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Xilinx KC705 評価ボード定義ファイルの作成

概要

FPGA インザループに対して、MathWorks® が提供する事前登録済み FPGA ボードのリストにない独自の FPGA ボードを使用することができます。New FPGA Board Wizard を使用すると、カスタム FPGA ボードを記述するボード定義ファイルを作成できます。

次の例は、FIL シミュレーションで使用する Xilinx® KC705 評価ボードのボード定義ファイルを作成するワークフローです。

はじめる前に

  • ボード仕様を確認して、次の情報をすぐに用意できるようにします。

    • イーサネット PHY チップへの FPGA インターフェイス

    • クロック ピンの名前と番号

    • リセット ピンの名前と番号

    この例では、必要な情報は既に提供されています。一般的には、これらの情報はボード仕様ファイルで確認することができます。この例では、KC705 Evaluation Board for the Kintex-7 FPGA User Guide (Xilinx 発行) を使用しています。

  • 検証を実行するには、Xilinx または Altera® がパスになければなりません。関数 hdlsetuptoolpath を使用して、このツールを MATLAB® で使用できるように設定します。

  • 定義ファイルを追加した後に FPGA ボードのプログラミングを検証するには、カスタム ボードをコンピューターに接続します。ただし、ボード定義ファイルを作成する時点では、ボードを接続する必要はありません。

New FPGA Board Wizard の起動

  1. MATLAB プロンプトで以下のコマンドを入力し、FPGA Board Manager を起動します。

    >>fpgaBoardManager
  2. [カスタム ボードの作成] をクリックして New FPGA Board Wizard を開きます。

ボードの基本情報の入力

  1. [Basic Information] ペインで、以下の情報を入力します。

    • Board Name: 「My Xilinx KC705 Board」と入力します。

    • Vendor: [Xilinx] を選択します。

    • Family: [Kintex7] を選択します。

    • Device: [xc7k325t] を選択します。

    • Package: [ffg900] を選択します。

    • Speed: [-2] を選択します。

    • JTAG Chain Position: [1] を選択します。

    ここで入力した情報は KC705 Evaluation Board for the Kintex-7 FPGA User Guide に記載されています。

  2. [Next] をクリックします。

FPGA インターフェイス情報の指定

  1. [Interfaces] ペインで、以下の操作を実行します。

    1. [FIL Interface] を選択します。このオプションは、ボードを FPGA インザループで使用する場合に必要です。

    2. [PHY Interface Type] で [GMII] を選択します。このオプションは、オンボード FPGA が GMII インターフェイス経由でイーサネット PHY チップに接続していることを表します。

    3. [FPGA Turnkey Interface] セクションの [User-defined I/O] オプションはオフのままにします。FPGA ターンキー ワークフローはこの例では重要ではありません。

    4. Clock Frequency: 「200」と入力します。この Xilinx KC705 ボードには複数のクロック ソースがあります。200 MHz クロックは、イーサネット インターフェイスで使用する場合に推奨されるクロック周波数 (50、100、125、200 MHz) のひとつです。

    5. Clock Type: [Differential] を選択します。

    6. Clock_P Pin Number:「AD12」と入力します。

    7. Clock_N Pin Number: 「AD11」と入力します。

    8. Clock IO Standard — 空白のままにします。

    9. Reset Pin Number: 「AB7」と入力します。この値により FPGA に対するグローバル リセットが設定されます。

    10. Active Level: [Active-High] を選択します。

    11. Reset IO Standard — 空白のままにします。

    必要な情報はいずれもボード設計仕様から取得できます。

  2. [Next] をクリックします。

FPGA ピン番号の入力

  1. [FIL I/O] ペインで、各 FPGA ピンの番号を入力します。この情報は必須です。

    RXD 信号と TXD 信号のピン番号は、LSD (最下位桁) から順に MSD (最上位桁) までコンマ区切りで入力されます。

    信号名入力する FPGA ピン番号
    ETH_COLW19
    ETH_CRSR30
    ETH_GTXCLKK30
    ETH_MDCR23
    ETH_MDIOJ21
    ETH_RESET_nL20
    ETH_RXCLKU27
    ETH_RXDU30,U25,T25,U28,R19,T27,T26,T28
    ETH_RXDVR28
    ETH_RXERV26
    ETH_TXDN27,N25,M29,L28,J26,K26,L30,J28
    ETH_TXENM27
    ETH_TXERN29
  2. [Advanced Options] をクリックしてセクションを展開します。

  3. [Generate MDIO module to override PHY settings] オプションをオンにします。

    このオプションを選択する理由は以下のとおりです。

    • Xilinx KC705 ボードには、イーサネット PHY デバイスを MII、GMII、RGMII または SGMII モードに設定するジャンパーがあります。この例では GMII インターフェイスを使用しているため、PHY デバイスのモードが誤って設定されていると FPGA ボードが機能しません。[Generate MDIO module to override PHY settings] オプションがオンになっている場合、FPGA は MDIO (Management Data Input/Output) バスを使用してジャンパー設定をオーバーライドし、PHY チップを正しい GMII モードに設定します。

    • 現在、このオプションは Marvell Alaska PHY デバイス 88E1111 に対してのみ適用されます。この KC705 ボードは Marvel デバイスを使用しています。

  4. PHY address (0 – 31): 「7」と入力します。

  5. [Next] をクリックします。

オプションの検証テストの実行

この手順では検証テストを実行します。ここでは、FPGA インザループ コシミュレーションを実行して、入力された情報が正しいかどうかを検証します。同じコンピューターに Xilinx ISE 13.4 以降のバージョンがインストールされている必要があります。この手順はオプションで、省略することも可能です。

メモ

検証を実行するには、Xilinx または Altera がパスになければなりません。関数 hdlsetuptoolpath を使用して、このツールを MATLAB で使用できるように設定します。

このテストを実行するには、以下の操作を実行します。

  1. [Run FPGA-in-the-Loop test] オプションをオンにします。

  2. ボードが接続されている場合は、Include FPGA board in the test オプションをオンにします。FPGA ボードの IP アドレスを入力しなければなりません。この例では、Xilinx KC705 ボードがホスト コンピューターに接続されていて、IP アドレスが 192.168.0.2 であると想定しています。

  3. [Run Selected Test(s)] をクリックします。テストが完了するまで約 10 分かかります。

ボード定義ファイルの保存

  1. [終了] をクリックして New FPGA Board Wizard を終了します。[名前を付けて保存] ダイアログ ボックスが表示され、FPGA ボード定義ファイルの保存場所を指定するよう要求されます。この例では、C:\boardfiles\KC705.xml という名前で保存します。

  2. [保存] をクリックしてファイルを保存し、終了します。

新規の FPGA ボードの使用

  1. ボード定義ファイルを保存すると、画面が FPGA Board Manager に戻ります。FPGA ボードのリストに、定義した新規のボードが表示されます。

    [OK] をクリックして FPGA Board Manager を閉じます。

  2. FIL ウィザードまたは HDL ワークフロー アドバイザーのボードのリストでこの新規のボードが表示されます。

    1. FIL ウィザードは MATLAB プロンプトから起動します。

      >>filWizard

      Xilinx KC705 ボードがボードのリストに表示され、FPGA インザループ シミュレーション用に選択できるようになります。

    2. HDL ワークフロー アドバイザーを起動します。

      手順 1.1 で [FPGA インザループ] を選択し、[ボード マネージャーの起動] をクリックします。

      Xilinx KC705 ボードがボードのリストに表示され、FPGA インザループ シミュレーション用に選択できるようになります。