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データシートからのブロックのパラメーター化

Simscape™ Electrical™ は、相応するレベルの忠実度をブロックに提供する、システム レベルのシミュレーション ツールです。ブロック パラメーターは、可能であれば、メーカーのデータシートに記載されたデータと合致するように設計されています。たとえば、バイポーラ トランジスタのブロックは、データシートに記載される小信号の量によるパラメーター化をサポートし、基礎となるモデルは、専用の EDA シミュレーション ツールによって一般に使用されるモデルより単純です。パラメーターの数が少なくなり、基礎となるモデルがシンプルになると、MATLAB® システムのパフォーマンス解析をよりうまくサポートできるようになり、結果として設計の選択肢もサポートできるようになります。システム設計の後、ハードウェアで検証を行うか、EDA シミュレーション ツールを使用してより詳細なモデル化と検証を行うことができます。

次のパラメーター化の例は、さまざまなブロックのパラメーター化手法を示しています。

ほとんどの場合、データシートは Simscape Electrical ブロックのパラメーターのソースとして十分です (例 124 を参照)。場合によっては、データシートで入手できるよりも多くの情報が必要であり、データをメーカーの SPICE ネットリストから補うことができます。たとえば、回路の性能が 1 つまたは 2 つの重要なコンポーネントに依存し、より高い精度がパラメーター値または基礎となるモデルで必要とされる場合があります。例 3 で説明しているように、Simscape Electrical ライブラリにはこのケースに対応する SPICE 互換のサブライブラリが含まれています。高レベルの精度でのモデル化が必要な多くのコンポーネントがある場合は、専用の回路シミュレーターを使った Simulink® コシミュレーションのほうがより優れた選択肢となる可能性があります。

また、SPICE 変換アシスタントを使用して、SPICE コンポーネントを同等の Simscape コンポーネントに変換することもできます。詳細については、SPICE ネットリストの Simscape ブロックへの変換を参照してください。

特にメカトロニクス用途では、PMW 波形発生器や H ブリッジなどの集積回路の入出力動作をモデル化する必要が生じる場合があります。これら 2 つの例については、抽象化された動作と同等のブロックが Simscape Electrical ライブラリに含まれており、使用することができます。他のデバイスをモデル化する必要がある場合は、Simscape 言語を使用して独自の抽象化モデルを作成したり、Simulink ブロックを使用するなどのオプションがあります。Simulink ブロックを使用する例は、集積回路のモデル化の例を参照してください。

データシートを探す場合は、必ず元のメーカーのデータシートを入手してください。再販業者の一部は内容を省略することがあるためです。

モデルのパラメーター化と検証を行う追加の方法については、追加のパラメーター化ワークフローを参照してください。