Simulink での ADALM-PLUTO 無線機を使用した QPSK 送信機
このモデルは、ADALM-PLUTO 無線機を Simulink® と組み合わせて使用し、QPSK 送信機を実装する方法を示しています。このモデルの ADALM-PLUTO 無線機は、指定された中心周波数でインデックス付きの 'Hello world' メッセージを継続的に送信します。QPSK Receiver with ADALM-PLUTO Radio in Simulinkの例を使用して、送信されたメッセージを復調できます。この例では、2 つの ADALM-PLUTO 無線機がコンピューターに接続されていることを前提としています。
例の構造
モデルの最上位構造を次の図に示します。
送信機には Bit Generation サブシステム、QPSK Modulator ブロック、Raised Cosine Transmit Filter ブロックが含まれます。次の図に示すように、Bit Generation サブシステムは MATLAB ワークスペース変数をフレームのペイロードとして使用します。各フレームには、'Hello world ###' という 100 個のメッセージと 1 つのヘッダーが含まれます。最初の 26 ビットはヘッダー ビットであり、13 ビットのバーカー符号を 2 倍にオーバーサンプリングしたものです。バーカー符号は、後に受信機モデルの Data Decoding サブシステムで使用する QPSK シンボルを正確に 13 個生成するため 2 倍にオーバーサンプリングされています。残りのビットがペイロードです。ペイロードは 'Hello world ###' (### は '000'、'001'、'002'、...、'099' のシーケンスの繰り返し) の ASCII 表現に対応します。ペイロードは受信機モデルのタイミング再生処理のために 0 と 1 をバランス良く配分するためスクランブルされています。スクランブルされたビットは QPSK Modulator (グレイ マッピングを伴う) によって変調されます。変調されたシンボルは Raised Cosine Transmit Filter (ロールオフ係数が 0.5) によって 2 倍にアップサンプリングされます。Raised Cosine Filter の出力レートは、シンボル レートを 200k シンボル毎秒とした 400k サンプル/秒に設定されています。送信機モデルと受信機モデルのシンボル レートをそれぞれ一致させてください。
例の実行
モデルを実行する前に、2 つの ADALM-PLUTO 無線機をコンピューターに接続します。ADALM-PLUTO Radio Transmitter ブロックの [中心周波数] パラメーターを設定し、モデルを実行します。送信された信号を受信するには、QPSK Receiver with ADALM-PLUTO Radio モデルを実行します。リアルタイム プロセスを確実に実行するために、2 つの MATLAB® セッションを初期化することを推奨します。
例の検証
ADALM-PLUTO 無線機間のハードウェアの違いにより、送信機ハードウェアと受信機ハードウェアの間に周波数オフセットが存在する可能性があります。その場合は、対応する送信機と受信機の周波数オフセット キャリブレーション モデルを使用して手動周波数キャリブレーションを実行し、結果の動作を調べます。
メッセージが受信機モデルによって適切に復号化されない場合は、このモデルの ADALM-PLUTO Radio Transmitter ブロックのソース信号のゲインと、受信機モデルの ADALM-PLUTO Radio Receiver ブロックのゲインを変更できます。