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ACIM Mechanical Parameter Estimator

交流誘導モーター (ACIM) の回転子の慣性と粘性減衰の推定

R2023a 以降

ライブラリ:
Motor Control Blockset / Parameter Estimation / ACIM Parameter Estimation

説明

ACIM Mechanical Parameter Estimator ブロックは、相電流と相電圧、モーターにかかる DC 電圧、モーターの速度、磁化電流、回転子とモーター全体の抵抗、磁化インダクタンスと固定子の漏れインダクタンス、およびその他のテスト構成要素を使用して、誘導モーターの以下の機械的パラメーターを計算します。

  • 回転子の慣性 (J)

  • 粘性減衰 (B)

このブロックは、速度が制限された閉ループ ベクトル制御 (FOC) を使用してモーターを駆動します。モーターを駆動している間に、ブロックは粘性減衰 (B) を推定するためのテストも実行します。事前に構成された時間が経過すると、ブロックはそれらのテストを終了して B を計算し、6 つすべてのインバーター スイッチをシャットダウンしてコーストダウンをトリガーします。コーストダウンによってモーターの速度が徐々に下がり、最終的にゼロに達します。ブロックはモーターの角速度がゼロに達するまでの時間を測定し、それを使用して回転子の慣性 (J) を計算します。

端子

入力

すべて展開する

電流センサーで測定したモーターの三相電流応答。

メモ

c 相電流の入力を提供するかどうかはオプションです。c 相電流の入力を提供しなくても、ブロックの機能に影響はありません。

データ型: single

インバーターに供給する DC 母線電圧。

データ型: single

電流モーターの速度。

データ型: single

誘導モーターの推定される磁化電流。この入力端子を Id0 Estimator ブロックの Id0 出力に接続できるほか、磁化電流の値を Constant ブロックを使用して手動で提供することもできます。

データ型: single

推定される固定子の抵抗 Rs とインバーター ボードの抵抗の合計。この入力を ACIM Rs Estimator ブロックの Rs 出力を利用して提供できるほか、この値を Constant ブロックを使用して手動で提供することもできます。

データ型: single

誘導モーターの推定される回転子の抵抗。この入力端子を RrL Estimator ブロックの Rr 出力に接続できるほか、回転子の抵抗の値を Constant ブロックを使用して手動で提供することもできます。

データ型: single

誘導モーターの推定される磁化インダクタンス。この入力端子を RrL Estimator ブロックの Lm 出力に接続できるほか、磁化インダクタンスの値を Constant ブロックを使用して手動で提供することもできます。

データ型: single

誘導モーターの推定される固定子の漏れインダクタンス。この入力端子を RrL Estimator ブロックの Lls 出力に接続できるほか、固定子の漏れインダクタンスの値を Constant ブロックを使用して手動で提供することもできます。

データ型: single

ブロックの実行を開始または停止する信号:

  • 1 (パルスの立ち上がりエッジ) — この信号により、ブロックの実行が開始されます。

  • 0 (パルスの立ち下がりエッジ) — この信号により、ブロックの実行とブロックで実行しているすべてのテストが直ちに停止されます。推定プロセスを完了前に突然中断すると、機械的パラメーターの値がブロックで計算されず、出力されません。

データ型: Boolean

次の表は、バス信号入力の想定される構成要素をまとめたものです。

カテゴリ構成要素単位

モーターとインバーターのハードウェアの要素

極対数

-

定格周波数

Hz

ノミナル モーター電流

A

ノミナル電圧

V

最大測定可能インバーター電流

A

ボードの抵抗

オーム

電流検出ゲイン

A/ADC カウント

電圧検出ゲイン

V/ADC カウント

磁化電流 Id0 を推定するための要素

測定時間

開ループのランプ時間

モーターの抵抗 (Rs) を推定するための要素

推定時間

Vd 基準電圧 1

PU 電圧

Vd 基準電圧 2

PU 電圧

回転子の抵抗 (Rr)、磁化インダクタンス (Lm)、固定子の漏れインダクタンス (Lls)、回転子の漏れインダクタンス (Llr) を推定するための要素

定格周波数の比率としての周波数 1

PU 周波数

定格周波数の比率としての周波数 2

PU 周波数

Lm の高周波数

Hz

電圧スイープの開始電圧

PU 電圧

電圧スイープの電圧ステップ

PU 電圧

高周波注入電圧

PU 電圧

モーターの慣性 (J) と摩擦定数 (B) を推定するための要素

閉ループ速度持続時間

閉ループ速度

RPM

FOC の Iq 指令電流

PU 電流

比例ゲイン

-

積分ゲイン

-

慣性の推定の下限速度

RPM

-

パラメーター推定のサンプル時間

この入力端子を ACIM Parameter Estimation Configurator ブロックの Config 出力端子に接続できます。

データ型: single

出力

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固定子の基準電圧の abc 基準座標系における a 軸、b 軸、および c 軸方向の成分。

データ型: single

誘導モーターの推定される慣性 (kg.m2)。

データ型: single

誘導モーターの推定される粘性減衰 (N.s/m)。

データ型: single

インバーターのスイッチをオンまたはオフにする信号:

  • 1 (logical High) — この信号が High である間は、インバーターの 6 つすべてのスイッチがオンになります。

  • 0 (logical Low) — この信号が Low である間は、インバーターの 6 つすべてのスイッチがオフになります。

データ型: single

調査のためにブロックが提供するデバッグ信号。バスに含まれるデバッグ信号は次のとおりです。

デバッグ信号説明単位

status

0

機械的パラメーターの推定が未完了

-

1

機械的パラメーターの推定が正常に完了

-

CoastDownTime

測定されたコーストダウン時間

Vdq

d 軸と q 軸の電圧

ボルト

Idq

d 軸と q 軸の電流

アンペア

VIAlphaBeta

α 軸と β 軸の電圧と電流

ボルト、アンペア

SlipPU

モーターの閉ループ動作における速度の滑り (pu)

-

データ型: single

拡張機能

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C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2023a で導入