ネットワーク ライセンス ファイルの更新または変更
ネットワーク ライセンスについて
ネットワーク ライセンスには、組織がインストールおよび実行するライセンスを保有している各製品の暗号パスコードが記載されています。
一般に、サーバーまたはクライアント コンピューター上のネットワーク ライセンス ファイルを変更する必要はありません。しかし、状況によっては、ライセンス ファイルを編集しなければならない場合もあります。
ライセンス サーバーの名前を変更する場合 (たとえば、ライセンスを新しいサーバーでホストする場合など)。ネットワーク ライセンス ファイルの更新を参照してください。
ポート番号を変更する場合 (たとえば、サーバーのポート アドレスが変更された場合など)。How do I migrate my MATLAB clients to a new license server when the license server changes? を参照してください。
ネットワーク インストールを新しいライセンス ファイルで更新する場合。MATLAB® Answers の How do I update the license file used by the Network License Manager? を参照してください。
ネットワーク ライセンス ファイルの内容
ネットワーク ライセンス ファイルとは特殊な形式の ASCII テキスト ファイルで、実行するライセンスのある各製品の暗号パスコードが記載されています。各製品のパスコードは、該当する製品で使用可能なライセンス キーの数を指定します。各製品に関連付けられているライセンス キーの使用状況に応じて、その製品へのアクセスを許可するか拒否するかがネットワーク ライセンス マネージャーによって決定されます。
各
INCREMENT行は、製品、製品に対して使用可能なキーの数、その他の情報を指定します (この例に示されているすべての要素が実際のライセンス ファイルのINCREMENT行に含まれているとは限りません)。バックスラッシュまたは円記号 (
\) は、その行が次の行に続くことを示します。シャープ記号 (#) で始まる行はコメント行です。MathWorks® インストーラーは、インストール中のライセンス ファイル処理時に、これらのコメント行にあるライセンス サーバーのホスト ID、インターネット アドレスなどの情報を使用します。
# BEGIN---------------BEGIN---------------BEGIN
# MATLAB license passcode file.
# LicenseNo: 123456 HostID: 6C4B905F446E
#
# R2021b
#
INCREMENT MATLAB MLM 46 30-jan-2025 13 FDC7243F4976 \
VENDOR_STRING=vi=0:at=200:ae=1:lu=300:lo=CN:ei=1234567:lr=1:2p=0: \
DUP_GROUP=UH asset_info=123456 ISSUED=21-Nov-2021 BORROW=720 \
NOTICE=product=MATLAB SN=123456 SIGN="00C8 0547 EFDF 50D7 B9CE \
4C9D 3348 561B E9E3 6CCA 7986 C2F6 38C8 794F EE84"
INCREMENT SIMULINK MLM 46 30-jan-2025 1 7DE4D05FF067 \
VENDOR_STRING=vi=0:at=200:ae=1:lu=300:lo=CN:ei=1234567:lr=1:2p=0: \
DUP_GROUP=UH asset_info=123456 ISSUED=21-Nov-2021 BORROW=720 \
NOTICE=product=SIMULINK SN=123456 SIGN="00BE C534 0A32 1821 \
AFCE D040 2085 3E00 9005 4983 7EFB 875F E4A7 FEE6 9548"
ライセンスの処理
ネットワーク ライセンス マネージャーまたは MATLAB ソフトウェアのインストール時に、インストーラーはサーバー マシン用とクライアント マシン用のネットワーク ライセンスをそれぞれ処理します。
サーバーへのネットワーク ライセンス マネージャーのインストール中
サーバー上でインストーラーが次を行います。
license.datというネットワーク ライセンス ファイルのコピーを作成し、ファイルを処理してSERVERとDAEMONの行を追加し、ネットワーク ライセンス マネージャーをインストールする/etcフォルダーにこのコピーを配置します。SERVER行はサーバー名、ホスト ID、およびポート番号を識別します。DAEMON行はネットワーク ライセンス マネージャー デーモンの名前を識別します。ネットワーク ネームド ユーザー ライセンスについては、インストール時にインストーラーでオプション ファイルが作成されると、ライセンス ファイルの
DAEMON行にOptions=構文も追加されます。この構文はオプション ファイルのパス名を指定します。
たとえば、ポート 27000 で実行され、ホスト ID が MAC アドレス 03:42:f8:1b:b2:72 である、thunderball という名前のサーバーがあるとします。ライセンス ファイル内の SERVER 行と DAEMON 行は次のようになります。
SERVER thunderball 0342f81bb271 27000
DAEMON MLM "C:\Program Files\MATLAB\R2025b\etc\win64\MLM.exe" options="C:\Program Files\MATLAB\R2025b\etc\mlm.opt"
ライセンスの処理中に、インストーラーは MAC アドレスからコロンを削除します。
クライアント コンピューターへの MATLAB のインストール中
インストーラーを実行するには、まずネットワーク ライセンス マネージャーのインストール中に構成された license.dat ファイルをコピーし、クライアント マシンまたはネットワークからアクセス可能な場所のいずれかに配置する必要があります。
次に、インストール中に、インストーラーは license.dat のコピーを作成し、それを処理してライセンス ファイルから INCREMENT 行と DAEMON 行を削除して、SERVER 行はそのまま残します。また、ファイルにステートメント USE_SERVER を追加します。この行はクライアントにサーバー上のネットワーク ライセンス ファイルを指定します。ファイルには製品のすべてのパスコードが記載されています。
この構成済みファイルに network.lic という名前を付け、そのファイルを に配置します。matlabroot\licenses
