第3章
仕組み: 予知保全の例
採掘用の井戸を複数所有し、それぞれの場所から、複数のポンプを操作して地中から石油やガスを採取している企業を想像してください。
以下では、デジタルツインを予知保全に適用した例をご紹介します
設備の例:ポンプ
デジタルツインは実稼働中の設備において常に最新の状況を反映していることを思い出しましょう。
このケースにて、デジタルツインの対象となり得る設備は、次のようなものです:
ポンプバルブなどのシステムコンポーネント
ポンプ、システム本体
複数のポンプを管理するシステムオブシステムズ
次の例では、複数のポンプがそれぞれ3サイトに集積し、個別に稼働しています。
デジタルツインモデルはどのように機能するのか?
センサーから送信されるデータや現在の稼働条件等、ポンプから抽出されるデータに基づいて更新されるモデルを構築することで、ポンプの最新の状況を可視化します。
このデジタルツインモデルは常時ポンプの最新の状況を把握しています。
こちらは、センサーの測定値と稼働条件をポンプからモデルに共有している図です。モデルはポンプからの測定値を受け取り、ポンプの現在の状態を出力します。
ポンプにデジタルツインモデルを用いることの3つのメリット
設備におけるダウンタイムの軽減
ポンプには、バルブ、シール、プランジャーなどといった高価な部品が使用されています。それらの故障を事前に予測し未然に防ぐことで、ダウンタイムを軽減することができます。
在庫管理の効率化
発生した不具合を特定し、修理や交換が必要な部品を把握することで、部品の在庫管理を効率化できます。
What-Ifシミュレーションによる機器運用の全体最適化
図にある3カ所のポンプ集積地では、すべてのポンプが同じメーカーで製造されていて、似た機能を持っているかもしれません。しかし、気温等の異なる稼働条件によって、それぞれのポンプの効率性は異なります。
デジタルツインを活用することで、機械全体を監視し、稼働状況をシュミレーションで予測することが可能となり、各機械の効率性を比較できます。これにより、各機械の運用を全体最適の視点で効率化できます。