fdesign.lowpass
ローパス フィルターの仕様オブジェクト
メモ
関数 fdesign.lowpass および design を使用した多段フィルター設計では、結果として得られる設計がカスケードではなく単一ステージ フィルターである場合を除き、SystemObject フラグを true に設定しなければならなくなりました。この設定では、mfilt.cascade オブジェクトの代わりに dsp.FilterCascade オブジェクトが生成されます。
詳細については、バージョン履歴を参照してください。
構文
D = fdesign.lowpass
D = fdesign.lowpass(SPEC)
D = fdesign.lowpass(SPEC,specvalue1,specvalue2,...)
D = fdesign.lowpass(specvalue1,specvalue2,specvalue3,specvalue4)
D = fdesign.lowpass(...,Fs)
D = fdesign.lowpass(...,MAGUNITS)
説明
D = fdesign.lowpass は、ローパス フィルターの仕様オブジェクト D を作成し、既定の仕様オプション 'Fp,Fst,Ap,Ast' に既定値を適用します。
D = fdesign.lowpass(SPEC) は、D オブジェクトを作成し、その Specification プロパティを SPEC のエントリに設定します。SPEC のエントリは、フィルター次数などの、フィルター設計を左右するさまざまなフィルター応答の機能を表します。SPEC の有効な値を以下に示します。オプションでは、大文字と小文字は区別されません。
メモ
アスタリスク付きの仕様オプションには、DSP System Toolbox™ ソフトウェアが必要です。
'Fp,Fst,Ap,Ast'(既定のオプション)'N,F3db''N,F3db,Ap'*'N,F3db,Ap,Ast'*'N,F3db,Ast'*'N,F3db,Fst'*'N,Fc''N,Fc,Ap,Ast''N,Fp,Ap''N,Fp,Ap,Ast''N,Fp,Fst,Ap'*'N,Fp,F3db'*'N,Fp,Fst''N,Fp,Fst,Ast'*'N,Fst,Ap,Ast'*'N,Fst,Ast''Nb,Na,Fp,Fst'*
フィルター仕様は次のように定義されます。
Ap— 通過帯域内で許容されるデシベル単位 (既定の単位) のリップル量。Apass とも呼ばれます。Ast— 阻止帯域でのデシベル単位 (既定の単位) の減衰量。Astop とも呼ばれます。F3db— 通過帯域値より 3 dB 低い位置でのカットオフ周波数。正規化周波数単位で指定されます。Fc— 通過帯域値より 6 dB 低い位置でのカットオフ周波数。正規化周波数単位で指定されます。Fp— 通過帯域の終了位置での周波数。正規化周波数単位で指定されます。Fpass とも呼ばれます。Fst— 阻止帯域の開始位置での周波数。正規化周波数単位で指定されます。Fstop とも呼ばれます。N— フィルター次数NaおよびNbは分子と分母の次数です。
フィルターの仕様を図で表すと、次のようになります。

Fp と Fst 間などの仕様値が指定されていない領域は、フィルター応答が明示的に定義されていない遷移領域です。
D = fdesign.lowpass(SPEC,specvalue1,specvalue2,...) は、D オブジェクトを作成し、作成時に SPEC のすべての仕様変数に specvalue1、specvalue2 などを使用して仕様値を設定します。
D = fdesign.lowpass(specvalue1,specvalue2,specvalue3,specvalue4) は、オブジェクト D を作成し、これは指定された仕様を入力引数 specvalue1,specvalue2,specvalue3,specvalue4 として使用する既定の Specification プロパティ 'Fp,Fst,Ap,Ast' をもちます。
D = fdesign.lowpass(...,Fs) は、引数 Fs を Hz で追加し、使用するサンプリング周波数を定義します。この場合は、仕様内のすべての周波数も Hz です。
D = fdesign.lowpass(...,MAGUNITS) は、入力引数で指定する振幅仕様の単位を指定します。MAGUNITS は、以下のいずれかです。
'linear'— 振幅を線形単位で指定'dB'— 振幅を dB (デシベル) 単位で指定'squared'— 振幅をパワー単位で指定
MAGNUNITS 引数の指定を省略すると、fdesign はすべての振幅をデシベル単位として扱います。fdesign は振幅をどのように指定したかにかかわらず、すべての振幅を (必要に応じて変換して) デシベル単位で格納します。