メモ
ライセンス センターからダウンロードしたライセンス ファイルをユーザーに提供しないでください。ユーザーは、ネットワーク ライセンス マネージャーのインストール中に特別に構成されたライセンス ファイルを使用する場合にのみ、インストールができます。
MATLAB ライセンスの検索パス
MATLAB は起動時にライセンス ファイルを読み取り、製品のライセンスを確認します。MATLAB は次の場所を順番に検索してライセンス ファイルを見つけます。
MATLAB の起動コマンド ラインに -c オプションを使用して指定されたライセンス ファイル。-c オプションは検索順序全体をオーバーライドし、コマンド ラインに指定されている内容のみを使用します。これは MATLAB が検索する "唯一の" パスです。
環境変数
MLM_LICENSE_FILEおよびLM_LICENSE_FILE。プログラムを起動したユーザーのプロファイル フォルダー。
MATLAB インストールの
\licensesフォルダーにあるlicense.datというファイル、または拡張子.licをもつ任意のファイル。
MATLAB がネットワーク ライセンス サーバーからチェックアウトされると、同じセッションでチェックアウトされるすべてのツールボックスもそのライセンス サーバーから取得されます。パス上のライセンス ファイルがサーバー ライセンスではない場合 (つまり、インディビジュアル、コンピューター指定、または評価版のスタンドアロン ライセンス ファイルである場合) でも、ツールボックスはそのファイルまたはライセンス サーバーからチェックアウトできます。
MATLAB ライセンスの検索パスの設定
既定で MATLAB は、ライセンス ファイルをクライアント コンピューター上の MATLAB クライアント インストール フォルダーにある \licenses フォルダーにインストールします。ただし、次のいずれかの方法でこの場所をオーバーライドすることができます。
MATLAB の起動時にコマンド ラインで
-cオプションを使用して、ライセンス ファイルへのパスを指定します。-c オプションは環境変数を含む検索順序全体をオーバーライドし、コマンド ラインに指定されている内容 "のみ" を使用します。これは MATLAB が検索する "唯一の" パスです。
検索を行うパスの一覧を指定できます。
-cオプションを使用するときには、次のことに注意してください。ライセンス ファイルへのパスにスペースが含まれる場合は、パス名を引用符で囲みます。
複数のライセンス ファイルを指定する場合は、必ずライセンス ファイルのリスト全体を引用符で囲みます。
環境変数を設定します。
"MLM_LICENSE_FILE"は、MATLAB 製品のライセンス ファイルの場所を指定します。MathWorks は、まずこの環境変数を検索します。
メモ
環境変数 LM_LICENSE_FILE を設定できますが、この変数はすべての Flex 対応製品に影響を与えるため、使用は推奨されません。代わりに、< を使用してください。VENDOR>_LICENSE_FILE
メモ
環境変数 MLM_LICENSE_FILE を使用している場合は、matlab/licenses/network.lic を削除する必要があります。
ネットワーク ライセンス ファイルの更新
MathWorks から新しいライセンスを受け取った場合、MATLAB ライセンスにユーザーがアクセスする可能性の最も低い時間に、ネットワーク サーバー上のライセンス ファイルを更新するように計画してください。
最新のライセンス ファイルの準備
最新のライセンス ファイルをダウンロードし、ライセンス サーバーで使用できるように準備します。
ライセンス センターから最新のライセンス ファイルをダウンロードします。この手順を実行するのはライセンス管理者でなければなりません。
ライセンス センターで、更新する製品ライセンスをクリックします。
[インストールとアクティベーション] タブのライセンス サーバー テーブルで、ライセンス サーバーの行を見つけます。次に、[ライセンス ファイルを取得] 列で、ダウンロード矢印または電子メール アイコンをクリックします。
[ライセンス ファイルをダウンロード] をクリックし、次に [完了] をクリックします。ページに表示される追加の手順は無視してください。ダウンロードしたライセンス ファイルの名前は
license.licです。
(オプション) 複数のライセンスを更新する場合は、前の手順を繰り返して他のライセンス ファイルをダウンロードします。次に、これらのファイルの内容を 1 つの
license.licファイルに結合します。ファイルに空白行を含めないでください。サーバーの既存のライセンス ファイルから
SERVER行とDAEMON行を、ダウンロードしたライセンス ファイルにコピーします。変更されたライセンス ファイルは以下のようになります。SERVER <hostname> <hostID> <portNumber> DAEMON MLM <lmroot>/etc/<arch>/MLM # BEGIN--------------BEGIN--------------BEGIN <license file 1> # END-----------------END-----------------END # BEGIN--------------BEGIN--------------BEGIN <license file 2> # END-----------------END-----------------END . . . # BEGIN--------------BEGIN--------------BEGIN <license file N> # END-----------------END-----------------END
既存のライセンス ファイルの置き換え
プラットフォームの手順に従って、ライセンス マネージャーを停止します。ネットワーク ライセンス マネージャーの起動と停止を参照してください。
既存のサーバー ライセンス ファイルを、準備したライセンス ファイルに置き換えます。
ヒント: ライセンス マネージャー ソフトウェアも更新する場合は、この時点で既存のライセンス マネージャーのバイナリを最新のバイナリに置き換えます。ライセンス マネージャーの更新の詳細については、ネットワーク ライセンス マネージャー ソフトウェアの更新を参照してください。
プラットフォームの手順に従って、ライセンス マネージャーを再起動します。ネットワーク ライセンス マネージャーの起動と停止を参照してください。
ステータスを問い合わせて、ライセンス ファイルが更新されたことを確認できます。次のサポート記事に、ステータスを問い合わせる手順が記載されています。ライセンスまたはキーの使用状況のモニタリング