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STMicroelectronics STM32 プロセッサを使用した DC-DC 降圧コンバーターおよび昇圧コンバーターの電圧モード制御

この例では、Embedded Coder® Support Package for STMicroelectronics® STM32 Processors 用の B-G474E-DPOW1 Discovery kit を使用して、DC-DC 降圧コンバーターまたは昇圧コンバーターの制御システムを実装する方法を示します。

この例では以下を行うことができます。

  • 閉ループの比例積分 (PI) 制御アルゴリズムが、B-G474E-DPOW1 Discovery kit 上で降圧コンバーターの出力電圧を最適に制御することを検証します (制御アルゴリズムは 200 KHz のサンプル レートで実行されます)。

  • オンボードの組み込み負荷を有効化および無効化して、PI コントローラーが負荷変動を補償し、降圧コンバーターの目的の出力電圧を維持できるかどうかを検証します。オンボードの組み込み負荷は 5 V 定格であるため、昇圧コンバーターには外部負荷を接続する必要があります。

  • 2 モデル アプローチを使用して、高いサンプル レートでデータのログを実行します。

はじめに

降圧コンバーター

B-G474E-DPOW1 Discovery kit には、同期整流式降圧コンバーターの電力段が含まれています。同期整流式降圧コンバーターの電力段の簡略回路図をここに示します。

スイッチング周期の開始時に、上のスイッチ (Q1) の PWM は HIGH に設定され、下のスイッチ (Q2) は LOW に設定されます。

これにより MOSFET-Q1 がオンになり、MOSFET Q2 がオフになります。Q1 スイッチが導通すると、インダクタ L1 を流れる電流は直線的に増加し始めます。ハイサイド デューティ比の終わりで、スイッチ Q1 はオフになります。

シュートスルーを防ぐために、Q1 と Q2 のスイッチにおいて、ハイサイドとローサイドの PWM 間にデッドタイムが挿入されます。シュートスルーとは、両方のスイッチが同時に部分的にオンになり、大電流が Q1 と Q2 を流れて MOSFET を損傷する可能性のある現象です。このデッド タイムが経過すると、Q2 のローサイド PWM が HIGH 設定になり、Q2 がオンになります。このとき、インダクタは電流の流れを継続するように働き、電流は Q2 を流れます。インダクタを流れる電流は直線的に減少し始めます。このスイッチング動作は、ここで降圧コンバーターの波形として説明されています。

この図は、B-G474E-DPOW1 Discovery kit 上で降圧コンバーターの電圧モード制御を実現するための周辺装置を含む全体設計を示します。

昇圧コンバーター

B-G474E-DPOW1 Discovery kit には、同期整流式昇圧コンバーターの電力段が含まれています。同期整流式昇圧コンバーターの電力段の簡略回路図を以下に示します。

スイッチング周期の開始時に、下側スイッチ (Q1) の PWM は HIGH に設定され、上側スイッチ (Q2) は LOW に設定されます。これにより MOSFET-Q1 がオンになり、MOSFET Q2 がオフになります。Q1 スイッチが導通すると、インダクタ L1 を流れる電流は直線的に増加し始めます。ローサイド デューティ比の終わりで、スイッチ Q1 はオフになります。

ADC モジュールのサンプリングは HRTIM モジュールによってトリガーされます。この場合、比較ユニット 3 によりトリガーされ、スイッチング ノイズがサンプルを破損しないように、スイッチング周期開始後の所定の HRTIM 刻み数に設定されています。サンプリングと変換が完了すると、ADC は変換完了割り込みを CPU にトリガーします。この ISR 内で、PI コントローラーは補正デューティを計算し、HRTIM 比較ユニット 1 を更新できます。新しいデューティは、PWM の次のスイッチング サイクルから適用されます。

前提条件

必要なハードウェア

この例を実行するには、次のハードウェアが必要です。

  • ST-LINK インサーキット デバッガーおよびプログラマ用の Micro-USB ケーブル

  • B-G474E-DPOW1 Discovery kit

  • USB-C ケーブル経由の 5 V 降圧コンバーター入力電源

  • 昇圧コンバーター用の外部負荷

必要な STMicroelectronics 製品

STM32CubeMX v6.4.0 と STM32Cube G4 向けファームウェア ライブラリ (v1.2.0 以降)

ハードウェアの接続

B-G474E-DPOW1 Discovery kit で次の接続を構成します。

利用可能なモデル

モデル

このモデルを使用して、オンボードの B-G474E-DPOW1 Discovery kit で利用可能な同期整流式降圧コンバーターの電力段を、電圧モード制御で制御する方法と、その実装を STMicroelectronics® ARM® Cortex®-M4 コアベースの STM32G474RET6 マイクロコントローラーを使用して行う方法を学習します。

