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ijk2keplerian

位置ベクトルと速度ベクトルを用いたケプラー軌道要素

構文

[a,ecc,incl,RAAN,argp,nu,truelon,arglat,lonper] = ijk2keplerian(rijk, vijk)

[a,ecc,incl,RAAN,argp,nu,truelon,arglat,lonper] = ijk2keplerian(rijk, vijk,Name=Value)

説明

[a,ecc,incl,RAAN,argp,nu,truelon,arglat,lonper] = ijk2keplerian(rijk, vijk) は、地心赤道座標系で指定された位置と速度ベクトルのケプラー軌道要素を計算します。

[a,ecc,incl,RAAN,argp,nu,truelon,arglat,lonper] = ijk2keplerian(rijk, vijk,Name=Value) は、1 つ以上の名前と値の引数を使用して追加オプションを指定します。

例

IJK位置と速度を変換する

この例では、地心赤道座標系 (IJK) の位置と速度をケプラーの軌道要素に変換する方法を示します。

r_ijk = [-2981784 5207055 3161595];
v_ijk = [-3384 -4887 4843];
[a, ecc, incl, RAAN, argp, nu, truelon, arglat, lonper] =...
ijk2keplerian(r_ijk, v_ijk)

a = 
6.7845e+06

ecc = 
9.1950e-04

incl = 
51.7528

RAAN = 
95.2570

argp = 
106.4005

nu = 
290.0096

truelon = 
NaN

arglat = 
NaN

lonper = 
NaN

入力引数

rijk — 位置コンポーネント

3行1列の配列 | 3行n列の配列

地心赤道位置コンポーネント。3 行 1 列の配列または 3 行 n 配列としてメートル単位で指定されます。この引数はスカラー拡張をサポートしていません。

データ型: double

vijk — 速度成分

3行1列の配列 | 3行n列の配列

地心赤道速度成分。3 行 1 列の配列または 3 行 n 配列として指定され、単位は m/s です。この引数はスカラー拡張をサポートしていません。

データ型: double

名前と値の引数

オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで、Name は引数名で、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。

R2021a より前では、コンマを使用して名前と値をそれぞれ区切り、Name を引用符で囲みます。

例: Action='Warning' は、コマンド ウィンドウに、rijk と vijk が平行であるか、軌道が放物線または双曲線であることを示す警告を表示します。

CentralBody — 宇宙機が周回する天体

地球 (既定値) | 月 | 水星 | 金星 | 火星 | 木星 | 土星 | 天王星 | 海王星 | Sun

宇宙機が周回する天体。Earth、Moon、Mercury、Venus、Mars、Jupiter、Saturn、Uranus、Neptune、Sun のいずれかとして指定されます。

依存関係

'GravitationalParameter' を指定しない場合は、この名前と値のペアを指定できます。

データ型: string

GravitationalParameter — カスタム中心体の重力パラメーター

3.986e14 (既定値) | 正のスカラー

カスタム中心体の重力パラメーター。正のスカラーとして指定されます。

依存関係

CentralBody を指定しない場合は、この名前と値のペアを指定できます。

データ型: double

Action — 関数の動作

'Warning' (既定値) | 'None' | 'Error'

rijk と vijk が平行であるか、軌道が放物線または双曲線である場合の関数の動作。

値	説明
'None'	警告やエラーは表示されません。rijk と vijk が並列の場合、すべての出力は NaN に設定されます。軌道が放物線の場合、半長軸出力 a は近点半径に設定されます。
'Warning'	MATLAB® コマンド ウィンドウに、rijk と vijk が平行であるか、軌道が放物線または双曲線であることを示す警告が表示されます。警告が入力のサブセットにのみ適用される場合は、警告が適用される最初の入力インデックスが表示されます。
'Error'	MATLAB コマンド ウィンドウに、rijk と vijk が平行であるか、軌道が放物線または双曲線であることを示すエラーが表示されます。エラーが入力のサブセットにのみ適用される場合は、エラーが適用される最初の入力インデックスが表示されます。

Tolerance — 許容誤差

1e-12 (既定値) | スカラー

軌道円または放物線軌道の離心率、または赤道軌道の傾斜角の離心率（ラジアン単位、スカラー値として指定）。この Tolerance 名前値引数を使用して、軌道の円または放物線の離心率、あるいは赤道傾斜角の許容値を指定します。

