1 次元非整数ブラウン運動合成
この例では、関数wfbmを使用して非整数ブラウン運動信号を生成する方法を示します。
非整数ブラウン運動 (fBm) は、Hurst パラメーター 0 < H < 1 に依存する連続時間ガウス過程です。これは、H = 0.5 に対応する通常のブラウン運動を一般化し、その微分はホワイト ノイズです。fBm の分布は自己相似性をもち、インクリメントの分散は以下で与えられます。
Var(fBm(t) - fBm(s)) = v abs(t-s)^(2H),
ここで、v は正の定数です。fBm は、H > 0.5 で "長期依存性" を示し、H < 0.5 で "短期" または "中期依存性" を示します。
再現性を得るために、乱数シードを既定値に設定します。H = 0.3 で長さ 1000 の非整数ブラウン運動を生成します。結果をプロットします。
rng default H = 0.3; len = 1000; fBm03 = wfbm(H,len,'plot');

H = 0.7 で長さ 1000 の非整数ブラウン運動を生成します。結果をプロットします。H > 0.5 なので、非整数ブラウン運動は低周波数成分を強く示し、局所的に、不規則性の少ない振る舞いをしています。
rng default H = 0.7; fBm07 = wfbm(H,len,'plot');

前述の構文は、直交 db10 ウェーブレットと 6 ステップの再構成を使用した非整数ブラウン運動の生成と等価であることを確認します。
rng default w = 'db10'; ns = 6; fBm07x = wfbm(H,len,w,ns); max(abs(fBm07-fBm07x))
ans = 0