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レジストレーション推定のレジストレーション設定の調整

レジストレーション推定の設定をレジストレーション手法に基づいて調整します。

メモ

レジストレーション オプティマイザーのランダム性により、画質メトリクス、レジストレーションされたイメージおよび幾何学的変換は、同一のレジストレーション設定であっても、試行間でわずかに変化する可能性があります。

レジストレーション推定でサポートされる幾何学的変換

特徴ベースおよび強度ベースのすべてのレジストレーション手法では変換タイプを設定できます。変換行列の各タイプの詳細については、幾何学的変換の行列表現を参照してください。

  • "平行移動" 変換はイメージのサイズと方向を保持します。イメージ内の各ピクセルは同じ方向に同じ量だけ移動します。

  • "剛体" 変換には回転と平行移動があります。剛体変換は長さを保持します。

    メモ

    鏡映は剛体変換の一種ですが、レジストレーション推定は鏡映をサポートしません。

  • "相似" 変換には等方性スケーリング、回転、平行移動が含まれます。相似変換は形状を保持しますが、サイズは保持しません。特徴ベースのレジストレーション手法で使用する場合、マッチした点のペアが少なくとも 2 組必要です。

  • "アフィン" 変換にはせん断とサポートされるすべての相似変換が含まれます。アフィン変換は平行線を保持しますが、ライン間の角度や点の距離は必ずしも保持されません。特徴ベースのレジストレーション手法で使用する場合、マッチした点のペアが少なくとも 3 組必要です。

  • "射影" 変換では、サポートされるすべてのアフィン変換に加えて傾きを与えることができます。特徴ベースのレジストレーション手法で使用する場合、マッチした点のペアが少なくとも 4 組必要です。

レジストレーション手法平行移動剛体相似アフィン射影
すべての特徴ベースの手法  XXX
モノモーダル強度XXXX 
マルチモーダル強度XXXX 
位相相関XXX  

特徴ベースのレジストレーション設定

特徴ベースのレジストレーションでは、幾何学的変換タイプに加えて 3 つの設定を調整できます。

  • 検出された特徴の数。レジストレーションの実行に最低限必要とされるマッチした特徴の数は、変換タイプによって決まります。相似変換にはマッチした特徴が 2 つ以上必要です。アフィン変換にはマッチした特徴が 3 つ以上必要です。射影変換にはマッチした特徴が 4 つ以上必要です。

  • マッチした特徴の性質。画質の値はマッチした特徴のオプションの組み合わせです。

  • 回転。既定の設定では、特徴ベースのレジストレーションの使用により、移動イメージを回転させられます。一方、立体視などの一部のイメージング シナリオでは同一の回転をもつイメージを生成します。イメージが同じ回転をもつ場合、このオプションをオフにすると、レジストレーションの精度を上げることができます。

強度ベースのレジストレーション設定

すべての強度ベースのレジストレーション手法では幾何学的変換タイプを選択できます。レジストレーション手法に応じた追加設定を利用できます。

モノモーダルおよびマルチモーダル強度ベースのレジストレーションには共通する 3 つの設定があります。

  • 正規化。このオプションは両方のイメージのピクセル値を同じダイナミック レンジにスケーリングします。

  • ガウスぼかし (ブレ) の適用。ガウスぼかしを使用したイメージの平滑化は、オプティマイザーによる解析表面の大域的最大値や大域的最小値の検出に役立ちます。ただし、平滑化では表面の形状が変化し、過剰な平滑化では極値の位置が移動する可能性もあります。レジストレーションの開始時にイメージの位置が大幅にずれている場合、大量のぼかしは、オプティマイザーが適切な引き込み領域の探索に役立ちます。少量のぼかしは、開始時にイメージの位置が近い場合に役立ちます。

  • 中央揃え。このオプションは、2 つのイメージの中心のワールド座標を合わせる初期変換を行います。[geometric] オプションは、イメージの空間参照情報に基づいて幾何学的中心の位置を合わせます。[center of mass] オプションはピクセル強度の重み付き平均から計算された重心の位置を合わせます。

モノモーダル レジストレーションでは、規則的なステップ勾配降下オプティマイザーのプロパティを調整できます。このオプティマイザーのプロパティの詳細については、RegularStepGradientDescent を参照してください。

マルチモーダル レジストレーションでは、(1+1) 進化オプティマイザーのプロパティを調整できます。このオプティマイザーのプロパティの詳細については、OnePlusOneEvolutionary を参照してください。

位相相関では、イメージの周波数領域表現にウィンドウを設定することを選択できます。ウィンドウ処理によってレジストレーション結果の安定性が向上します。イメージ内で位置合わせしようとする共通の特徴がエッジに沿った向きになっている場合は、このオプションをオフにすると、レジストレーション結果を改善できます。位相相関を使用したイメージの変換の詳細については、imregcorr を参照してください。

非剛体および後処理の設定

レジストレーション推定の各レジストレーション手法では、非剛体変換によってレジストレーション近似を局所的に改良できます。非剛体変換の変位場推定の詳細については、imregdemons を参照してください。

レジストレーション推定で使用可能な非剛体設定は以下のとおりです。

  • 反復回数。この値は、各ピラミッド レベルでの反復回数です。

  • ピラミッド レベル。この値は、ガウス ピラミッドの縮小レベル数です。ピラミッド レベルの最大数は、イメージの各次元のサイズによって異なります。たとえば、固定イメージと移動イメージの最小の次元が 256 ピクセルの場合、最大 8 つのピラミッド レベルを使用できます。ピラミッドの縮小の詳細については、impyramid を参照してください。

  • 平滑化。この値はガウス平滑化の標準偏差を表し、すべてのピラミッド レベルで同じになります。値は [0.5, 3] の範囲内です。大きい値を指定すると、出力される変位場がより滑らかになります。小さい値を指定すると、出力される変位場の変形がより局所化されます。

メモ

数学的観点からは、等方性スケーリングとせん断は非剛体変換ですが、これらの変換はイメージ全体に作用します。レジストレーション推定アプリでのスケーリングとせん断は、非剛体変換を適用するのではなく、アフィンまたは射影の変換タイプを選択して有効にしてください。

参考

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