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差動ペア アンプ

この例では、差動ペア アンプ回路を示します。この回路を使用して、差動ペア アンプの特性を確認できます。このモデルは、差動入力および同相入力を使用してテストできます。2 つのトランジスタが同一の特性をもつという条件で、平衡化した出力のコモン モードでのゲインはゼロになります。

トランジスタ NPN 3 は、差動モード ゲインの安定化に寄与する一定の電流源として機能します。R1、R3、D1 の組み合わせは、ベース電圧を負の電源レールより約 1 V 上の値に設定します。ベース-エミッター飽和電圧は 0.4 V であるため、R2 にかかる電圧は 0.6 V となり、エミッターの電流は 0.6 / 220 = 2.7 mA となります。D1 は、温度による順電圧の変化がベース-エミッターの接合部と類似している状態で、温度補償を提供します。トランジスタのコンポーネント値は BC107 に典型的なもので、ダイオードのコンポーネント値は IN4148 に典型的なものです。

このモデルを使用して、システムの周波数応答を取得できます。モデルが定格操作点に沿って線形化されるようにするため、Solver Configuration ブロック オプション [定常状態からシミュレーションを開始] が有効になっています。MATLAB® コマンド linmod を使用して、モデルを線形化できます。Simulink® Control Design™ をお持ちの場合は、モデル DifferentialPairAmplifier を開きます。[アプリ] タブの [制御システム] で、[モデル線形化器] をクリックします。モデル線形化器の [線形解析] タブの [線形化] セクションで、[ボード線図] をクリックします。Simulink ラインを右クリックし、[線形化のポイント] を選択することで、線形化のポイントを定義します。Sensor ブロックを見ると、PS-Simulink ブロックの出力のところに線形出力のシンボルがあるのがわかります。同様に、Source ブロックの下には、Sine Wave ブロックの出力に線形入力ポイントのシンボルがあるのがわかります。

モデル

Simscape ログからのシミュレーション結果

以下のプロットは、差動ペア アンプ モデルの出力と入力を示しています。ベース電圧の差 (vb2-vb1) は 40 倍を超えて増幅されます。出力は、2 つのコレクターの出力の差 (vc2-vc1) として測定されます。

周波数応答