内の液体の質量がシステム内の総液体質量に対して無視できるほど小さい場合に適しています。

  • 動的圧縮率がオンの場合、質量の流入量と流出量の不均衡によって、パイプ内の液体が累積または減少することがあります。その結果、パイプの体積の圧力が動的に昇降し、システムである程度のコンプライアンスが得られ、急激な圧力変化が抑制されます。これが既定のオプションです。

  • 動的圧縮率がオンの場合、流体慣性もオンにすることができます。この効果により、摩擦による抵抗に加えて、追加の流れ抵抗が生じます。この追加の抵抗は、質量流量の変化率に比例します。流体慣性を考慮すると、流量の急激な変化は緩やかになりますが、流量のオーバーシュートや振動が発生する原因となることもあります。このオプションは、非常に長いパイプに適しています。流体慣性をオンにし、複数のパイプライン セグメントを直列に接続することで、ウォーター ハンマー現象などのパイプに沿った圧力波の伝播をモデル化できます。

質量のバランス

パイプの質量保存方程式は次のとおりです。

m˙A+m˙B={0,iffluiddynamiccompressibilityis'off'Vρ(1βdpdtαdTdt),iffluiddynamiccompressibilityis'on'

ここで、

  • m˙A および m˙B は、端子 [A] および [B] を通過する質量流量です。

  • V は、パイプの流体体積です。

  • ρ は、パイプ内の熱液体の密度です。

  • β は、パイプ内の等温体積弾性率です。

  • α は、パイプ内の等圧熱膨張係数です。

  • p は、パイプ内の熱液体の圧力です。

  • T は、パイプ内の熱液体の温度です。

運動量のバランス

次の表に、各ハーフ パイプの運動量保存方程式を示します。

端子 [A] に隣接するハーフ パイプ

pAp={Δpv,A,iffluidinertiaisoffΔpv,A+L2Sm¨A,iffluidinertiaison

端子 [B] に隣接するハーフ パイプ

pBp={Δpv,B,iffluidinertiaisoffΔpv,B+L2Sm¨B,iffluidinertiaison

方程式内で、

  • S は、パイプの断面積です。

  • ppA、および pB は、それぞれパイプ内、端子 [A]、および端子 [B] における液体の圧力です。

  • Δpv,A および Δpv,B は、パイプの体積中心と端子 [A] および [B] 間の粘性摩擦圧力損失です。

粘性摩擦圧力損失

次の表に、各ハーフ パイプの粘性摩擦圧力損失の方程式を示します。

端子 [A] に隣接するハーフ パイプ

Δpv,A={λν(L+Leq2)m˙A2D2S,ifReA<RelfA(L+Leq2)m˙A|m˙A|2ρDS2,if ReARet

端子 [B] に隣接するハーフ パイプ

Δpv,B={λν(L+Leq2)m˙B2D2S,ifReB<RelfB(L+Leq2)m˙B|m˙B|2ρDS2,if ReBRet

方程式内で、

  • λ は、パイプの形状係数です。

  • ν は、パイプ内の熱液体の動粘性率です。

  • Leq は、パイプの局部抵抗相当長の合計です。

  • D は、パイプの油圧直径です。

  • fA および fB は、端子 [A] および端子 [B] に隣接するハーフ パイプにおけるダルシー摩擦係数です。

  • ReA および ReB は、端子 [A] および端子 [B] におけるレイノルズ数です。

  • Rel は、これより大きいと流れが乱流に遷移するレイノルズ数です。

  • Ret は、これより小さいと流れが層流に遷移するレイノルズ数です。

ダルシー摩擦係数は、乱流状態のハーランドの近似式から得られます。

f=1[1.8log10(6.9Re+(13.7rD)1.11)]2,

ここで、

  • f は、ダルシー摩擦係数です。

  • r は、パイプの表面粗さです。

エネルギー バランス

パイプのエネルギー保存方程式は次のとおりです。

Vd(ρu)dt=ϕA+ϕB+QH,

ここで、

  • ΦA および ΦB は、端子 [A] および [B] を通じてパイプに入る合計エネルギー流量です。

  • QH は、パイプの壁を通じてパイプに入る熱流量です。

壁の熱流量

熱液体とパイプの壁間の熱流量は次のとおりです。

QH=Qconv+kSHD(THT),

ここで、

  • QH は、正味の熱流量です。

  • Qconv は、非ゼロの流量における対流に起因する熱流量の部分です。

  • k は、パイプ内の熱液体の熱伝導率です。

  • SH はパイプの壁の表面積であり、パイプの周長と長さの積です。

  • TH は、パイプの壁における温度です。

パイプに沿った指数関数的な温度分布を仮定すると、対流熱伝達は次のようになります。

Qconv=|m˙avg|cp,avg(THTin)(1exp(hcoeffSH|m˙avg|cp,avg)),

ここで、

  • m˙avg=(m˙Am˙B)/2 は、端子 [A] から端子 [B] へ流れる平均質量流量です。

  • cpavg は、平均温度で評価された比熱です。

  • Tin は、流れの方向に依存する入口温度です。

熱伝達係数 hcoeff は、ヌセルト数に依存します。

hcoeff=NukavgD,

ここで、kavg は平均温度で評価された熱伝導率です。ヌセルト数は、流れの状態に依存します。層流状態におけるヌセルト数は一定であり、[層流熱伝達のヌセルト数] パラメーターの値に等しくなります。乱流状態におけるヌセルト数は、Gnielinski 相関から計算されます。

