AUTOSAR ソフトウェア コンポーネントの動作を表すアルゴリズム モデル コンテンツの作成
AUTOSAR Blockset ソフトウェアは AUTOSAR Classic Platform 用の AUTOSAR ソフトウェア コンポーネント モデリングをサポートします。Simulink® で AUTOSAR ソフトウェア コンポーネントを開発するには、AUTOSAR ソフトウェア コンポーネントを表す Simulink モデルを作成します。モデルの作成を、次のいずれかの方法で開始します。
既存の AUTOSAR XML (ARXML) コンポーネント記述を Simulink 環境にモデルとしてインポートします。AUTOSAR ARXML インポーターを使用してコンポーネント記述をインポートします。
既存の Simulink モデルを作り直して AUTOSAR ソフトウェア コンポーネントの表現にします。
AUTOSAR Blockset モデル テンプレートから始めて、Simulink モデルを作成します。
初期のモデル設計を作成した後、アルゴリズム コンテンツを調整します。
このチュートリアルでは、モデル例 autosar_swc
を使用して、AUTOSAR ソフトウェア コンポーネントのモデル表現の例を示します。
モデル
autosar_swc
を開きます。モデル コンポーネントを調べます。モデルは次のもので構成されています。
周期的なランナブル
Runnable_1s
。これはサンプル レート 1 秒 (In1_1s
) で構成されています。周期的なランナブル
Runnable_2s
。これはサンプル レート 2 秒 (In2_2s
) で構成されています。Initialize Function ブロック
Runnable_Initialize
。これはRunnable 2s
の積分器を 1 の値に初期化します。
モデル コンフィギュレーションを調べます。
モデル コンフィギュレーション パラメーター [システム ターゲット ファイル] は
[autosar.tlc]
に設定されています。このシステム ターゲット ファイル設定によって、AUTOSAR Blockset ソフトウェアが使用できるようになります。実行効率を最大にするため、モデルはマルチタスク モードに構成されています。ソルバーの設定は次のとおりです。
[タイプ] は
[固定ステップ]
に設定されている。[ソルバー] は
[離散 (連続状態なし)]
に設定されている。[固定ステップ サイズ (基本サンプル時間)] は
auto
に設定されている。[各離散レートを個別のタスクとして扱う] はオンになっている。
Simulink エディターで、[デバッグ] タブを選択し、[診断]、[情報のオーバーレイ]、[色] を選択して、サンプル時間の色分けを有効にできます。サンプル時間の凡例に暗黙的なレートのグループ分けが示されます。赤色は最も速い離散レートを表します。緑色は 2 番目に速い離散レートを表します。黄色は 2 つのレートの混在を示します。
モデルに複数のレートがあり、[ソルバー] パラメーター [各離散レートを個別のタスクとして扱う] が選択されているため、モデルはマルチタスク モードでシミュレーションを行います。モデルは
In2_2s
のレート変換を、Rate Transition ブロックを使用して明示的に処理します。Rate Transition ブロックのパラメーター [確定的にデータ転送を確保] がオフにされ、AUTOSAR ランタイム環境への統合を容易にします。
モデルの生成コードはモデルでサブレートをスケジュールします。このモデルでは、緑色のレートである Inport ブロック
In2_2s
のレートがサブレートです。生成されたコードは、さまざまなレートで実行されるタスク間でデータを適切に転送します。
次に、AUTOSAR ソフトウェア コンポーネントの要素を Simulink モデリング環境で使用するために構成します。