Scenario Builder サポートパッケージには、実際の走行データの記録から高忠実度のシミュレーション シナリオを生成するためのツールが用意されています。高度な AI モデルを活用して、GPS/IMU、カメラ、LiDAR、オブジェクトリストのデータから道路ネットワーク、アクターの軌跡、重大な走行イベントを抽出します。イベント検出パラメーターの調整、関連センサーやセンサーの組み合わせの選択、マルチセンサーのデータストリームの同期などを行うことで、シナリオ生成ワークフローをカスタマイズできます。生成されたシナリオは、RoadRunner やドライビング シナリオ デザイナーで利用でき、OpenSCENARIO®、OpenDRIVE®、OpenCRG® などの ASAM 標準フォーマットへのエクスポートも可能です。
Scenario Builder では、以下を行うことができます。
- 車線、樹木、建物を使用したシーンの再構築
- 車両の軌跡からシナリオを作成
- 重大な走行イベントの検出と抽出
- シミュレーション用に画像から独自のドライビングアセットを生成
- 走行データのインポートと解析
車線、樹木、建物を使用したシーンの再構築
記録された走行データから直接シミュレーションに使える道路環境を作成できます。カメラ、LiDAR、車線検出などのソースから、車線、交差点、カーブ、バンクを含む道路ネットワーク全体を抽出します。実際のセンサーデータや USGS などの公開航空 LiDAR を使用して、樹木、建物、交通標識などの静的要素を再構築します。実際の標高プロファイル、車線数、車線幅に基づいてマップを調整することで、手動での作成を大幅に削減できます。
車両の軌跡からのシナリオ作成
GPS、カメラ、LiDAR、オブジェクトリストなどのデータから自車とターゲットアクターの軌跡を抽出して、プログラムでシナリオを生成できます。IMU と車線位置情報を用いて自車の姿勢と軌跡を補正し、正確なシナリオの再構築を実現します。手動で軌跡を作成する必要はありません。
重大な走行イベントの検出と抽出
記録されたセンサーデータから、割り込み、車線変更、右左折、ブレーキ、至近距離での交差などの重大な運転動作を直接検出できます。イベント検出パラメーターを調整して、強引な割り込みなどの変化を抽出し、独自のイベントトリガーを定義することで、プログラムでエッジケース シナリオのデータベースを作成できます。
シミュレーション用に画像から独自のドライビングアセットを生成
高解像度の単一画像から独自の車両や静的オブジェクト (樹木、建物、パイロンなど) をプログラムで作成できます。アセットを RoadRunner Scenario の座標系に変換して、スケーリングと位置合わせを行うことで、独自のオブジェクトを使った実環境に即したシミュレーションを作成し、シナリオのテストや開発に利用することができます。
走行データのインポートと解析
Rosbag、表形式、MAT などの形式で保存された GPS、カメラ、LiDAR、軌跡、オブジェクトリストといった実際の走行データをインポートできます。視覚的な手がかりやキャリブレーション情報、たとえば車線位置や衛星画像などを用いて、マルチセンサー データストリームの時系列を揃えて同期できます。検出された車線とアクタートラックを生のセンサーデータに重ね合わせて視覚的に検証することで、シナリオ生成前に精度を確認できます。