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伝達関数モデルとは

伝達関数モデルの定義

伝達関数モデルは、多項式の比を使用してシステムの入力と出力間の関係を記述します。"モデル次数" は、分母多項式の次数と等しくなります。分母多項式の根はモデルの "極" と呼ばれます。分子多項式の根はモデルの "零点" と呼ばれます。

伝達関数モデルのパラメーターはその極、零点、および伝達遅延です。

連続時間表現

連続時間では、伝達関数モデルは次の形式になります。

Y(s)=num(s)den(s)U(s)+E(s)

ここで、Y(s)、U(s)、および E(s) はそれぞれ出力、入力、およびノイズのラプラス変換を表します。num(s) および den(s) は、入力と出力の間の関係を定義する分子多項式と分母多項式を表します。

離散時間表現

離散時間では、伝達関数モデルは次の形式になります。

y(t)=num(q1)den(q1)u(t)+e(t)num(q1)=b0+b1q1+b2q2+den(q1)=1+a1q1+a2q2+

num(q^-1) および den(q^-1) の根はラグ変数 q^-1 で表されます。

Z 変換の場合、伝達関数は次のような形式になります。

Y(z1)=num(z1)den(z1)U(z1)+E(z1)num(z1)=b0+b1z1+b2z2+den(z1)=1+a1z1+a2z2+

ここで、Y(z-1)、U(z-1)、および E(z-1) はそれぞれ出力、入力、およびノイズの Z 変換を表します。z-1 はラグ演算子の Z 変換を表します。

遅延

連続時間では、入力遅延と伝達遅延は次の形式になります。

Y(s)=num(s)den(s)esτU(s)+E(s)

ここで、τ は遅延を表します。

離散時間では、次のようになります。

y(t)=numdenu(tτ)+e(t)

ここで、num および den はラグ演算子 q^(-1) の多項式です。

多入力多出力モデル

単入力単出力 (SISO) の連続伝達関数は、G(s)=num(s)den(s) の形式になります。対応する伝達関数モデルは次のように表すことができます。

Y(s)=G(s)U(s)+E(s)

多入力多出力 (MIMO) の伝達関数には、システムの各入出力ペアに対応する SISO 伝達関数が含まれます。たとえば、2 つの入力と 2 つの出力をもつ連続時間伝達関数モデルは次のような形式になります。

Y1(s)=G11(s)U1(s)+G12(s)U2(s)+E1(s)Y2(s)=G21(s)U1(s)+G22(s)U2(s)+E2(s)

ここで、Gij(s) は、i 番目の出力と j 番目の入力の間の SISO 伝達関数です。E1(s) および E2(s) は、2 つの出力に対応するノイズのラプラス変換です。

離散時間 MIMO 伝達関数モデルも類似した表現になります。

参考

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