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Vehicle Body Total Road Load

惰走テスト係数を使用した車両運動

  • Vehicle Body Total Road Load block

ライブラリ:
Powertrain Blockset / Vehicle Dynamics
Vehicle Dynamics Blockset / Vehicle Body

説明

Vehicle Body Total Road Load ブロックは、惰走テスト係数を使用して、自由度 1 (1DOF) の剛体の車両モデルを実装します。車両モデルでこのブロックを使用して、トランスミッションまたはエンジンにかかる動力伝達装置およびシャシーの負荷を表すことができます。システムレベルのパフォーマンス、コンポーネントのサイズ設定、燃費、またはドライブ サイクル追跡の調査に適しています。このブロックは、パラメーター化または計算のコストを最小限に抑えて、パワートレインの動的負荷を計算します。

このブロックは、運動学、力、または合計動力の各入力用に構成できます。

  • 運動学 — ブロックは車両の縦方向の速度と加速度を使用して、牽引力と動力を計算します。

  • 力 — ブロックは牽引力を使用して、車両の縦方向の変位と速度を計算します。

  • パワー — ブロックはエンジンまたはトランスミッションの動力を使用して、車両の縦方向の変位と速度を計算します。

運動

車両に作用する道路負荷の合計を計算するために、このブロックでは次の式を実装します。

Froad=a+bx˙+cx˙2+mgsin(θ)

係数 a、b、および c を求めるために、Road Load Measurement and Dynamometer Simulation Using Coastdown Techniques で説明されているテスト手順と同様の手順を使用できます。また、Simulink® Design Optimization™ を使用して、係数を測定データに当てはめることができます (Estimate Vehicle Drag Coefficients by Coast-Down Testing (Simulink Design Optimization)を参照)。

車両運動を計算するために、このブロックでは剛体に対してニュートンの法則を使用します。

Ftotal=mx¨+Froad

入力の合計動力は、合計力と縦方向の速度との積です。道路からの力と重力による動力は、道路からの力と縦方向の速度との積です。

Ptotal=Ftotalx˙Proad=Froadx˙

動力の考慮

動力を考慮するために、このブロックは次の式を実装します。

バス信号 説明変数

PwrInfo

PwrTrnsfrd — ブロック間で伝達される動力

  • 正の信号はブロックに入るフローを示す

  • 負の信号はブロックから出るフローを示す

PwrFxExt

外力の動力

PFxExt

PFxExt=Ftotalx˙

PwrNotTrnsfrd — ブロックの境界を越えるが、伝達されない動力

  • 正の信号は入力を示す

  • 負の信号は損失を示す

PwrFxDrag

抗力の動力

PD

Pd=(a+bx˙+cx˙2)x˙

PwrStored — 保存エネルギーの変化率

  • 正の信号は増加を示す

  • 負の信号は減少を示す

wrStoredGrvty重力の位置エネルギーの変化率

Pg

Pg=mgZ˙

PwrStoredxdot

縦方向の運動エネルギーの変化率

Pxdot

Px˙=mx¨x˙

式では次の変数を使用します。

a

定常状態の転がり抵抗係数

b

動力伝達装置および転がりの粘性抵抗係数

c

空力抵抗係数

g

重力加速度

x

車両固定座標系における、地面を基準とした車両の縦方向の変位

x˙

車両固定座標系における、地面を基準とした車両の縦方向の速度

x¨

車両固定座標系における、地面を基準とした車両の縦方向の加速度

m

車体の質量

Θ

道路の勾配角

Ftotal

車両にかかる合計力

Froad

損失および重力負荷による道路の抵抗負荷

Ptotal

入力の合計牽引動力

Proad

損失および重力負荷による合計動力

Z˙

車両固定の z 軸に沿った垂直方向の車両速度

端子

入力

すべて展開する

車両の縦方向の速度の合計、x˙ (m/s 単位)。

依存関係

この端子を有効にするには、[入力モード] パラメーターに [運動学] を選択します。

車両の縦方向の加速度の合計、x¨ (m/s^2 単位)。

依存関係

この端子を有効にするには、[入力モード] パラメーターに [運動学] を選択します。

入力の牽引動力、Ptotal (W 単位)。

依存関係

この端子を有効にするには、[入力モード] パラメーターに [パワー] を選択します。

入力の牽引力、Ftotal (N 単位)。

依存関係

この端子を有効にするには、[入力モード] パラメーターに [力] を選択します。

道路の勾配角、Θ (度単位)。

出力

すべて展開する

次のブロック計算が含まれるバス信号。

信号説明単位
InertFrmCgDispX地球固定の X 軸に沿った車両 CG の変位

計算

m
Y地球固定の Y 軸に沿った車両 CG の変位0

m

Z地球固定の Z 軸に沿った車両 CG の変位

計算

m
VelXdot地球固定の X 軸に沿った車両 CG の速度

計算

m/s

Ydot地球固定の Y 軸に沿った車両 CG の速度0m/s
Zdot地球固定の Z 軸に沿った車両 CG の速度

計算

m/s
Angphi地球固定の X 軸を中心とする車両固定座標系の回転 (ロール)0rad
theta地球固定の Y 軸を中心とする車両固定座標系の回転 (ピッチ)

