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Java アプリケーションへの単純な MATLAB 関数の統合

この例では、Java^® アプリケーションで魔方陣を生成する MATLAB^® メソッドを呼び出す方法について説明します。

ファイル

MATLAB 関数の場所	matlabroot\toolbox\javabuilder\Examples\MagicSquareExample\MagicDemoComp\makesqr.m
Java コードの場所	matlabroot\toolbox\javabuilder\Examples\MagicSquareExample\MagicDemoJavaApp\getmagic.java

手順

1. MATLAB に付属している MagicSquareExample フォルダーを作業フォルダーにコピーします。

   copyfile(fullfile(matlabroot,'toolbox','javabuilder','Examples','MagicSquareExample'))

   MATLAB コマンド プロンプトで、作業フォルダー内の新しい MagicSquareExample\MagicDemoComp サブフォルダーに移動します。

2. 関数 makesqr.m を確認します。

   function y = makesqr(x)
   y = magic(x);

   MATLAB コマンド プロンプトで、makesqr(5) と入力します。

   出力は 5 行 5 列の行列になります。

       17    24     1     8    15
       23     5     7    14    16
        4     6    13    20    22
       10    12    19    21     3
       11    18    25     2     9

3. ライブラリ コンパイラ アプリまたは compiler.build.javaPackage を使用して makesqr.m をカプセル化する Java パッケージを作成します。

   以下の情報をプロジェクトに使用します。

   パッケージ名	magicsquare
   クラス名	magic
   コンパイルするファイル	makesqr.m

   たとえば、compiler.build.javaPackage を使用している場合は、以下を入力します。

   buildResults = compiler.build.javaPackage('makesqr.m', ...
       'PackageName','magicsquare', ...
       'ClassName','magic');

   詳細については、Java パッケージの生成と Java アプリケーションのビルドの手順を参照してください。

4. MATLAB 関数にアクセスする Java アプリケーションのソース コードを作成します。

   この例のサンプル アプリケーションは MagicSquareExample\MagicDemoJavaApp\getmagic.java にあります。

    getmagic.java

   /* Necessary package imports */
   import com.mathworks.toolbox.javabuilder.*;
   import magicsquare.*;
   
   /*
    * getmagic class computes a magic square of order N. The
    * positive integer N is passed on the command line.
    */
   class getmagic
   {
      public static void main(String[] args)
      {
         MWNumericArray n = null;   /* Stores input value */
         Object[] result = null;    /* Stores the result */
         magic theMagic = null;     /* Stores magic class instance */
   
         try
         {
            /* If no input, exit */
            if (args.length == 0)
            {
               System.out.println("Error: must input a positive integer");
               return;
            }
   
            /* Convert and print input value*/
            n = new MWNumericArray(Double.valueOf(args[0]),MWClassID.DOUBLE);
   
            System.out.println("Magic square of order " + n.toString());
   
            /* Create new magic object */
            theMagic = new magic();
   
            /* Compute magic square and print result */
            result = theMagic.makesqr(1, n);
            System.out.println(result[0]);
         }
         catch (Exception e)
         {
            System.out.println("Exception: " + e.toString());
         }
   
         finally
         {
            /* Free native resources */
            MWArray.disposeArray(n);
            MWArray.disposeArray(result);
            if (theMagic != null)
               theMagic.dispose();
         }
      }
   }
   

   プログラムにより次が実行されます。

   • 入力データを保存する MWNumericArray 配列を作成する

   • magic オブジェクトをインスタンス化する

   • makesqr メソッドを呼び出す (最初のパラメーターは出力引数の数を指定し、以降のパラメーターは入力引数として順番に関数に渡される)

   • try-catch ブロックを使用して例外を処理する

   • MWArray メソッドを使用してネイティブ リソースを解放する

5. MATLAB で、MagicDemoJavaApp フォルダーに移動します。

6. 生成された magicsquare.jar パッケージをこのフォルダーにコピーします。

   • compiler.build.javaPackage を使用した場合は、以下を入力します。

     copyfile(fullfile('..','MagicDemoComp','magicsquarejavaPackage','magicsquare.jar'))

   • ライブラリ コンパイラを使用した場合は、以下を入力します。

     copyfile(fullfile('..','MagicDemoComp','magicsquare','for_testing','magicsquare.jar'))

7. システム コマンド ウィンドウで、PlotDemoJavaApp フォルダーに移動します。

8. javac を使用して Java アプリケーションをコンパイルします。

   • Windows^® では、次のコマンドを実行します。

     javac -classpath "matlabroot\toolbox\javabuilder\jar\javabuilder.jar";.\magicsquare.jar getmagic.java

   • UNIX^® では、次のコマンドを実行します。

     javac -classpath "matlabroot/toolbox/javabuilder/jar/javabuilder.jar":./magicsquare.jar getmagic.java

   matlabroot は、MATLAB または MATLAB Runtime のインストール フォルダーへのパスに置き換えてください。たとえば、Windows でのパスは C:\Program Files\MATLAB\R2024b のようになります。

   詳細については、MATLAB により生成された Java アプリケーションのコンパイルと実行を参照してください。

9. システムのコマンド プロンプトからアプリケーションを実行します。

   • Windows の場合、次を入力します。

     java -classpath .;"matlabroot\toolbox\javabuilder\jar\javabuilder.jar";.\magicsquare.jar getmagic 5

   • UNIX の場合、次を入力します。

     java -classpath .:"matlabroot/toolbox/javabuilder/jar/javabuilder.jar":./magicsquare.jar getmagic 5

   アプリケーションにより 5 行 5 列の魔方陣がコマンド ウィンドウに出力されます。

       17    24     1     8    15
       23     5     7    14    16
        4     6    13    20    22
       10    12    19    21     3
       11    18    25     2     9

10. この例から発展させるには、以下のようにします。

    • 生成されたアプリケーションを別のコンピューターで実行してみる。

    • compiler.package.installer を使用してパッケージ用のインストーラーをビルドしてみる。

    • 複数の関数で構成されたパッケージを統合してみる。

参考

compiler.build.javaPackage | ライブラリ コンパイラ | compiler.package.installer | mcc | deploytool

トピック

• Java パッケージの生成と Java アプリケーションのビルド
• 複数の MATLAB 関数を使用した Java アプリケーションの作成
• Java アプリケーションでの MATLAB プロットの表示