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設計要件

このトピックでは、制御システム デザイナーで使用可能な時間領域と周波数領域の設計要件について説明します。各要件は黄色の影付き領域で示される排他的領域を定義します。要件を満たすには、応答プロットが関連する排他的領域の外側になくてはなりません。

Simulink® Design Optimization™ ソフトウェアがインストールされている場合は、応答の最適化手法を使用して、指定した設計要件を満たす補償器を見つけることができます。設計要件を使用した最適化ベースの設計要件の例については、Optimize LTI System to Meet Frequency-Domain Requirements (Simulink Design Optimization)およびDesign Optimization-Based PID Controller for Linearized Simulink Model (GUI) (Simulink Design Optimization)を参照してください。

制御システム デザイナーのその他の調整法の場合、指定した設計要件を調整プロセス中にビジュアル ガイドラインとして使用できます。

設計要件の追加

設計要件は、既存のプロットに直接追加することも、最適化ベースの調整を使用している場合は [応答の最適化] ダイアログ ボックスから追加することもできます。

既存のプロットへの要件の追加

設計要件は次の既存のものに直接追加できます。

  • ボード線図、根軌跡図、ニコルス エディター プロット。

  • 解析プロット:

    • 根軌跡プロットおよび極/零点配置図

    • ボード線図

    • ニコルス線図

    • ステップ応答とインパルス応答

設計要件をプロットに追加するには、制御システム デザイナーでプロットを右クリックし、[設計要件][新規作成] を選択します。

[新規設計要件] ダイアログ ボックスの [設計要件タイプ] ドロップダウン リストから、追加する要件のタイプを選択します。関連付けられているプロット タイプに任意の有効な要件を選択できます。

[設計要件パラメーター] セクションで、要件のプロパティを設定します。パラメーターは選択した要件のタイプによって異なります。

指定した要件を作成してプロットに追加するには、[OK] をクリックします。

[応答の最適化] ダイアログ ボックスからの要件の追加

最適化ベースの調整を使用する場合は、[応答の最適化] ダイアログ ボックスから設計要件を追加できます。

これを行うには、[設計要件] タブで、[新規設計要件を追加] をクリックします。

[新規設計要件] ダイアログ ボックスのドロップダウン リストから、[設計要件タイプ] を選択します。

[要件対象の応答] ドロップダウン リストで、設計要件を適用する応答を指定します。[データ ブラウザー] 上の任意の応答が選択できます。

[設計要件パラメーター] セクションで、要件のプロパティを設定します。パラメーターは選択した要件のタイプによって異なります。

指定した設計要件を作成するには、[OK] をクリックします。[応答の最適化] ダイアログ ボックスの [設計要件] タブで、新しい要件がテーブルに追加されます。

アプリはこの設計要件を、対応するエディターまたは解析プロットにも追加します。使用するプロット タイプは選択した設計要件タイプによって異なります。

要件がボード線図、根軌跡図またはニコルス線図へのものである場合、

  • 対応するエディター プロットが開き、要件がそのプロットに追加されます。

  • 対応する解析プロットのみが開き、要件がそのプロットに追加されます。

  • 対応するプロットは開かず、要件は新しいエディター プロットに追加されます。

それ以外に、要件が別のプロット タイプに対するものであれば、その要件は適切な解析プロットに追加されます。たとえば、[Step requirement bound] は新しいステップ解析プロットに追加されます。

設計要件の編集

既存の要件を編集するには、制御システム デザイナーで対応するプロットを右クリックし、[設計要件][編集] を選択します。

[設計要件の編集] ダイアログ ボックスの [設計要件] ドロップダウン リストで、編集する設計要件を選択します。現在のプロットから任意の既存の設計要件を選択できます。

[設計要件パラメーター] セクションで、要件のプロパティを指定します。パラメーターは選択した要件のタイプによって異なります。パラメーターを変更すると、アプリでは関連付けられているプロットの要件表示が自動的に更新されます。

関連付けられたプロットで影付きの対象外指定領域のエッジまたは頂点をドラッグして、設計要件を対話形式で調整することもできます。

根軌跡および極-零点プロットの要件

整定時間

連続時間システムで整定時間を指定すると、根軌跡または極-零点プロットに垂直方向の境界ラインが追加されます。このラインは、指定した整定時間に対応する極配置を表します。この境界は、零点を含まない 2 次システムでは厳密に対応します。より高次のシステムの場合、境界は 2 次優先のシステムに基づいて近似となります。

この要件を満たすには、システムの極が境界ラインの左側になければなりません。

離散時間システムの場合、設計要件の境界は原点を中心とする曲線になります。この場合、要件を満たすには、システムの極が境界ラインの内側になければなりません。

オーバーシュートの割合

連続時間システムでオーバーシュートの割合を指定すると、原点を始点とする 2 本の直線がプロットに追加されます。これらの半直線は、指定したオーバーシュート値に対応する極の軌跡です。離散時間の場合、(1,0) を始点とし、左半平面の実軸上で出会う 2 つの曲線が設計要件により追加されます。

メモ

オーバーシュートの割合 (p.o.) の設計要件は、減衰比 ζ を使用して表すことができます。

p.o.=100exp(πζ1ζ2)

