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Linear Transformer

2 巻線または 3 巻線線形変圧器を実装

  • Linear Transformer block

ライブラリ:
Simscape / Electrical / Specialized Power Systems / Power Grid Elements

説明

次に示す Linear Transformer ブロック モデルは、同じコアで巻かれている結合された 3 つの巻線で構成されています。

このモデルでは、巻線抵抗 (R1 R2 R3) と漏れインダクタンス (L1 L2 L3) が考慮されるほか、線形 (Rm Lm) 分岐でモデル化されるコアの磁化特性も考慮されます。

pu 単位の変換

業界に準拠するために、このブロックでは巻線の抵抗とインダクタンスを単位法 (pu) で指定できます。値は、対応する巻線の変圧器の定格電力 Pn (VA)、定格周波数 fn (Hz)、および定格電圧 Vn (Vrms) に基づきます。各巻線で、pu 単位の抵抗とインダクタンスは次のように定義されます。

R(pu)=R(Ω)Rbase

L(pu)=L(H)Lbase

各巻線で使用されるベース インピーダンス、ベース抵抗、ベース リアクタンス、およびベース インダクタンスは次のとおりです。

Zbase=Rbase=Xbase=(Vn)2Pn

Lbase=Xbase2πfn

磁化抵抗 Rm と磁化インダクタンス Lm については、pu 値は巻線 1 の変圧器の定格電力と定格電圧に基づきます。

たとえば、ダイアログ ボックスのセクションで巻線 1 の既定のパラメーターが指定されていると、次のベースが得られます。

Rbase=(735e3)2250e6=2161Ω

Lbase=21612π60=5.732H

巻線 1 のパラメーターが R1 = 4.32 Ω および L1 = 0.4586 H であると仮定して、ダイアログ ボックスで対応する値を入力します。

R1=4.32Ω2161Ω=0.002pu

L1=0.4586H5.732H=0.08pu

定格電流に基づいて 0.2% (抵抗性および誘導性) の磁化電流を指定するには、磁化分岐の抵抗とインダクタンスに対して 1/0.002 = 500 pu の pu 単位値を入力する必要があります。先ほど計算したベース値を使用すると、これらの pu 単位値は Rm = 1.08e6 Ω および Lm = 2866 H に対応します。

理想的な変圧器のモデル化

理想的な変圧器のモデルを実装するには、巻線抵抗と巻線インダクタンスを 0 に設定し、磁化抵抗と磁化インダクタンス (Rm Lm) を inf に設定します。

制限

巻線は浮遊状態 (つまり、回路の他の部分に接続されていない状態) のままにできます。ただし、浮遊巻線とメイン回路の間に内部抵抗器が自動的に追加されます。この内部接続は、電圧と電流の測定値に影響しません。

Simscape™ Electrical™ Specialized Power Systems で実装されているグラフ理論とその電気回路網理論への適用に固有の制限により、次のトポロジは解決できません。

  • 理想的な変圧器の 2 次巻線 (三相変圧器のデルタ接続された理想的な 2 次巻線など) のみを含むループ。このトポロジの問題を解決するには、小さなインピーダンスをループと直列に追加します。

  • 理想的な変圧器の 2 次巻線と理想的な電圧源のみを含むループ。このトポロジの問題を解決するには、小さなインピーダンスをループと直列に追加します。

  • 理想的な変圧器の 2 次巻線とコンデンサのみを含むループ。このトポロジの問題を解決するには、小さなインピーダンスをループと直列に追加します。

  • 理想的な変圧器の 1 次側に、理想的な変圧器の 1 次巻線または電流源 (浮遊共通点で Y 接続された三相 1 次巻線など) のみで構成される要素に接続されているノードが少なくとも 1 つ含まれているすべてのトポロジ。この回路トポロジを解決するには、問題のあるノードに小さな抵抗を接続します。

