設定へのアクセスと変更
設定では、プログラムによってツールのオプションにアクセスして変更する方法を提供しています。たとえば、MATLAB® エディターの外観と動作をカスタマイズする設定の使用、MATLAB デスクトップ ツールによって使用されているコードのフォントの変更、MAT ファイルの保存方法の変更ができます。設定は、一時的な値を使用して現在のセッションで変更するか、または個人用の値を使用して複数のセッションで変更できます。個々の設定に関するドキュメンテーションは、システム コマンドに移動し、[設定] カテゴリのリンクを選択してください。
設定へのアクセス
設定は、設定グループのツリーベース階層構造に、製品単位で整理されます。ツリーの最上部には root 設定グループ オブジェクトがあります。root オブジェクトの直下には、製品設定グループがあります。各製品設定グループには、固有の設定の階層構造があります。設定ツリーのリーフ ノードを設定といいます。
設定にアクセスするには、関数 settings
を使用して、設定ツリーのルートを取得します。
s = settings;
s.matlab
ans = SettingsGroup 'matlab' with properties: fonts: [1×1 SettingsGroup] general: [1×1 SettingsGroup] colors: [1×1 SettingsGroup] appdesigner: [1×1 SettingsGroup] appearance: [1×1 SettingsGroup] programmingAids: [1×1 SettingsGroup] keyboard: [1×1 SettingsGroup] commandwindow: [1×1 SettingsGroup] codeanalyzer: [1×1 SettingsGroup] editor: [1×1 SettingsGroup] toolboxpathcache: [1×1 SettingsGroup]
s.matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth
ans = Setting 'matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth' with properties. ActiveValue: 75 TemporaryValue: <no value> PersonalValue: <no value> InstallationValue: <no value> FactoryValue: 75
設定の変更
設定には値のタイプが 5 つあります。
アクティブ — アクティブな値は設定の現在の値です。
一時的 — 一時的な値は現在の MATLAB セッションでのみ使用でき、セッション終了時にクリアされます。
個人用 — 個人用の値は、ユーザー個人の複数の MATLAB セッション間で永続します。値は、変更すると基本設定フォルダーに保存されます。
インストール — ("R2022a 以降") インストールの値は特定の MATLAB インストールを使用するすべてのユーザーに適用されます。値は MATLAB のルートに保存されます。値はセッション間で維持されますが、新しいバージョンの MATLAB へのアップグレード時には移行されません。
出荷時 — 出荷時の値は既定の設定値です。
設定のアクティブな値は、次のように判定します。
設定が一時的な値である場合、アクティブな値はその一時的な値です。
設定が一時的な値ではなく、個人用の値である場合、アクティブな値はその個人用の値です。
設定が一時的な値でも個人的な値でもなく、インストール時の値になっている場合、アクティブな値はそのインストール時の値です。
設定が一時的な値、個人用の値、インストールの値のいずれもでもない場合、アクティブな値は出荷時の値です。
たとえば、設定 MySetting
の一時的な値が 12
、出荷時の値が 10
で、個人用の値とインストールの値はないとします。この場合、MySetting
のアクティブな値は、一時的な値 12
です。
設定のアクティブな値を変更するには、設定の一時的な値または個人用の値を設定します。たとえば、MATLAB におけるコメントの最大列幅の一時的な値を 80
に設定します。この一時的な値は、現在の MATLAB セッションの最後でクリアされます。
s.matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth.TemporaryValue = 80; s.matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth
ans = Setting 'matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth' with properties. ActiveValue: 80 TemporaryValue: 80 PersonalValue: <no value> InstallationValue: <no value> FactoryValue: 75
既定値に戻す
設定の値を出荷時の値またはインストールの値 (インストールの値が定義されている場合) に戻すには、関数 clearTemporaryValue
と関数 clearPersonalValue
を使用して、設定の一時的な値と個人用の値をクリアします。たとえば、MATLAB におけるコメントの最大列幅の一時的な値をクリアします。値をクリアする前に、関数 hasTemporaryValue
を使用して、値が存在するかどうかをチェックしてください。個人用の設定値が定義されていないため、出荷時の値がアクティブな値になります。
if(hasTemporaryValue(s.matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth)) clearTemporaryValue(s.matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth) end s.matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth
ans = Setting 'matlab.editor.language.matlab.comments.MaxWidth' with properties. ActiveValue: 75 TemporaryValue: <no value> PersonalValue: <no value> InstallationValue: <no value> FactoryValue: 75
設定と基本設定
一部の設定は、対応する基本設定にリンクしています。設定が基本設定にリンクされている場合、設定の一時的な値または個人用の値を変更すると、対応する基本設定が変更されます。一時的な値が変更された場合、MATLAB セッションの終了時に、基本設定は元の値に戻ります。基本設定の詳細については、基本設定を参照してください。