ijk2keplerian は、離心率と傾斜角の値を持つ次の特定の軌道軌跡をサポートします。

• 円形 — ecc は 0 です。

• 放物線 — ecc は 1 です。

• 赤道 — incl は 0 または 180 度です。

例: 1e-12

データ型: double

出力引数

a — 長半径

スカラー | 1行n列の配列

軌道の長半径（最長直径の半分）。メートル単位のスカラーまたは 1 行 n 列の配列として返されます。

軌道が放物線の場合、ecc は 1 となり、この引数は軌道の近点半径を返します。

データ型: double

ecc — 軌道離心率

0以上のスカラー値 | 1行n列の配列

軌道離心率(軌道曲線の円からの偏差)。スカラーまたは 1 行 n 列の配列として返されます。

データ型: double

incl — 傾斜角

0から180までのスカラー値 | 1行n列の配列

軌道の傾斜角角。度単位のスカラーまたは 1 行 n 列の配列として返されます。

データ型: double

RAAN — 昇交点赤経

0から360までのスカラー値 | 1行n列の配列

x 軸から昇交点 (衛星が赤道を南から北に横切る点) の位置までの赤道面の角度。スカラーまたは 1 行 n 列の配列として度単位で返されます。

データ型: double

argp — 宇宙機の昇交点と近点の間の角度

0から360までのスカラー値 | 1行n列の配列

宇宙機の昇交点と近点（地球に最も近い軌道点）の間の角度。度単位のスカラーまたは 1 行 n 列の配列として返されます。

データ型: double

nu — 宇宙機の近点と現在の位置の間の角度

0から360までのスカラー値 | 1行n列の配列

宇宙機の近点と現在の位置の間の角度。度単位のスカラーまたは 1 行 n 列の配列として返されます。

データ型: double

truelon — x軸と宇宙機の位置ベクトルの間の角度

0から360までのスカラー値 | 1行n列の配列

x 軸と宇宙機の位置ベクトル間の角度。スカラーまたは 1 行 n 列の配列として度単位で返されます。

データ型: double

arglat — 昇交点と宇宙機の位置ベクトルの間の角度

0から360までのスカラー値 | 1行n列の配列

昇交点と宇宙機の位置ベクトル間の角度。スカラーまたは 1 行 n 列の配列として度単位で返されます。

データ型: double

lonper — x軸と離心率ベクトル間の角度

0から360までのスカラー値 | 1行n列の配列

x 軸と離心率ベクトル間の角度。度単位で、スカラーまたは 1 行 n 列の配列として返されます。

データ型: double

詳細

中心体の重力パラメーター、赤道半径、自転速度

天体の重力パラメーター、赤道半径、および自転速度は、惑星やその他の天体の物理的および動的特性を特徴付けるための重要なパラメーターであり、天体力学および天体力学において重要な役割を果たします。

重力パラメーター(μ) — 重力パラメーターμ は、重力定数 (G) と中心体の質量 (M) の積です。

赤道半径 — 惑星の赤道半径は、惑星の中心から赤道までの距離（m）です。これは惑星の大きさを測る尺度であり、惑星の自転により赤道で膨らみが生じるため、極半径よりも大きくなります。この現象は赤道隆起または扁平化として知られています。

自転速度 — 惑星の自転速度とは、惑星が自身の軸の周りを回転する速さを指します。これは角速度、つまり惑星が回転する速度を使用して測定され、ラジアン/秒または度/時間で測定されます。自転速度は、昼と夜のサイクル、気象パターン、惑星の形状（遠心力による）など、さまざまな惑星現象に影響を与えます。

Aerospace Toolbox に含まれる天体のこれら 3 つのパラメーターの値が、この表にリストされています。

惑星データ

中心体	重力パラメーター（m³/s²）	赤道半径（m）	回転速度（rad/s）
地球	3.986004418e14	6.378137e6	7.292115146706979e-5
月	4.902801076e12	1.7382e6	2.66166e-6
太陽	1.327124400179870e20	6.96000e8	2.8653291e-6
水星	2.20320804864179e13	2.4397e6	1.24001e-6
金星	3.248585988264598e14	6.0518e6	-2.99244942e-7
火星	4.2828314258067e13	3.3962e6	7.088218e-5
木星	1.267127678577960e17	7.1492e7	1.7585336e-4
土星	3.794062606113729e16	6.0268e7	1.6378499e-4
天王星	5.794549007071873e15	2.5559e7	-1.0123719e-4
海王星	6.836534063879261e15	2.4764e7	1.08338e-4

参照

[1] Vallado, D. A. Fundamentals of Astrodynamics and Applications. alg. 5. McGraw-Hill, 1997.

[2] NASA. "Planetary Fact Sheet." NASA National Space Science Data Center. https://nssdc.gsfc.nasa.gov/planetary/factsheet/.

バージョン履歴

R2019a で導入

R2025a: ijk2keplerian 機能の変更

ijk2keplerian 関数には次の更新があります:

• ijk2keplerian には、重力パラメーター(μ) を変更するためのオプションが追加されました。

  この機能をサポートするために、関数には 3 つの新しい名前と値の引数 CentralBody、GravitationalParameter、および Action があります。

• ijk2keplerian はベクトル入力を受け入れ、ベクトル出力を返すようになりました。この関数は引き続きスカラー入力と出力をサポートします。

• ijk2keplerian 関数は、許容値を使用して円軌道、放物線軌道、赤道軌道をより適切にサポートするようになりました。軌道の円または放物線の離心率、あるいは赤道傾斜角離心率値を指定するには、新しい Tolerance 名前値引数を使用します。R2025a より前のリリースでは、許容値は 1e-12 でした。

• ijk2keplerian 関数は、軌道が放物線の場合、軌道近点半径を軌道長半径a の値として出力し、ecc は 1 になります。

参考

ecef2eci | eci2ecef | dcmeci2ecef | aeroReadIERSData | deltaCIP | polarMotion | deltaUT1 | keplerian2ijk | siderealTime | CubeSat Vehicle (Aerospace Blockset)