三菱重工、Simulink モデルを活用してドローン開発を加速
制御アルゴリズムの安全かつ効率的な開発および検証
「Simulink の自動コード生成技術をワークフロー全体に適用することで、アルゴリズム設計・実装から機能検証まで高効率化・高精度化を図ることができました。」
主な成果
- 制御設計から PX4 実装まで Simulink モデルを活用した一貫した開発フローを構築しました。
- HIL シミュレーションによる PX4 の制御アルゴリズムの継続的なテストを通じて、品質を向上させ、開発期間を短縮しました。
- PX4 Autopilot へのシステム統合に Simulink モデルを活用する知見を得ることができました。
産業、物流、災害対応の分野における無人航空機 (UAV) やドローンの普及に伴い、より高度で精度の高い制御アルゴリズムに対するニーズが高まっています。三菱重工 (MHI) の総合研究所では、次世代ドローンを開発するにあたり、さまざまな制御技術を新しいアルゴリズムに組み込んだ制御モジュールを、効率的に開発・検証する必要がありました。しかし、このワークフローには、開発スピードのボトルネック、制御アルゴリズムの手作業によるコードの実装と検証、開発初期段階での飛行テストの実施などの課題がありました。こうした課題からは、安全性、コスト、再現性に関するリスクや制約が生じていました。
このため、MHI では、実機を使わなくとも製品設計や正確な機能検証が行える開発環境を構築しました。Simulink® と UAV Toolbox を使用すると、エンジニアは制御アルゴリズムを設計し、PX4 専用のブロックセットを通じてセンサーやアクチュエータと効率的に連携できます。こうしたモデルベースのアプローチにより、開発初期段階から飛行制御ロジックを可視化・検証できます。Embedded Coder® を使用することで、Simulink モデルから高品質な C コードを自動生成できます。この生成コードは、PX4 Autopilot のファームウェアに直接組み込めるため、手作業によるコーディングに比べて開発工数を大幅に削減できます。さらに、MHI は、Simulink Real-Time™ と Speedgoat® のリアルタイム ハードウェアを組み合わせて、ハードウェアインザループ (HIL) シミュレーション環境を構築しました。センサー信号や飛行力学をリアルタイムでシミュレーションすることで、チームは実際の飛行テストに進む前に、現実的な運用条件下における制御アルゴリズムの動作を検証できます。