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車両 HVAC システム

この例では、乗用車の冷暖房システムをモデル化します。車室は、外部環境と熱を交換する湿り空気のボリュームとして表されます。湿り空気は、送風機によって蒸発器、ブレンド ドア、ヒーター コアに送られた後、車室に戻ります。ブレンド ドアは、ヒーター コアを通る空気の流量を制御します。再循環ドアは、空気を外部環境から取り込むか車室内から取り込むかを制御します。

蒸発器とヒーター コアは、それぞれ冷媒ループと冷却ループの一部です。冷媒ループは、コンプレッサー、凝縮器、受液器、サーモスタット膨張弁、蒸発器を使用した一般的な R-134a 蒸気圧縮冷凍サイクルです。シミュレーション中におけるサイクルの熱力学的状態が P-H Diagram ブロックで示されます。

冷却ループは、冷却液を冷却ジャケットに通して熱を吸収してから、ラジエーター/ヒーター コアに通して熱を放出するエンジン駆動ポンプで構成されます。サーモスタットは、望ましいエンジン温度を保つために、ラジエーターを通る流量を制御します。ヒーター制御バルブは、望ましい車室熱を保つために、ヒーター コアを通る流量を制御します。膨張タンクは、冷却液が熱で膨張または収縮するときのボリュームを提供します。

冷媒ループと冷却ループは、サブシステム参照ブロックによって別々のファイルでモデル化されています。そのため、冷媒ループ、冷却ループ、および車両 HVAC モデル全体の作業をそれぞれのユーザーが独立して簡単に行うことができます。冷媒ループと冷却ループの参照サブシステムには、メインの車両 HVAC モデルとは別にシミュレーションできるように、それぞれ独自のテスト ハーネス モデル (Simulink® Test™ が必要) が含まれています。詳細については、モデルでの参照サブシステムの作成と使用を参照してください。

車両 HVAC モデルは、事前定義された入力または手動入力の 2 つのモードでシミュレーションできます。事前定義された入力を使用する場合は、HVAC の設定と環境条件が Simulink ソース ブロックで指定されています。最初の 1800 秒は、環境温度が 30℃で、空調がオンになります。次の 1800 秒は、環境温度が 10℃まで下がり、空調がオフになってヒーターがオンになります。手動入力を使用する場合は、実行時にダッシュボード コントロールを使用して HVAC の設定と環境条件を調整できます。

モデル

手動入力

Cabin サブシステム

Heat Transfer サブシステム

Passengers サブシステム

Coolant Loop サブシステム

Engine Block サブシステム

Intake サブシステム

Refrigerant Loop サブシステム

Scope からのシミュレーション結果

Simscape ログからのシミュレーション結果

次の図は、車室内の湿り空気の湿度線図を示しています。これは、ASHRAE Psychrometric Chart No. 1 に基づいており、乾球温度、湿球温度、相対湿度、湿度混合比、エンタルピーなど、湿り空気の熱力学特性を表現するために使用されます。事前定義された入力を使用する場合は、シミュレーション中における車室内湿り空気の状態の軌跡がチャートにプロットされています。手動入力を使用する場合は、車室内湿り空気の状態が実行時に継続的に更新されます。

次のプロットは、空調をオンにしたときの蒸発器の凝縮速度を示しています。

次のプロットは、車両 HVAC システムの消費電力への寄与と冷媒ループのパフォーマンス係数を示しています。空調は 1800 秒でオフになることに注意してください。

参考

トピック