シミュレーション データ インスペクターのデータとビューの保存および共有
シミュレーション データ インスペクターでデータの検証、解析、または比較を行った後、結果を他者と共有することができます。シミュレーション データ インスペクターには、必要に応じて、データと結果を共有および保存するためのオプションがいくつか用意されています。シミュレーション データ インスペクターを使用すると、以下を実行できます。
シミュレーション データ インスペクター セッションにデータとレイアウトの変更を保存する。
シミュレーション データ インスペクター ビューでのレイアウトの変更を共有する。
シミュレーション データ インスペクターで作成したプロットのイメージと Figure を共有する。
シミュレーション データ インスペクター レポートを作成する。
データをワークスペースにエクスポートする。
データをファイルにエクスポートする。
シミュレーション データ インスペクター セッションの保存と読み込み
シミュレーション データ インスペクターでデータと構成済みのビューを保存または共有するには、シミュレーション データ インスペクター セッションにデータと設定を保存します。セッションは MLDATX ファイルとして保存されます。シミュレーション データ インスペクター セッションを保存すると、セッション ファイルには以下が格納されます。
どの実行が現在の実行でどの実行がアーカイブにあるかを含めた、[検査] ペインのすべての実行、データ、およびプロパティ
[検査] ペイン内のサブプロット レイアウト、可視化の選択、およびプロットされた信号
[比較] ペインでの現在の信号または実行の比較
軸の範囲、グリッド ライン、凡例の位置などのサブプロットのカスタマイズ
ラインのスタイルや色の選択などのプロットされた信号のカスタマイズ
シミュレーション データ インスペクター セッションを保存するには、以下を行います。
左側のサイド バーの [保存] アイコン
をクリックして [セッションの保存] ダイアログ ボックスを開きます。
[セッションの保存] ダイアログ ボックスで、セッション ファイルに名前を付けて MLDATX ファイルのバージョンを指定し、[圧縮] を次のオプションのいずれかに設定できます。
[サイズと速度を平衡化]では、速度[最速]とファイル サイズ[コンパクト]の間でバランスが取れたファイルが作成される。[最速](既定) では、圧縮されていないファイルよりもファイル サイズが小さくなり、同程度の速度で保存される。[コンパクト]では、最小サイズのファイルが作成される。[なし]では、ファイルが圧縮されない。このオプションでは、最大サイズのファイルが作成されるが、最短時間で保存される。
[保存] をクリックするか、Ctrl+S を押してセッション ファイルを保存します。大規模なデータ セットの場合、グラフィカルな表示領域の右下にあるステータス オーバーレイには保存処理の進捗状況に関する情報が表示され、保存処理をキャンセルできます。
以前に保存したセッションを新しいファイル名で保存するか、バージョンまたは圧縮オプションを変更するには、左側のサイド バーの [保存] アイコン
にカーソルを合わせます。次に、[名前を付けて保存] をクリックします。