減衰比

連続時間システムで減衰比を指定すると、原点を始点とする 2 本の半直線がプロットに追加されます。これらの半直線は、指定したオーバーシュート値に対応する極の軌跡です。この境界は 2 次システムでは厳密に対応し、より高次のシステムでは 2 次優先のシステムに基づいて近似となります。

この要件を満たすには、システムの極が境界ラインの左側になければなりません。

離散時間システムの場合、(1,0) を始点とし、左半平面の実軸上で出会う 2 つの曲線が設計要件により追加されます。この場合、システムの極は境界曲線の内側になければなりません。

固有振動数

固有振動数の範囲を指定すると、原点を中心とする半円がプロットに追加されます。半円の半径は固有振動数と等しくなります。

固有振動数の下限を指定する場合、システムの極はこの半円の外側になければなりません。固有振動数の上限を指定する場合、システムの極はこの半円の内側になければなりません。

領域の制約

領域の制約を指定するには、区分的線形境界ラインの 2 つ以上の頂点を定義します。各頂点について、[実数部][虚数部] の成分を指定します。この要件により、境界ラインの片側に影付きの対象外指定領域が追加されます。対象外指定領域を境界の反対側に切り替えるには、応答プロットで要件を右クリックし、[反転] を選択します。

この要件を満たすには、システムの極が対象外指定領域の外側になければなりません。

開ループと閉ループのボード線図の要件

ゲイン リミットの上限

開ループと閉ループ両方のボード応答でゲインの上限を指定できます。

ゲインの制限は 1 つ以上の線分で構成されます。各線分の始点と終点について、周波数とゲイン ([周波数][振幅]) を指定します。線分の勾配は dB/decade 単位で指定することもできます。勾配を変更すると、終点のゲインが更新されます。

最適化ベースの調整を使用している場合、調整する [重み] を各セグメントに割り当てると、それらの相対的な重要性を示すことができます。

[タイプ] ドロップダウン リストでは、ゲインを指定した境界より上か下のどちらに制約するのかを選択できます。

ゲイン リミットの下限

ゲインの下限も、ゲインの上限と同様に指定できます。

ゲインと位相余裕

ゲイン余裕、位相余裕またはその両方に対する下限を指定できます。指定した上限や下限は、ボード ゲイン線図のゲインプロット上のテキストに表示されます。

メモ

ゲイン余裕と位相余裕の要件は、開ループ ボード線図にのみ適用可能です。

開ループ ニコルス線図の要件

位相余裕

最小の位相余裕を正の値として指定します。図では、制御システム デザイナーは 0 dB の開ループ ゲイン軸に沿った対象外指定の領域としてこの要件を表示します。

ゲイン余裕

ゲイン余裕の最小値を指定します。図では、制御システム デザイナーは -180 度の開ループ位相軸に沿った対象外指定の領域としてこの要件を表示します。

閉ループ ピーク ゲイン

閉ループ ピーク ゲインの最小値を指定します。指定する dB の値は、正または負にできます。設計要件は、ニコルス線図のグリッドの曲線に従います。ベスト プラクティスとして、閉ループ ピーク ゲインの要件を使用するときはグリッドを使用します。

位相余裕設計要件

位相余裕設計要件を指定するには、区分的線形境界ラインの 2 つ以上の頂点を定義します。各頂点について、[開ループ位相][開ループ ゲイン] の値を指定します。この要件により、境界ラインの片側に影付きの対象外指定領域が追加されます。対象外指定領域を境界の反対側に切り替えるには、ニコルス線図で要件を右クリックし、[反転] を選択します。

表示位置

位相余裕、ゲイン余裕または閉ループ ピーク ゲインの要件を編集するときは、表示位置を -180 ± k360 度として指定できます。ここで、k は整数値です。

無効な位置を入力すると、それに最も近い有効な位置が選択されます。これらの要件は、図では 1 つの位置のみで表示されていても、実際の位相にかかわらず適用されます。つまり、k のすべての値に対して適用されます。

ステップ応答とインパルス応答の要件

時間応答の上限

ステップ応答とインパルス応答の両方に対して時間応答の上限を指定できます。

時間応答の上限は 1 つ以上の線分で構成されます。各セグメントの始点と終点について、[時間][振幅] の値を指定します。線分の勾配を指定することもできます。勾配を変更すると、終点の振幅が更新されます。

最適化ベースの調整を使用している場合、調整する [重み] を各セグメントに割り当てると、その相対的な重要性を示すことができます。

[タイプ] ドロップダウン リストでは、応答を指定した境界より上か下のどちらに制約するのかを選択できます。

時間応答の下限

時間応答の上限と同様に、ステップ応答とインパルス応答の両方に対し時間応答の下限を指定できます。

ステップ応答の範囲

ステップ応答プロットでは、ステップ応答の範囲の設計要件も指定できます。

ステップ応答の範囲の要件を定義するには、次のステップ応答パラメーターを指定します。

  • 最終値 — 最終の定常値

  • 立ち上がり時間[最終値] の指定した割合 [% 立ち上がり] に到達するために必要な時間

  • 整定時間[最終値] の整定の割合 [% 整定] 内に応答が入力され、とどまる時間

  • % オーバーシュート[最終値] を上回る最大のオーバーシュートの割合

  • % アンダーシュート[初期値] を下回る最大のアンダーシュートの割合

制御システム デザイナーのステップ応答プロットでは [初期値][ステップ時間] に常に 0 を使用します。

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