power_transformer の例は、線-中性点負荷および線間負荷に電力を供給する典型的な住宅配電用変圧器の回路網を示しています。

この例を開くには、MATLAB コマンド ウィンドウで、「power_transformer」と入力します。

端子

保存

すべて展開する

1 次巻線の正極性に関連付けられた特定用途向けの電気量保存端子。

1 次巻線の負極性に関連付けられた特定用途向けの電気量保存端子。

2 次巻線の正極性に関連付けられた特定用途向けの電気量保存端子。

2 次巻線の負極性に関連付けられた特定用途向けの電気量保存端子。

3 次巻線の正極性に関連付けられた特定用途向けの電気量保存端子。

依存関係

この端子を有効にするには、[Three windings transformer] パラメーターを選択します。

3 次巻線の負極性に関連付けられた特定用途向けの電気量保存端子。

依存関係

この端子を有効にするには、[Three windings transformer] パラメーターを選択します。

パラメーター

すべて展開する

Linear Transformer ブロックのパラメーターの入力に使用する単位を指定します。

pu 単位を使用するには [pu] に設定します。

SI 単位を使用するには [SI] に設定します。

[Units] パラメーターを [pu] から [SI] または [SI] から [pu] に変更すると、ブロックのマスクに表示されるパラメーターが自動的に変換されます。pu 単位の変換は、巻線の変圧器の定格電力 Pn (VA)、定格周波数 fn (Hz)、および定格電圧 Vn (Vrms) に基づきます。

変圧器の定格電力 Pn (VA) と定格周波数 fn (Hz)。

[Units] パラメーターを [SI] に設定した場合、このパラメーターは変圧器モデルには影響しません。

1 次巻線の定格電圧 V1 (Vrms)、抵抗 R1 (pu)、および漏れインダクタンス L1 (pu)。

pu 値は定格電力 Pn と V1 に基づきます。

理想的な巻線を実装するには、R1 と L1 を 0 に設定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Units] パラメーターを [pu] に設定します。

1 次巻線の定格電圧 V1 (Vrms)、抵抗 R1 (Ω)、および漏れインダクタンス L1 (H)。

理想的な巻線を実装するには、R1 と L1 を 0 に設定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Units] パラメーターを [SI] に設定します。

2 次巻線の定格電圧 V2 (Vrms)、抵抗 R2 (pu)、および漏れインダクタンス L2 (pu)。

pu 値は定格電力 Pn と V2 に基づきます。

理想的な巻線を実装するには、R2 と L2 を 0 に設定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Units] パラメーターを [pu] に設定します。

2 次巻線の定格電圧 V2 (Vrms)、抵抗 R2 (Ω)、および漏れインダクタンス L2 (H)。

理想的な巻線を実装するには、R2 と L2 を 0 に設定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Units] パラメーターを [SI] に設定します。

3 本の巻線を備えた線形変圧器を実装するには、このオプションをオンにします。

2 本の巻線を備えた線形変圧器を実装するには、このオプションをオフにします。

選択した数の巻線を備えた変圧器がブロック アイコンに表示されます。

3 次巻線の定格電圧 V3 (Vrms)、抵抗 R3 (pu)、および漏れインダクタンス L3 (pu)。

pu 値は定格電力 Pn と V3 に基づきます。

理想的な巻線を実装するには、R3 と L3 を 0 に設定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Units] パラメーターを [pu] に設定し、[Three windings transformer] パラメーターを選択します。

3 次巻線の定格電圧 V3 (Vrms)、抵抗 R3 (Ω)、および漏れインダクタンス L3 (H)。

理想的な巻線を実装するには、R3 と L3 を 0 に設定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Units] パラメーターを [SI] に設定し、[Three windings transformer] パラメーターを選択します。

コアの有効損失と無効損失をシミュレートする抵抗 Rm とインダクタンス Lm。

pu 値は定格電力 Pn と V1 に基づきます。たとえば、定格電圧におけるコアの 0.2% の有効損失と無効損失を指定するには、Rm = 500 pu と Lm = 500 pu を使用します。

理想的な巻線を実装するには、このパラメーターを [inf inf] に設定します。

巻線 1 のインダクタンスがゼロより大きい場合、Rm には有限値を指定する必要があります。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Units] パラメーターを [pu] に設定します。

コアの有効損失と無効損失をシミュレートする抵抗 Rm とインダクタンス Lm。

理想的な巻線を実装するには、このパラメーターを [inf inf] に設定します。

巻線 1 のインダクタンスがゼロより大きい場合、Rm には有限値を指定する必要があります。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Units] パラメーターを [SI] に設定します。

Linear Transformer ブロックの巻線端子にかかる電圧を測定するには [Winding voltages] に設定します。

Linear Transformer ブロックの巻線を流れる電流を測定するには [Winding currents] に設定します。

Linear Transformer ブロックの磁化電流を測定するには [Magnetization current] に設定します。

巻線電圧、巻線電流、および磁化電流を測定するには [All voltages and currents] に設定します。

選択した測定値をシミュレーション中に表示するには、モデルに Multimeter ブロックを配置します。

Multimeter ブロックの [Available Measurements] リスト ボックスでは、後ろにブロック名が続くラベルで測定値が識別されます。

測定

ラベル

巻線電圧

Uw1:

巻線電流

Iw1:

磁化電流

Imag:

拡張機能

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2006a より前に導入