メモ
最初にセッションを保存した後、[保存] ボタンをクリックするか Ctrl+S を押すと、セッションは既定の圧縮 [Fastest] を使用して MLDATX version 2.0 ファイルとして保存されます。既定値以外の圧縮とバージョンのオプションを維持するには、[名前を付けて保存] ボタンをクリックします。
シミュレーション データ インスペクター セッションを読み込むには、以下を行います。
左側のサイド バーの [開く] アイコン
をクリックします。開く対象の MLDATX ファイルを参照して選択します。
[開く] をクリックします。
あるいは、MLDATX ファイルをダブルクリックすることもできます。MATLAB® とシミュレーション データ インスペクターが開きます (まだ開いていない場合)。
R2024b より前: シミュレーション データ インスペクターのセッション ファイルを読み込むには、ファイルを MLDATX 1.0 ファイル形式で保存します。
シミュレーション データ インスペクターに既に実行が含まれている場合、セッション ファイルを読み込むと [セッションを開く] ダイアログ ボックスが開きます。[セッションを開く] ダイアログ ボックスを使用して、次を選択できます。
シミュレーション データ インスペクターから既存の実行を削除し、セッション ファイルのデータをワークスペースに追加する。
既存のデータをシミュレーション データ インスペクターに保持し、セッション ファイルのデータをアーカイブに追加する。
いずれの場合でも、ビューが更新され、セッション ファイルからプロットされた信号が表示されます。必要に応じて作業領域とアーカイブの間で実行をドラッグできます。
シミュレーション データ インスペクターに実行が含まれていない場合、セッションを開くと、シミュレーション データ インスペクターによって、ファイルでの指定どおりに実行が作業領域とアーカイブに配置されます。
シミュレーション データ インスペクターのビューの共有
同じ方法で可視化するデータのセットが複数ある場合は、ビューを保存することができます。ビューには、データを保存せずに、シミュレーション データ インスペクターのレイアウトと外観の特性が保存されます。具体的には、ビューには以下が保存されます。
プロットの可視化タイプ、レイアウト、軸の範囲、リンクの特性、および正規化された座標軸
プロット内の信号の場所
[検査] ペインでの表示における信号のグループと列
信号の色とライン スタイル
ビューを保存するには、以下を行います。
[可視化とレイアウト]
をクリックします。[保存したビュー] で、[現在のビューを保存] をクリックします。
ダイアログ ボックスでビューの名前を指定し、MLDATX ファイルを保存する場所を参照します。
[保存] をクリックします。
ビューを読み込むには、以下を行います。
[可視化とレイアウト]
をクリックします。[保存したビュー] で、[保存したビューを開く] をクリックします。
読み込むビューを参照し、[開く] をクリックします。
シミュレーション データ インスペクター プロットの共有
スナップショット機能を使用すると、シミュレーション データ インスペクターで生成したプロットを共有できます。プロットをクリップボードにエクスポートし、ドキュメントにイメージ ファイルとして貼り付けるか、または MATLAB Figure に貼り付けることができます。プロット領域内のすべてのサブプロットを含むプロット領域全体をキャプチャするか、選択したサブプロットのみをキャプチャするか、選択することができます。
[スナップショット] メニューにアクセスするには、ツール バーのカメラ アイコン
をクリックします。ラジオ ボタンを使用して、共有する領域と、プロットの共有方法を選択します。選択した後に、[スナップショット] をクリックしてプロットをエクスポートします。

イメージを作成する場合は、ファイル ブラウザーでイメージを保存する場所を選択します。
また、Simulink.sdi.snapshot (Simulink) を使用して、シミュレーション データ インスペクター内のプロットのスナップショットをプログラムで作成することもできます。
シミュレーション データ インスペクター レポートの作成
結果のドキュメンテーションを手早く生成するには、シミュレーション データ インスペクター レポートを作成します。データのレポートは [検査] ペインまたは [比較] ペインのいずれかで作成できます。このレポートは、アクティブなペイン内のすべての信号とプロットに関する情報が記載された HTML ファイルです。レポートには、ナビゲーション ペインの信号テーブルに表示されるすべての信号情報が含まれます。テーブルの構成の詳細については、メタデータの検証 (Simulink)を参照してください。
シミュレーション データ インスペクター レポートを生成するには、以下を行います。
左側のバーで、[レポートの作成] アイコン
をクリックします。 [検査] ペインを表示しながらレポートを作成すると、レポートには [検査] ペインからのプロットと信号が含まれます。

[比較] ペインを表示しながらレポートを作成すると、レポートには [比較] ペインからのデータとプロットが含まれます。比較レポートを生成する場合は、[一致しない信号のみについてレポートする] または [すべての信号についてレポートする] を選択できます。[一致しない信号のみについてレポートする] を選択すると、レポートには指定した許容誤差内に収まっていない信号比較のみが表示されます。

