芝浦工業大学、MATLAB、Simulink、および Arduino ハードウェアを使用して電力システム制御を学ぶグローバル プロジェクトベース ラーニングのコースを開講 - MATLAB & Simulink

芝浦工業大学、MATLAB、Simulink、および Arduino ハードウェアを使用して電力システム制御を学ぶグローバル プロジェクトベース ラーニングのコースを開講

「私たちの目的は、工学部の学生が国際的な共同作業と実験を通じて、産業分野における問題の解決方法を学べるよう支援することです。電力システム研究室では、MATLAB と Simulink を使用することで、複数の大学と協力して今回の実験を行うことができました。」

課題

グローバル プロジェクトベース ラーニング手法を使用して、工学部の学生に電力システム制御の基礎理論に関する指導を行う

ソリューション

MATLAB および Simulink を使用することで、Arduino と実際の同期発電機を使用した実践的な実験を行う前に、学生が共同で制御設計をシミュレーションできるようにする

結果

  • 学生のスキルを強化
  • 国際的な共同作業が可能に
  • 立ち上がり時間を最小化
研究室で同期発電機のコントローラーを設計、実装、最適化する学生たちの様子。

芝浦工業大学の学生は、同期発電機のコントローラーの設計、実装、最適化に MATLAB と Simulink を使用しています。

芝浦工業大学 (SIT) におけるグローバル プロジェクトベース ラーニング (gPBL) プログラムでは、日本と海外の提携大学の学生に、産業分野の課題を解決しながら、共同作業、システム思考、およびシステム管理のスキルを習得する機会を提供しています。工学部では、日本、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムの 2 年生と 3 年生のチームが、同期発電機のコントローラーの設計、実装、および最適化を共同で行っています。

以前は、このコースはすべて対面で行われ、他大学の学生は SIT に足を運ぶ必要がありました。最近、コースはオンライン形式に移行し、学生は Arduino® インターフェイスを介して実際のハードウェアでテストおよび最適化を行う前に、MATLAB® と Simulink® を使用して設計をシミュレーションしています。

芝浦工業大学電気工学科教授で、同コースの主任教員を務める藤田吾郎教授は、次のように述べています。「gPBL コースの目的は、プロジェクトを通じて学生に国際的な共同作業を体験してもらうことです。MATLAB と Simulink は、学生がモデル化、シミュレーション、および実験を介して発電機制御の設計を学ぶ上で、この共同作業を行う場となっています。」

課題

対面式からオンラインに移行する際、藤田教授をはじめとする教員は、コースの核となる実験をゼロから設計し直す必要がありました。この再設計で、教員はさまざまな言語、背景、スキルを持つ工学系学生の多様性を考慮する必要がありました。

藤田教授は、コース全体を通して、学生が新しいソフトウェアの学習や構成よりも、制御設計に集中できるよう配慮しました。そのため、学生たちが既に使い慣れているか、すぐに習得できるモデル化とシミュレーションのためのツールが必要でした。また、教員たちと作成した Arduino ベースのハードウェア開発キットとそのツールを簡単に統合できることも必要でした。さらに、そのツールは、オンライン環境において、自立的かつ共同作業型のプロジェクトベース ラーニングを促進するものであることが必須条件でした。

ソリューション

SIT の gPBL プログラムの一環として、藤田教授とコース TA の Sitompul 博士をはじめとする教員は、MATLAB と Simulink を使用して、5 か国からなる学生チームに同期発電機の制御設計の指導を行いました。

コースの前半では、教員陣は学生に Arduino プラットフォームを使用した MATLAB と Simulink による簡単な演習をさせました。LED の点滅、DC モーターの制御などの演習を行い、MATLAB と Simulink を使用して、Arduino インターフェイスからハードウェアを制御するための基礎をすべての学生が理解できるようにしました。

次に、学生たちは、コース用に教員陣が作成した同期発電機モデルキットに着手しました。このキットには、同期発電機の原動機となる誘導モーターが含まれています。発電機は、伝送線路と負荷に接続されています。

藤田教授の指導の下、学生チームは Simulink と Control System Toolbox™ を使用してコントローラーモデルを開発しました。その後、そのコントローラーモデルと、藤田教授が Simulink と Simscape™ を使用して作成した同期発電機のプラントモデルを用いて、閉ループのシミュレーションを実行しました。

毎週実施したミーティングで、学生たちは実施する実験の計画および検討を行いました。SIT の学生が実践的な作業を担い、提携大学の学生は主に解析とシミュレーションに専念しました。

ある実験では、SIT の学生が Simulink、Simulink Support Package for Arduino Hardware、および Arduino プラットフォームを使用して、コントローラーの初期バージョンを実行しました。その後、発電機のさまざまな負荷を試し、結果として得られる電圧と周波数の偏差を記録しました。海外の学生は、その結果を MATLAB で解析し、ボード線図による可視化と伝達関数によるモデル化を行いました。

その解析をもとに、海外の学生は発電機の誘導モーターと励磁機を通じて電圧と周波数を制御する Simulink モデルの制御パラメーター値を調整しました。SIT の学生は、これらの変更がシステム性能に及ぼす影響を測定し、さらなる最適化が必要かどうかを判断するために、実験を再度行いました。

最後に、学生たちはシミュレーションと物理実験の結果を比較し、実験結果の検証を行いました。

藤田教授と教員陣は現在、同期発電機制御システムに続き、MATLAB、Simulink、および Arduino プラットフォームを使用する電力システム制御の 2 つ目の実験モジュールを開発中です。

結果

  • 学生のスキルを強化。藤田教授は、次のように述べています。「MATLAB と Simulink は、学生が電力システムの制御を学習するのに最適です。学生は Simulink で制御パラメーターを更新した後に、Arduino を使用して物理発電機への接続を介した実験を行うことで、システム性能への影響を観察できます。」
  • 国際的な共同作業が可能に。藤田教授は、次のように述べています。「MATLAB と Simulink によって、学生は国際的な共同作業を学び、共通言語を使用してプロジェクトレベルの問題を解決できました。MATLAB と Simulink を使用することで、コミュニケーション不備の問題は最小限に抑えられました。」
  • 立ち上がり時間を最小化。藤田教授は、次のように述べています。「MATLAB と Simulink の採用は、多くの大学の工学部で広く使用されていることもあり、このコースを指導する上で重要です。学生たちには既にソフトウェアの知識があったため、我々も独自の実験モジュールをコースに導入するのは簡単でした。」