  • Hardware Interrupt ブロックを含むターゲット モデルは、200KHz で PI コントローラーのサブシステムをトリガーします。

  • VMC_PI_Controller は現在の出力電圧を読み取り、電圧の設定値と比較します。

  • 生成された誤差は、PI コントローラーによって補正信号の計算に使用されます。

  • 新しく計算されたデューティは、HRTIM 比較レジスタに書き込まれます。

  • Vout は後でホスト モデルに送信され、信号のログに使用されます。

デジタル DC/DC 降圧コンバーター - 電圧モード制御モデルの構成と実行

1. stm32g474_DCDC_Buck.slx モデルを開きます。このモデルは、STM32G4xx Based ハードウェア向けに構成されています。

2. 他の STM32 プロセッサでモデルを実行するには、まず "Ctrl+E" を押して [コンフィギュレーション パラメーター] ダイアログ ボックスを開きます。次に、[ハードウェア実行][ハードウェア ボード] に移動して、STM32G4xx Based ハードウェア ボードを選択します。

3. 周辺装置の構成セクションの説明に従って、モデル内の周辺装置を構成します。他のハードウェア ボードでこの例を実行する場合も、同じパラメーター値を使用できます。

stm32g474_DCDC_Boost.slx モデルについても同じ手順を繰り返し、[モデル コンフィギュレーション] で stm32g474re_dcdc_boost_example.ioc を選択します。

周辺装置の構成

このモデル用に周辺装置ブロックの構成を設定します。ブロックをダブルクリックしてブロック パラメーターの構成を開きます。他のハードウェア ボードでこの例を実行する場合も、同じパラメーター値を使用できます。以下に、降圧コンバーター モデルの構成を示します。昇圧コンバーターの stm32g474_DCDC_Boost.slx モデルについても、同様の構成を行うことができます。

  • High Resolution Timer ブロック

チャネルおよびカウンター比較を有効にするように、HRTIM ブロックを構成します。昇圧コンバーターの場合は、タイマーを Timer D として構成します。

  • ADC ブロック

ここに示すように、ADC ブロックおよびコンフィギュレーション パラメーターを構成します。

  • USART/UART

ホストとターゲット間の通信に USART3 を構成します。COM ポートを更新していることを確認します。

STM32CubeMX の構成

コンフィギュレーション パラメーターから [Launch] をクリックして、選択した STM32CubeMX プロジェクトを STM32CubeMX ツールで開きます。

"STM32CubeMX プロジェクト" を開き、次を構成します。

Simulink モデルからコードを生成してハードウェア ボードに読み込む

1. モデルのコードを生成するには、"Ctrl+B" を押すか [ビルド、展開、起動] をクリックします。

2. モデル キャンバスの下部に示されるリンクを使用して診断ビューアーを開き、ビルド プロセスに従います。

ホスト コンピューターでの信号の監視

ホスト コンピューターでモデルを構成して実行

1. ホスト コンピューターで [デバイス マネージャー][ポート (COM と LPT)] を参照し、COM ポートを確認します。

2. stm32_DCDC_Buck_host_model モデル内の次のブロックについて、[ポート] パラメーターをホスト コンピューターの COM ポートに一致するよう設定します。

  • stm32_DCDC_Buck_host_model > Serial Configuration

  • stm32_DCDC_Buck_host_model > Serial Receive

3. [シミュレーション] タブの [実行] ボタンをクリックして、ホスト モデルを実行します。

4. ホスト モデルで信号のログを確認し、ターゲット モデルから送信された Vout を読み取ります。以下に示すハードウェア結果は、降圧コンバーターのものです。

メモ: ホストとターゲットがリアルタイムで通信していない場合は、Scope ブロックを閉じてから、ホスト モデルのシミュレーションを実行してみてください。マシンで他のアプリケーションを同時に実行している場合、Scope ブロックでのデータのアップロードに遅延が生じることがあります。

アクティブ負荷の有効化

  • オンボード ジョイスティックを使用してアクティブ負荷を有効化し、電圧制御への影響を監視できます。

  • 次に示すように、ジョイスティックの左側を押すと 50% 負荷、右側を押すと 100% 負荷が有効になります。

  • オンボード負荷は、ジョイスティックを介して降圧コンバーター モデルでのみ使用できます。

  • 利用可能な負荷は 5 V 定格のため、より高い電圧の場合は外部負荷を使用する必要があります。

その他の試行

  • STM32F7xx ベースのボードでこの例を実行し、結果を解析します。

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