Nutur=favg8(Reavg1000)Pravg1+12.7favg8(Pravg2/31),

ここで、favg は平均レイノルズ数 Reavg におけるダルシー摩擦係数で、Pravg は平均温度で評価されたプラントル数です。平均レイノルズ数は次のように求めます。

Reavg=|m˙avg|DSμavg,

ここで、μavg は平均温度で評価された絶対粘度です。平均レイノルズ数が [層流のレイノルズ数の上限] パラメーターの値と [乱流のレイノルズ数の下限] パラメーターの値の間にある場合、ヌセルト数は層流と乱流のヌセルト数値間の滑らかな遷移に従います。

仮定と制限

  • パイプの壁は剛体です。

  • 流れは完全に発達しています。

  • 重力の影響は無視できます。

端子

保存

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パイプの入口または出口に関連付けられた熱液体保存端子。このブロックには固有の方向性はありません。

パイプの入口または出口に関連付けられた熱液体保存端子。このブロックには固有の方向性はありません。

パイプの壁の温度に関連付けられた熱保存端子。この温度は、パイプ内の熱液体の温度とは異なる場合があります。

パラメーター

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ジオメトリ

流れの方向に沿ったパイプの長さ。

流れの方向に対して法線方向のパイプの内部面積。

同じ断面積をもつ等価な円柱パイプの直径。

摩擦と熱伝達

パイプ内にあるすべての局部抵抗の合計長。局部抵抗には、曲がり、継手、アーマチュア、およびパイプの入口と出口が含まれます。局部抵抗の効果は、パイプライン セグメントの有効長を長くすることです。この長さは、摩擦の計算においてのみ、パイプの幾何学的な長さに加算されます。パイプ内の液体の体積は、[パイプの長さ] パラメーターで定義されたパイプの幾何学的な長さのみに依存します。

パイプの内表面におけるすべての表面欠陥の平均深さ。これは、乱流状態における圧力損失に影響します。

これより大きいと流れが層流から乱流へ遷移しはじめるレイノルズ数。この数値は、完全に発達した層流に対応する最大レイノルズ数に等しくなります。

これより小さいと流れが乱流から層流へ遷移しはじめるレイノルズ数。この数値は、完全に発達した乱流に対応する最小レイノルズ数に等しくなります。

層流状態における粘性摩擦損失に対するパイプの断面形状の効果を符号化する無次元係数。標準値は、円形断面の場合は 64、正方形断面の場合は 57、縦横比が 2 の長方形断面の場合は 62、薄い環状断面の場合は 96 です[1]

層流状態における伝導性熱伝達に対する対流熱伝達の比。この値は、パイプの断面形状や、一定温度または一定熱流束などのパイプの壁の熱境界条件に依存します。標準値は、壁の温度が一定の円形断面の場合は 3.66 です[2]

効果と初期条件

液体の動的圧縮率をモデル化するかどうか。動的圧縮率は、小さな時間スケールにおけるシステムの過渡応答に影響します。このパラメーターを選択すると、体積内の流体質量の累積に基づいて、圧力が動的に応答します。このパラメーターをクリアすると、体積に質量は累積せず、圧力応答は瞬時になります。この設定をクリアするとシミュレーションのパフォーマンスは向上しますが、シミュレーションのロバスト性に悪影響が出ることがあります。この設定をクリアするのは、流体の体積が小さい場合や、シミュレーション時間が長いモデルの場合のみにしてください。

液体の流体慣性を考慮するかどうかを選択します。流体慣性により、液体で質量流量の変化に対する抵抗が生じます。

依存関係

このチェック ボックスを有効にするには、[動的圧縮率を有効にする] チェック ボックスをオンにします。

シミュレーション開始時におけるパイプ内の液体の圧力。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[動的圧縮率を有効にする] チェック ボックスをオンにします。

シミュレーション開始時におけるパイプ内の液体の温度。

定格操作条件における熱液体の圧力。動的圧縮率が無効になっている場合に、ブロックはこの値を使用して、質量保存方程式およびエネルギー保存方程式で使用する定格密度を計算します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[動的圧縮率を有効にする] チェック ボックスをオフにします。

定格操作条件における熱液体の温度。動的圧縮率が無効になっている場合に、ブロックはこの値を使用して、質量保存方程式およびエネルギー保存方程式で使用する定格密度を計算します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[動的圧縮率を有効にする] チェック ボックスをオフにします。

時間ゼロにおいて端子 [A] から端子 [B] へ流れる質量流量。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[流体慣性を有効にする] チェック ボックスをオンにします。

参照

[1] White, F. M., Fluid Mechanics. 7th Ed, Section 6.8. McGraw-Hill, 2011.

[2] Cengel, Y. A., Heat and Mass Transfer – A Practical Approach. 3rd Ed, Section 8.5. McGraw-Hill, 2007.

拡張機能

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C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2013b で導入