エンジン冷却システム
この例では、Simscape™ Fluids™ Thermal Liquid ブロックを使用して油冷回路をもつエンジン冷却システムをモデル化する方法を示します。このシステムには、冷却回路と油冷回路が含まれます。固定容量型ポンプは冷却回路に冷却液を通します。エンジンからの熱の主要部分は冷却液によって吸収され、ラジエーターを通じて放散されます。システム温度はサーモスタットによって制御されます。これにより、温度がしきい値を上回っている場合にのみ、水流がラジエーターに向けられます。油冷回路もエンジンからの熱の一部を吸収します。油に加えられた熱は、油-冷却液熱交換器によって冷却液に伝達されます。ラジエーターは、空気側の流量が物理量信号入力で制御された E-NTU Heat Exchanger (TL) ブロックです。油-冷却液熱交換器は E-NTU Heat Exchanger (TL-TL) ブロックです。冷却ポンプとオイル ポンプはどちらもエンジン回転数によって駆動されます。
モデル

Engine サブシステム
エンジンによって生成される熱出力は、瞬時エンジン回転数とエンジン トルクの関数として計算されます。この出力は 2 つに分配され、冷却回路と油回路に送られます。エンジンから放出された熱量の 50% が冷却液に加えられ、エンジンから放出された熱の 20% が油に加えられると仮定します。

Heat Flow Rate in Engine サブシステム

Fan サブシステム

Fan Unit サブシステム
ラジエーターの冷却空気速度は、2 次元ルックアップ テーブルを瞬時車両速度とファン コントローラー信号の関数として使用してモデル化されます。

Fan Control サブシステム
ファン コントローラー ユニットには 2 つの制御レベルがあります。1 次レベルは、1 次制御ターゲット温度より高い冷却液温度で動作します。冷却液温度が温度しきい値を超えると、2 次レベルが有効になります。

2-Level Fan Controller サブシステム

Air サブシステム

Driving Cycle サブシステム
実際の車両の走行サイクルは、瞬時車両速度、エンジン回転数、およびエンジン トルクの入力に基づいて示されます。

Shaft Speed サブシステム

Scope からのシミュレーション結果

Simscape ログからのシミュレーション結果
以下のプロットは、エンジン冷却システムでサーモスタットが開いたときの効果を示します。エンジン ブロックの温度が継続的に上昇すると、やがてサーモスタットが開きます。そのとき、ラジエーターを通る冷却液の流れが急激に上昇し、バイパス ホースを通る冷却液の流れが減少します。ラジエーターを通る冷却液は大気中に熱を放出するため、エンジン ブロックの温度の上昇が緩やかになります。

このプロットは、冷却システムのさまざまな場所における冷却液の密度を時間の経過とともに示します。冷却液の密度は、ネットワーク全体で、局所温度と局所圧力に基づいて変化します。

以下のプロットは、瞬時車両速度、エンジン回転数、およびエンジン トルクの入力プロファイルを示します。車両は停止状態から始動し、最大速度付近まで加速します。その後、車両は完全に停止するまで減速します。
