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初期条件の指定
はじめに
この節では、以下を説明します。
Simscape™ Electrical™ Specialized Power Systems のブロックを含む Simulink® ブロック線図の状態変数についての詳細
電気状態変数の初期条件の指定
状態変数
Simscape Electrical Specialized Power Systems のブロックを含む Simulink ブロック線図の状態変数は、以下で構成されます。
RLC 分岐タイプ Simscape Electrical Specialized Power Systems のブロックに関連している電気的状態。これらは、モデルの状態空間表現で定義されます。電気的な状態の詳細は、電気状態変数を参照してください。
Synchronous Machine ブロック、 Saturable Transformer ブロック、Three-Phase Dynamic Load ブロックなど、Simscape Electrical Specialized Power Systems 電気モデルの Simulink の状態。
作成したモデルにあるその他の Simulink ブロックの Simulink の状態 (コントロール、ユーザー定義ブロック、他のブロックセット)
以下の図は、3 種類の状態変数を含む例を示します。
初期状態
シミュレーションの開始時にシステム全体に適用される初期条件は、一般にブロックに設定されます。大部分の Simulink ブロックにより、初期条件を指定できます。電気的状態の場合は、Simscape Electrical Specialized Power Systems ソフトウェアが電気的状態の初期値を自動的に設定し、定常状態でシミュレーションを開始します。
ただし、以下のブロックのマスク設定において、コンデンサの電圧とインダクターの電流の初期条件を指定できます。
Series ブロックと Parallel RLC Branch ブロック
Series ブロックと Parallel RLC Load ブロック
これらのブロックのマスク設定に入力される初期値は、Simscape Electrical Specialized Power Systems ソフトウェアで計算される既定の定常状態パラメーターを上書きします。同じ意味で、モデル コンフィギュレーション パラメーターでそれらを指定することによって、ブロック全体の初期条件を上書きできます。
Simscape Electrical Specialized Power Systems のブロックを含む Simulink ブロック線図の初期状態を指定する方法の詳細については、関数
のリファレンス ページを参照してください。power_init
Powergui で電気的な初期状態を指定する
コマンド ラインで
power_transient
と入力することによって、Transient Analysis of a Linear Circuit の例を開きます。次の図に示すように、RLC Branch ブロックの名前を変更します。powergui ブロックをダブルクリックし、[ツール] タブを開いて、[初期状態] をクリックします。5 つの電気状態変数 (インダクターの電流 3 つとコンデンサの電圧 2 つ) の初期値が表示されます。これらの初期値は、定常状態でシミュレーションを開始するためにソフトウェアが自動的に設定する値に対応します。
Scope ブロックを開き、シミュレーションを開始します。電気状態変数は自動的に初期化されるので、システムは定常状態で始まり正弦波形が観測されます。
STATE_D
の状態の初期値を 1.589e5V に設定します。これはSTATE_D
ブロックのコンデンサ電圧の初期値になります。このブロックを開き、[Set the initial capacitor voltage] パラメーターを選択します。次に、コンデンサの初期電圧を -2e5V に指定します。[OK] ボタンをクリックします。Powergui Initial States Tool の [From diagram] ボタンをクリックして、初期状態の表示を更新します。すると、
STATE_D
ブロックの初期状態が -2e5V に設定されます。シミュレーションを開始します。Scope ブロックの 2 つ目の表示において、シミュレーション開始時の過渡期を拡大表示します。予想したとおり、モデルは定常状態では始まりませんが、Voltage Measurement ブロックで測定されたコンデンサ電圧の初期値は -2e5 V です。
Initial States Tool のリストから
STATE_A
状態変数を選択します。[Set selected electrical state] フィールドで、インダクターの初期電流を 50A に設定し、[Apply] をクリックします。STATE_A
ブロックのマスク設定を開くと、[Set the initial inductor current] パラメーターが選択され、インダクターの初期電流が 50A に設定されていることがわかります。
シミュレーションを実行し、この新しい設定の場合に生じる新たな過渡状態を観測します。
初期状態を 0 にする
以前のステップで行った設定を失わずに電気的な初期状態をすべて 0 にリセットするものとします。
Initial State Tool のウィンドウで、[Force initial electrical states] の [To zero] チェック ボックスをオンにしてから、[Apply] をクリックします。シミュレーションを再開し、すべての初期条件が 0 から始まる場合の過渡状態を観測します。
STATE_C
ブロックとSTATE_A
ブロックのマスクを開きます。初期条件がこれらのブロックで指定されていても、初期状態の設定は Powergui ブロックにより強制的に 0 になることに注意してください。
シミュレーションを開始するたびに、モデルの電気的な初期状態が Powergui ブロックにより強制的に 0 に設定され、モデルのブロック設定が上書きされることを示すコマンド ラインにメッセージが表示されます。
初期状態を定常状態にする
同様に、以前のステップでユーザーが行った設定を失うことなくすべての初期状態を定常状態に設定できます。
Initial State Tool のウィンドウで、[Force initial electrical states] の [To steady state] チェック ボックスをオンにして、[Apply] をクリックします。
シミュレーションを再開し、定常状態で始まっていることを観測してください。
シミュレーションを開始するたびに、ユーザー モデルの電気的な初期状態が Powergui ブロックにより定常状態に設定されることを示すコマンド ラインにメッセージが表示されます。
ブロックの設定に戻る
ブロックの設定に戻るには、[Force initial electrical states] の両方のチェック ボックスをオフにしてから、[Apply] をクリックします。