演算子の優先順位のルールにより、予期せぬ式の評価が得られる可能性があります
演算子の優先順位のルールにより、演算式での評価順が予想外のものになる
説明
この欠陥は、演算子の優先順位ルールで決定される評価順が予想外であるため、演算式の結果が想定を外れる可能性がある場合に発生します。
欠陥によって、x という形式の式が強調表示されます。ここで、op_1 y op_2 zop_1 および op_2 はこのエラーをよく引き起こす演算子の組み合わせです。たとえば、x == y | z です。
チェッカーは、すべての演算子の組み合わせにフラグを設定するわけではありません。たとえば、x == y および z の間で論理 OR の実行を意図する可能性は非常に高いため、x == y || z にはフラグを設定しません。具体的には、チェッカーは以下の組み合わせにフラグを設定します。
&&および||: たとえば、x || y && zやx && y || z。代入演算とビット演算: たとえば、
x = y | zです。代入演算と比較演算: たとえば、
x = y != zやx = y > z。比較演算: たとえば、
x > y > z(いずれかの比較が等号である場合x == y > zを除く)。シフト演算と数値演算: たとえば、
x << y + 2です。ポインターのデリファレンスおよび演算: たとえば、
*p++です。
リスク
欠陥により、次のような問題が発生する場合があります。
コード レビュー担当者がコードをレビューする場合に、意図されている評価順がすぐにはわからない。
評価の結果が予想と一致しない可能性がある。次に例を示します。
演算
*p++では、デリファレンスされた値がインクリメントされるとの予想が可能。しかし、ポインターpはデリファレンスの前にインクリメントされている。演算
(x == y | z)では、xがy | zと比較されるとの予想が可能。しかし、==演算は|演算の前に行われている。
修正方法
評価の順序が想定どおりであるかどうかを確認します。違っている場合は、小かっこを適用して望ましい評価順を実装します。
コードの可読性を高めるため、演算子の優先順位ルールにより評価順が強制される場合でも、小かっこを適用してその評価順を実装することをお勧めします。
例
結果情報
| グループ: プログラミング |
| 言語: C | C++ |
| 既定値: 手書きコードはオン、生成コードはオフ |
コマンド ライン構文: OPERATOR_PRECEDENCE |
| 影響度: High |
バージョン履歴
R2015b で導入