Simulink Copilot の概要
Simulink Copilot は、生成 AI で強化された機能を Simulink やモデルベースデザイン (MBD、モデルベース開発) にもたらします。教員、学生、研究者は、モデルやエラーの説明、ツールや手法の習得、設計に関するガイダンスの確認などに利用できます。複雑なモデルの操作や問題の診断でも、ユーザーはモデリングとシミュレーションのワークフローを通して、指針となる説明や提案を受けることができます。
急速に発展する生成 AI は、これからのエンジニアや科学者が身につけておくべき非常に重要なスキルになってきています。Campus-Wide アクセスに含まれる Simulink Copilot を通じて、教員は学生の生成 AI スキルの習得をサポートすることができます。
生成 AI がもたらす新たな学びの機会
生成 AI ツールを活用するには、学生はプロンプトを作成・調整し、試行錯誤しながらアイデアを発展させたり、生成結果を評価したりするなど、新しいスキルの習得が必要になります。こうした一つひとつのプロセスが、自分自身に問いかける能力を養い、学校や将来の職場で活用できる新しいスキルを身につける良い機会となります。
生成 AI ツールの正しい使い方を学生に教えることで、これまで以上に多くのことをコースで達成できる基盤を築くことができます。モデルのトラブルシューティングに費やす時間を少なくすることで、実践的なプロジェクトを通じたコース学習に多くの時間を使うことができます。
Simulink Copilot のような生成 AI ツールは、学生が必要なときに支援を受けられるよう、リアルタイムでフィードバックやサポートを提供します。
- Simulink Copilot は、適切なツールやブロックを提案し、モデリングやシミュレーション作業に適した例やドキュメンテーションを学生に案内します。
- 学生はモデルの挙動を把握して、複雑なシステムのアーキテクチャやアルゴリズムを理解したり、特定のコンポーネントを検索し、モデルベースデザインのベストプラクティスを学ぶことができます。
- 学生は既存モデルの修正や新規モデルの作成に関する詳細なガイダンスを得ることで、必要な変更を行うことができます。
- Simulink Copilot は、学生が問題を特定できるように、エラーメッセージの説明と可能な修正方法を提供します。
- Simulink Copilot のドキュメンテーションでは、的確なプロンプトの書き方に関するリソースも提供されており、学生はより適切に指示を出せるようになります。
授業における生成 AI に関する懸念
生成 AI ツールには多くの利点がある一方で、学生のスキル評価に支障をきたすこともあります。こうした状況は特に基礎科目で見られ、これまで評価課題として出されてきた基本的な問題が、最新の生成 AI ツールを使うと簡単に解くことができます。このような状況下で、講師は学生に生成 AI アシスタントを使わずに演習に取り組ませたいと考えることもあります (以下の Simulink Copilot の設定セクションを参照)。こうした背景から、多くの講師が、以下のようなスキルや活動を重視した評価方法を模索しています。これらは今後も重要であり、職業上でも価値があると考えられています。
- プロジェクトベース ラーニング
- クリティカル シンキング
- システムレベル思考
これらの手法は、学生が設計上の意思決定を行い、トレードオフを説明し、複雑な工学システムを繰り返し改善していく必要があるモデルベースデザインに求められる能力と一致しています。
プロジェクトベース ラーニングにおいて、Simulink Copilot は貴重な学習パートナーとなり、学生がトラブルシューティングに費やす時間を少なくすることで、効果的なモデルベースデザインの実践に不可欠なシステムレベルで考える力の向上に多くの時間を使えるようになります。
生成 AI を利用した学生の課題評価に関する調査では、バイアス、有効性、透明性という観点から潜在的なリスクが指摘されています。Simulink Copilot は、学生の提出物の評価や成績判定を行うものではありません。その代わりに、MATLAB Course Designer で Simulink ベースのコースを作成する講師に役立つ支援を提供し、モデル例の開発や解説文の下書き、教材コンテンツの作成などをサポートします。MATLAB Course Designer と MATLAB Grader は、学生が自力で問題解決の方法を学ぶことを目的としているため、MATLAB Course Designer や MATLAB Grader の学習アクティビティでは、Simulink Copilot は無効化されています。
学習時の Simulink Copilot 設定
Simulink Copilot はモデリングのガイダンスや説明の提供に優れています。それでも、将来的により複雑なタスクにも対応できるようにするためには、学生が自力でモデリングの基礎をしっかり身につけることが重要です。教員は Simulink Copilot へのアクセスを許可したり、制限したりすることが可能です。MATLAB の設定から Simulink Copilot 全体を有効または無効に切り替えることで機能をコントロールできます。