WithBEER 社、SCADA システムを組み込んだマイクログリッド向け 300kW テストベンチを構築

研究者による安全・電力調整・エネルギー貯蔵技術の検証が可能に

「KOICA 主導プロジェクトとモロッコのグリーンテクノロジー研究開発総合支援プロジェクトの一環として、当社は マイクログリッド向け 300kW テストベンチのシステム構成全体を設計・構築し、現地の研究者が活用できるようモデルベースデザインの SCADA を構築しました。」

主な成果

  • Simscape Electrical™ により、マイクログリッド向けテストベンチと SCADA システムを効果的に統合
  • Simulink Real-Time を用いたリアルタイムテスト環境が、研究者やエンジニアに、アルゴリズム実装、機能追加、負荷プロファイル作成、負荷制御などを可能にする柔軟性を提供
  • Simulink® ツールにより、自動/手動アルゴリズムテストの管理・実行が容易に

韓国発スタートアップである WithBEER 社は、モロッコのグリーンテクノロジー研究開発総合支援プロジェクトに参画しています。 このプログラムの一環として、同社は再生可能エネルギーの活用を推進するため、マイクログリッド向け 300kW テストベンチを設計、構築しました。

WithBEER 社のチームは、Simulink Real-Time™ を活用して、ハードウェアインザループ (HIL) シミュレーションを備えたテストベンチを構築し、リアルタイム シミュレーター Speedgoat® を電力設備に統合しました。 初期のプロトタイピング段階では、まず、非線形パワーアンプ、スイッチングデバイス、AC電源、受動負荷、インバータなど、各機器ごとに自動テストを行いました。 また、マイクログリッドへの構成・統合に先立ち、リアルタイム シミュレーターを用いて各機器の制御を個別に確立させました。

スペースの制約から、まず 90 kW の統合テストが実施されました。 モロッコにおいては、当初利用可能な電源が 270 kW に限られており、必要とされる 300 kW を下回っていました。 これに対処するため、チームはコンポーネントの放電を取り入れた負荷管理手法を採用しました。

300 kW の全負荷テストに対応するテストベンチがモロッコに設置され、WithBEER 社の技術指導と支援のもと、無事に運用が開始されました。 また、モデルベースデザインの SCADA (監視制御・データ収集) システムも構築され、研究者は安全性、電力調整、エネルギー貯蔵、低/高電圧、線路インピーダンス シミュレーションなど、さまざまなテスト要件に応じた機能を追加できるようになりました。