[ファイル] テキスト ボックスで、ファイル名と、ファイルの保存先の場所を指定します。
[オプション] で、ファイルの上書きを防ぐかどうか、レポート内で短縮されたブロック パスを使用するかどうかを選択します。
[作成] をクリックします。
生成されたレポートが自動的に既定のブラウザーで開きます。
ワークスペースまたはファイルへのデータのエクスポート
シミュレーション データ インスペクターを使用して、ベース ワークスペース、MAT ファイル、または Microsoft® Excel® ファイルにデータをエクスポートすることができます。選択した実行や信号、作業領域内の実行、または [アーカイブ] を含む [検査] ペイン内のすべての実行をエクスポートできます。
選択した実行と信号をエクスポートする場合は、[エクスポート] ボタン
をクリックする前にエクスポートするデータを選択します。
選択した実行と信号のみがエクスポートされます。この例では、Run 1 と Run 2 の x1 信号のみがエクスポートされます。データのプロットに関するチェック ボックスのオン/オフは、信号がエクスポートされるかどうかに影響しません。

単一の信号をワークスペースまたは MAT ファイルにエクスポートする場合、その信号は timeseries オブジェクトにエクスポートされます。実行用、または複数の信号用としてワークスペースまたは MAT ファイルにエクスポートされたデータは Simulink.SimulationData.Dataset オブジェクトとして保存されます。
データをファイルにエクスポートするには、[エクスポート] ダイアログ ボックスの [ファイル] を選択します。ファイル名を指定して、エクスポートしたファイルを保存する場所を参照できます。データを MAT ファイルにエクスポートすると、エクスポートされた単一の信号は timeseries オブジェクトとして保存され、実行または複数の信号は Simulink.SimulationData.Dataset オブジェクトとして保存されます。データを Microsoft Excel ファイルにエクスポートすると、そのデータはMicrosoft Excel のインポート、エクスポート、ログ形式 (Simulink)で説明されている形式を使用して保存されます。
Microsoft Excel ファイルにエクスポートするには、[ファイル] で XLSX 拡張子を選択します。データを Microsoft Excel ファイルにエクスポートする場合、エクスポート ファイルでのデータの形式について追加のオプションを指定することができます。指定したファイル名が既に存在する場合、ファイル全体を上書きするか、あるいはエクスポートされるデータに対応するデータを含むシートのみを上書きするかを選択できます。また、含めるメタデータを選択したり、同一の時間データをもつ信号がエクスポート ファイルで時間列を共有するかどうかを選択することもできます。
MP4 ファイルへのビデオ信号のエクスポート
シミュレーション データ インスペクターを使用すると、RGB またはモノクロのビデオ データを含む 2 次元信号または 3 次元信号を MP4 ファイルにエクスポートできます。たとえば、シミュレーションでビデオ信号をログに記録した場合、そのデータを MP4 ファイルにエクスポートしてから、ビデオ プレーヤーを使用して確認できます。ビデオ信号を MP4 ファイルにエクスポートするには、次を行います。
エクスポートする信号を選択します。
左側にあるツール バーの [エクスポート]
をクリックするか、信号を右クリックして [エクスポート] を選択します。[エクスポート] ダイアログ ボックスの [エクスポート] で [選択した実行と信号] を選択します。[出力先] では [ファイル] を選択します。
ファイル名と、ファイルの保存先の場所へのパスを指定します。
リストから
[MP4 video file]を選択してから、[エクスポート] をクリックします。
MP4 ファイルにエクスポートするオプションを使用するには、次の制限があります。
信号を 1 つずつエクスポートする必要があります。
選択する信号は 2 次元 または 3 次元 であり、かつ RGB またはモノクロのビデオ データを含む必要があります。
選択する信号は、シミュレーション データ インスペクターに多次元のサンプル値をもつ単一信号として表示される必要があります。
信号データをエクスポートする前に、信号表現の変換が必要な場合があります。詳細については、Analyze Multidimensional Signal Data (Simulink)を参照してください。
信号値のデータ型は、
double、singleまたはuint8である必要があります。
MP4 ファイルへのビデオ信号のエクスポートは、Linux® オペレーティング システムでサポートされていません。
参考
関数
Simulink.sdi.saveView(Simulink)
トピック
- シミュレーション データ インスペクターでのシミュレーション データの表示 (Simulink)
- シミュレーション データの検証 (Simulink)
- シミュレーション データの比較 (Simulink)