スタンドアロン アプリケーションのデプロイ
アプリケーションのコンパイル
この例では、MATLAB® ファイル magicsquare.m を使用し、スタンドアロン アプリケーション magicsquare を作成します。
以下から
magicsquare.mをコピーし、matlabroot\extern\examples\compiler
作業フォルダーに配置します。
MATLAB コードをコンパイルするには、次を使用します。
mcc -mv magicsquare.m
-mオプションは、MATLAB Compiler™ (mcc) にスタンドアロン アプリケーションを生成するように指示します。-vオプション (verbose) は処理に沿ってコンパイル手順を表示し、他の有用な情報、たとえばどのサードパーティ コンパイラを使用しているのか、そして、どの環境変数を参照しているのかを確認するのに役立ちます。このコマンドは
magicsquareというスタンドアロン アプリケーションと付加的なファイルを生成します。Windows® プラットフォームの場合は名前に.exe拡張子を加えます。
アプリケーションのテスト
以下の手順で、開発マシン上でスタンドアロン アプリケーションをテストします。
メモ:
開発マシンでアプリケーションをテストすることは、アプリケーションがコンパイルされていることを確認する重要な手順です。アプリケーションが適切にコンパイルされていることを検証するために、アプリケーションで利用されるすべての機能をテストしなければなりません。Undefined function や Attempt to execute script script_name as a function のようなエラー メッセージを受け取った場合、そのアプリケーションは、デプロイ先のマシンで適切に実行されないことが見込まれます。デプロイ可能なアーカイブに必要な関数がいくつか不足している可能性が高いです。 -a を使用してアーカイブに不足している関数を追加し、コードを再コンパイルしてください。
デプロイ用の MATLAB Runtime パスの設定の説明に従い、パスを更新します。
アプリケーション名を入力してシステム プロンプト (UNIX® ではシェル プロンプト、Windows では DOS プロンプト) からスタンドアロン アプリケーションを実行します。
magicsquare.exe 4 (On Windows) magicsquare 4 (On UNIX) magicsquare.app/Contents/MacOS/magicsquare 4 (On Maci64)
結果は、次のようになります。
ans = 16 2 3 13 5 11 10 8 9 7 6 12 4 14 15 1
アプリケーションのデプロイ
MATLAB Compiler が生成したスタンドアロン アプリケーションは、そのアプリケーションをコンパイルしたマシンと同じオペレーティング システムをもつ任意のターゲット マシンに配布できます。
たとえば、Windows マシンにアプリケーションをデプロイする場合は、Windows マシン上で MATLAB Compiler を使用してアプリケーションをビルドしなければなりません。同じアプリケーションを UNIX マシンにデプロイする場合は、同じ UNIX プラットフォーム上で MATLAB Compiler を使用してアプリケーションを完全にリビルドしなければなりません。複数のプラットフォームにアプリケーションをデプロイするには、使用するすべてのプラットフォームで MATLAB ライセンスと MATLAB Compiler ライセンスが必要になります。
Windows
以下のファイルを集めてパッケージ化し、デプロイ先のマシンへ配布します。
コンポーネント | 説明 |
|---|---|
| MATLAB Runtime インストーラー | 自己解凍形式の MATLAB Runtime ライブラリ ユーティリティ。エンド ユーザーのプラットフォームに対応していなければならないプラットフォーム依存ファイル。実行可能ファイルの名前を取得するには、 |
| アプリケーション。Windows 用の |
UNIX
UNIX 上でスタンドアロン アプリケーションをパッケージ化し、デプロイするには以下のファイルを集めてパッケージ化し、デプロイ先のマシンへ配布します。
コンポーネント | 説明 |
|---|---|
| MATLAB Runtime インストーラー | MATLAB Runtime ライブラリ アーカイブ。エンド ユーザーのプラットフォームに対応していなければならないプラットフォーム依存ファイル。バイナリの名前を取得するには、 |
| アプリケーション |
Maci64
以下の表で説明するように、スタンドアロン アプリケーションのコピー、tar、圧縮を行い、64 ビットの Macintosh 上に配布し、パッケージ化します。
コンポーネント | 説明 |
|---|---|
| MATLAB Runtime インストーラー | MATLAB Runtime ライブラリ アーカイブ。エンド ユーザーのプラットフォームに対応していなければならないプラットフォーム依存ファイル。バイナリの名前を取得するには、 |
| アプリケーション |
| Application bundle
|
アプリケーションの実行
以下の手順ではエンド ユーザーがアプリケーションをマシンにインストールして、実行するときに行わなければならない処理を説明します。
Windows マシンでの準備
mcrinstaller コマンドを実行して実行可能ファイルまたはバイナリの名前を取得し、MATLAB Runtime をインストールします。MATLAB Runtime インストーラー ユーティリティの実行とシステム パスの変更の詳細については、MATLAB Runtimeを参照してください。
アプリケーションの実行
スタンドアロン アプリケーション magicsquare をシステム プロンプトから実行し、魔方陣行列のサイズ数を入力します。たとえば、4 と入力します。
magicsquare 4
結果が以下のように表示されます。
ans =
16 2 3 13
5 11 10 8
9 7 6 12
4 14 15 1
メモ:
システム プロンプトで受け渡した入力引数は文字列の入力として扱われ、これは、アプリケーション内で考慮しなければなりません。
メモ
MATLAB Compiler で生成した実行可能ファイルを実行する前に、環境変数 LD_PRELOAD を \lib\libgcc_s.so.1 に設定してください。
64 ビット Macintosh (Maci64) でアプリケーションを実行. 64 ビットの Macintosh の場合は、以下のようなバンドルを介してアプリケーションを実行します。
magicsquare.app/Contents/MacOS/magicsquare