DHGE と DMG 森精機、工作機械の故障リスクを予測する AI アプリケーションを開発

今後のプロジェクトで MATLAB の活用範囲拡大を視野に入れる DHGE

「MATLAB はプロトタイピングの工程を簡略化してくれましたし、中間的な作業やデータ転送も必要ありませんでした。これは Python と比べて大きな利点でした。」

主な成果

  • MATLAB アプリの使用により、データ処理タスクが加速し、プロトタイピングから展開までの時間が短縮
  • Statistics and Machine Learning Toolbox により、研究者が工作機械の故障リスクの予測を実現
  • 産業分野における予知保全の用途に向けて MATLAB アプリを開発・展開
DMG 森精機のフライス盤。

DHGE は、システム構成と障害リスク間の非常に非線形かつ複雑な関係を分析することにより、潜在的な現場障害を特定する予測モデルを開発しました。

Gera-Eisenach Corporate University (DHGE) は、工作機械の故障リスクの予測など、永続的な課題に対する効率的で革新的なソリューションを見つけるために産業界と連携する技術・応用科学機関です。同大学は、国際的な工作機械メーカーである DMG 森精機 ゼーバッハ工場と協力し、MATLAB® ツールを用いて、産業機械のメンテナンスが必要な時期を AI で予測するアプリを開発・テストしました。これにより、故障の予防や効率向上に貢献しています。

エンドユーザー向けの直感的なアプリを作成するために、DHGE はまず機能エンジニアリング用の MATLAB ツールを使用しました。これは、特徴を識別するための実験方法を設計するだけでなく、さまざまなソースからの重要なデータを標準化して処理することにも似ています。次に、MATLAB App Designer で開発され、 MATLAB Compiler™ でコンパイルされたコードを使用して、データを浅層ニューラル ネットワークの学習に利用できる共通ベクトルに処理しました。このモデルは、Statistics and Machine Learning Toolbox™ のニューラル ネットワーク関数を使用して作成されました。MATLAB ツールの使用により、モデルをシームレスに実装できるようになり、DHGE と DMG 森精機間の連携が容易になりました。

DHGE は、予知保全モデル用の共通形式でデータを効率的に処理するソリューションを探していました。予測モデルの開発に MATLAB ツールのみを使用することで、研究者はスムーズな反復設計プロセスと、データの一貫性、安全性、セキュリティのメリットを享受できました。開発プロセスでは、Python® を用いた類似の作業と比べて中間工程やデータ転送が少なくて済んだため、プロトタイピングから実運用までの時間を短縮することができました。DHGE の研究者はこれらのツールを使用して、DMG 森精機が実装するアプリを作成し、ツール マシンの製造と構成のためのより堅牢で効率的なプロセスを作成しました。

DHGE の研究者は、この予知保全アプリの機能の評価や、AI 分野で高まるニーズに対応するための機械データのインポートをサポートする新しい MATLAB ツールボックスの開発など、今後のプロジェクトでも MATLAB ツールと MathWorks サポートを引き続き使用していく予定です。