グアダラハラ大学、糖尿病治療に制御アルゴリズムを活用

人工膵臓システムをシミュレーションする適応型制御器

「1 型糖尿病患者用の人工膵臓をシミュレーションする際に制御システムや識別システムを非常に簡単に統合できます。」

主な成果

  • 現実のシナリオに対応した堅牢な制御: H∞ 制御理論の採用により、人工膵臓システムが生理学的不確実性の下でも有効性を維持できることを確認
  • MATLAB と Simulink の統合: これらのソフトウェア ツールが、制御アルゴリズムの設計、シミュレーション、テストを効率化し、イノベーションを加速
  • 世界と地域の関連性: このプロジェクトにより、ラテンアメリカの重大な健康問題に対処するとともに、糖尿病治療の世界的な前進に貢献
腹部のクローズアップ。ジーンズのポケットに入ったインスリンポンプと皮膚に挿入されたカテーテル。

インスリンポンプによる自動インスリン投与と持続血糖測定は、今でも糖尿病管理の重要な要素です。

グアダラハラ大学の精密科学工学部の核となる画期的なプロジェクトが、糖尿病管理の未来を大きく変えようとしています。このプロジェクトを率いるのは、電気工学の博士号を有し、公衆衛生への深い情熱を抱く経験豊富な教授兼研究者、Eduardo Ruiz Velázquez 博士です。同氏は、人工膵臓システム用の高度な制御アルゴリズムの開発に取り組み、1 型糖尿病患者のために新たな希望を見出そうとしています。Eduardo Ruiz Velázquez 博士の他に、チームには Alejandro Ricardo Femat Flores 博士、Griselda Quiroz Compeán 博士、Julio Alberto García Rodríguez 博士が参加しています。

研究チームの第一の目標は、特に健康な人の炭水化物摂取時のグルコース-インスリン動態を模倣することです。これを実現するために、MATLAB® と Simulink® を活用して、患者の生理機能のモデリング、堅牢な制御器の設計、現実のシナリオのシミュレーションを行います。Robust Control Toolbox™ や Symbolic Math Toolbox™ などのツールは、生理学的変化の管理、システムの信頼性の確保、平衡点の計算、数学モデルの線形化などに役立ちます。

チームは、Simulink 内にアメリカのバージニア大学とイタリアのパドヴァ大学が共同開発したシミュレーターも統合しました。これは、Eduardo Ruiz Velázquez 博士によると、「1 型糖尿病患者用の人工膵臓をシミュレーションする際に制御システムや識別システムを非常に簡単に統合できる」という理由からです。

初期の成果は、今後に大きな期待を抱かせるものでした。開発された制御アルゴリズムは、効率的かつ直感的にシミュレーションできるだけでなく、既存の人工膵臓システムへの統合も期待できます。これらのシステムは、持続血糖測定と自動インスリン投与を組み合わせることで、高血糖や低血糖のリスクを軽減し、糖尿病治療を変革する可能性があります。 

先を見通して、研究チームは、運動や概日リズムなど、さまざまな患者の状態に適応するハイブリッド制御アルゴリズムを検討しています。Eduardo Ruiz Velázquez 博士によると、「これらのアルゴリズムは、従来のものとは異なり、グルコース動態にはさまざまな要因が関与しているため、単一の制御器だけでは血糖値の調整には不十分であることを認識しています。その代わりに、患者の状態に応じた特定のシナリオに適した複数の制御器を組み合わせて用いています。」

この研究は、糖尿病患者が 3,200 万人を超えるラテンアメリカにとって特に重要ですが、世界的にも意義があります。チームは、MATLAB の計算能力を活用して、世界中で最も一般的な健康上の悩みの 1 つに対する低コストで効果の高いソリューションの開発を目指しています。彼らの取り組みは、学術的なイノベーションがいかにして世界の健康改善を推進できるかを示す良い例です。