計算

rad
psi地球固定の Z 軸を中心とする車両固定座標系の回転 (ヨー)0rad
BdyFrmCgDispx車両固定の x 軸に沿った車両 CG の変位

計算

m
y車両固定の y 軸に沿った車両 CG の変位0m
z車両固定の z 軸に沿った車両 CG の変位0m
Velxdot車両固定の x 軸に沿った車両 CG の速度

計算

m/s
ydot車両固定の y 軸に沿った車両 CG の速度0m/s
zdot車両固定の z 軸に沿った車両 CG の速度0m/s
Accax車両固定の x 軸に沿った車両 CG の加速度

計算

gn
ay車両固定の y 軸に沿った車両 CG の加速度0gn
az車両固定の z 軸に沿った車両 CG の加速度0gn
ForcesBodyFx車両固定の x 軸に沿って車両 CG にかかる合力

計算

N
Fy車両固定の y 軸に沿って車両 CG にかかる合力0N
Fz車両固定の z 軸に沿って車両 CG にかかる合力0N
ExtFx車両固定の x 軸に沿って車両 CG にかかる外力

計算

N
Fy車両固定の y 軸に沿って車両 CG にかかる外力0N
Fz車両固定の z 軸に沿って車両 CG にかかる外力0N
DragFx車両固定の x 軸に沿って車両 CG にかかる抗力

計算

N
Fy車両固定の y 軸に沿って車両 CG にかかる抗力0N
Fz車両固定の z 軸に沿って車両 CG にかかる抗力0N
GrvtyFx車両固定の x 軸に沿って車両 CG にかかる重力

計算

N
Fy車両固定の y 軸に沿って車両 CG にかかる重力0N
Fz車両固定の z 軸に沿って車両 CG にかかる重力

計算

N
PwrPwrExt加えられる外部動力

計算

W
Drag抗力による動力損失

計算

W
PwrInfoPwrTrnsfrd

PwrFxExt

外力の動力

PFxExt

W
PwrNotTrnsfrdPwrFxDrag

抗力の動力

PD

W
PwrStoredwrStoredGrvty重力の位置エネルギーの変化率

Pg

W
PwrStoredxdot

縦方向の運動エネルギーの変化率

Pxdot

W

車両の縦方向の速度の合計、x˙ (m/s 単位)。

依存関係

この端子を有効にするには、[入力モード] パラメーターに [パワー] または [力] を選択します。

入力の牽引力、Ftotal (N 単位)。

依存関係

この端子を有効にするには、[入力モード] パラメーターに [運動学] を選択します。

パラメーター

すべて展開する

入力タイプを指定します。

  • 運動学 — ブロックは車両の縦方向の速度と加速度を使用して、牽引力と動力を計算します。この構成は、パワートレイン、動力伝達装置、およびブレーキ システムの設計、またはコンポーネントのサイズ設定に使用します。

  • — ブロックは牽引力を使用して、車両の縦方向の変位と速度を計算します。この構成は、システムレベルのパフォーマンス、燃費、またはドライブ サイクル追跡の調査に使用します。

  • パワー — ブロックはエンジンまたはトランスミッションの動力を使用して、車両の縦方向の変位と速度を計算します。この構成は、システムレベルのパフォーマンス、燃費、またはドライブ サイクル追跡の調査に使用します。

依存関係

次の表は、端子と入力モードの構成をまとめています。

入力モード作成される端子
運動学

xdot

xddot

Force

パワー

Power

車体の質量、m (kg 単位)。

定常状態の転がり抵抗係数、a (N 単位)。

動力伝達装置および転がりの粘性抵抗係数、b (N*s/m 単位)。

空力抵抗係数、c (N·s^2/m 単位)。

重力加速度、g (m/s^2 単位)。

車両の縦方向の初期位置 (m 単位)。

地面を基準とした車両の縦方向の初期速度 (m/s 単位)。

参照

[1] Gillespie, Thomas. Fundamentals of Vehicle Dynamics. Warrendale, PA: Society of Automotive Engineers (SAE), 1992.

[2] Light Duty Vehicle Performance And Economy Measure Committee. Road Load Measurement and Dynamometer Simulation Using Coastdown Techniques. Standard J1263_201003. SAE International, March 2010.

拡張機能

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2017a で導入