プロジェクトのアップグレードを使用した互換性の問題のチェックおよび Simulink モデルのアップグレード
この例では、プロジェクトのアップグレード ツールを使用してすべてのモデルをアップグレードし、プロジェクト内の互換性の問題をチェックする方法を示します。
例を開いてサンプル プロジェクトをダウンロードします。
プロジェクトのアップグレード ツールを開く
[プロジェクト] タブの [ツール] ギャラリーで [プロジェクトのアップグレード] をクリックします。このツールは、インターフェイスを開く前にプロジェクトの依存関係の分析を実行し、プロジェクト内に不足しているファイルがある場合はそのことを通知します。
アップグレード チェックの実行
プロジェクト内のすべての Simulink® モデルとライブラリ、および MATLAB® コードに対してすべてのアップグレード チェックを実行するには、[アップグレード] をクリックします。
Simulink モデルおよびライブラリの場合、ツールは修正を適用し、モデル ファイルを現在の MATLAB リリースに自動的にアップグレードします。
MATLAB ファイルの場合、ツールは現在の MATLAB リリースとの互換性の問題のみをチェックします。
修正を自動的に適用せずにアップグレード チェックを実行する場合は、代わりに [アップグレード]、[解析] を選択します。ツールでチェックが実行され、修正が推奨されます。
既定では、プロジェクトのアップグレード ツールはプロジェクト内のすべてのファイルに対してすべてのアップグレード チェックを実行します。アップグレードするファイルおよび実行するチェックを指定する場合は、[ファイル] タブと [チェック] タブで選択を調整します。必要なすべての依存関係がファイルの選択に含まれていない場合、ツールからそのことが通知されます。
アップグレード結果の理解
チェックの実行後、プロジェクトのアップグレード ツールはアップグレード解析結果をレポートで返します。レポートには、ステータスが [パス]、[パス (修正あり)]、または [注意点] のチェックの数の要約が示されます。既定では、[ファイル] ペインには、ステータスが [注意点] または [パス (修正あり)] のすべてのファイルが表示されます。すべてのファイルのアップグレード結果を表示するには、代わりに [すべてのファイル] と [すべての結果] を選択します。
ステータスが [注意点] のチェックがある場合に修正して再実行するには、次の手順に従います。
1. [詳細] ペインで、推奨されている修正を調べます。
2. 修正を適用した後、チェックを選択して [チェックの再実行] をクリックしてチェックを再実行します。
アップグレードの結果と適用された修正を理解するには、次の手順に従います。
1. 特定のファイルに対して実行された特定のチェックの詳細を検査します。[ファイル] ペインでファイルを選択し、[チェック名] 列でチェックを選択します。次に、[詳細] ペインで詳細を検証します。
このレポート例では、プロジェクトのアップグレード ツールは、ファイル圧縮をオフにして AnalogControl.slx
ファイルに修正を適用しました。ツールは [SLX ファイル圧縮をオフにする] チェックを再度実行して、修正後にそのファイルがパスしたことを確認しました。
2. プロジェクトがソース管理下にある場合は、プロジェクトのアップグレード ツールで適用された修正を調べることができます。アップグレード前後の相違を確認するには、ファイルを選択し、[変更を表示] をクリックします。比較レポートが開きます。
ライブラリのアップグレード
プロジェクトでは、複数のライブラリに対してすべてのアップグレード チェックが自動的に実行されます。それにはブロック線図の更新操作を必要とするチェックも含まれます。
ライブラリ自体に対してブロック線図の更新操作を必要とするチェックを実行することはできません。代わりに、プロジェクトのアップグレード ツールは、ライブラリ ブロックを使用するモデルに対してブロック線図の更新チェックを実行します。使用されているライブラリ ブロックについては、プロジェクトのアップグレード ツールは、ブロック線図の更新チェックを含むすべてのチェックを自動的に実行し、ライブラリ内のブロックをアップグレードします。
プロジェクト モデルでライブラリ ブロックが使用されていない場合は、チェック [ライブラリ ブロックでブロック線図の更新が必要となるチェックの実行] が要注意としてマークされます。チェックを選択します。[詳細] ペインに Unable to upgrade blocks unused by a model
というメッセージが表示されます。
使用されていないライブラリ ブロックをアップグレードするには、モデル内のブロックを一時的に使用してからアップグレードします。
転送テーブルを使用するライブラリ ブロックをアップグレードする場合は、アップグレード前にライブラリ リンクを無効にしてモデルを保存します。その後、保存したモデルをアップグレードし、リンクを復元します。
同じライブラリ ブロックが複数のモデルで使用されていることがあります。リンク付きライブラリ ブロックは、周囲のモデルからデータ型やサンプル レートなどの属性を継承します。ブロックの動作は、ブロックが使用されるコンテキストによって異なる可能性があります。これにより、ブロック線図の更新チェックでアップグレードの競合が生じることがあります。
異なるモデルで同じライブラリ ブロックに対して異なるアップグレードが必要な場合は、選択したチェックの [詳細] ペインを調べます。保存するアップグレードを確認して選択するには、[3-way マージを開く] をクリックします。
アップグレード レポートの保存
アップグレード結果を HTML レポートに保存するには、[プロジェクトのアップグレード] ツールストリップで [レポートの保存] をクリックします。