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signIm

複素数の虚数部の符号

構文

説明

signIm(z) は、複素数 z の虚数部の符号を返します。非ゼロの虚数部をもつ複素数の場合はすべて、signIm(z) = sign(imag(z)) となります。実数の場合、signIm(z) = -sign(z) です。

signIm(z)={101if Im(z)>0 or Im(z)=0 and Re(z)<0if z=0otherwise

signIm を含むシンボリックな結果

シンボリック計算 (特にシンボリック積分) の結果には関数 signIm が含まれることがあります。

次の式を積分します。複素数値 a および x に対して、この積分は signIm を含みます。

syms a x
f = 1/(a^2 + x^2);
F = int(f, x, -Inf, Inf)
F =
(pi*signIm(1i/a))/a

数値の虚数部の符号

非ゼロの虚数部をもつ複素数の虚数部、および実数の符号を求めます。

signIm を使用してこれらの数値の虚数部の符号を求めます。非ゼロの虚数部をもつ複素数の場合、signIm は数値の虚数部の符号を返します。

[signIm(-18 + 3*i), signIm(-18 - 3*i),...
signIm(10 + 3*i), signIm(10 - 3*i),...
signIm(Inf*i), signIm(-Inf*i)]
ans =
      1    -1     1    -1     1    -1

正の実数の場合、signIm-1 を返します。

[signIm(2/3), signIm(1), signIm(100), signIm(Inf)]
ans =
    -1    -1    -1    -1

負の実数の場合、signIm1 を返します。

[signIm(-2/3), signIm(-1), signIm(-100), signIm(-Inf)]
ans =
     1     1     1     1

signIm(0) は、0 となります。

[signIm(0), signIm(0 + 0*i), signIm(0 - 0*i)]
ans =
     0     0     0

シンボリック式の虚数部の符号

複素数を表すシンボリック式の虚数部の符号を求めます。

シンボリック式に対して、他に仮定を加えることなく signIm を呼び出します。signIm はシンボリック式の虚数部が正、負またはゼロのいずれであるかを判断できないので、未解決のシンボリック呼び出しを返します。

syms x y z
[signIm(z), signIm(x + y*i), signIm(x - 3*i)]
ans =
[ signIm(z), signIm(x + y*1i), signIm(x - 3i)]

xy および z が正の値であると仮定します。同じシンボリック式の虚数部の符号を求めます。

syms x y z positive
[signIm(z), signIm(x + y*i), signIm(x - 3*i)]
ans =
[ -1, 1, -1]

計算を続けるため、仮定を syms を使用して変数を再作成することで消去します。

syms x y z

関数 signIm の 1 次導関数を求めます。signIm は、実数軸上のジャンプの不連続点以外において定数関数です。関数 diff はこれらの不連続点を無視します。

syms z
diff(signIm(z), z)
ans =
0

行列要素の虚数部の符号

singIm は入力引数としてベクトルおよび行列を受け入れます。これにより、1 つの関数呼び出しで複数の数値の虚数部の符号を求めることができます。

行列 A の実数要素と複素数要素の虚数部の符号を求めます。

A = sym([(1/2 + i), -25; i*(i + 1), pi/6 - i*pi/2]);
signIm(A)
ans =
[ 1,  1]
[ 1, -1]

入力引数

すべて折りたたむ

複素数を表す入力。数値、シンボリック数、シンボリック変数、式、ベクトルまたは行列として指定します。

ヒント

  • signIm(NaN)NaN を返します。

バージョン履歴

R2014b で導入

参考

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