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液体空気エネルギー貯蔵システム

この例では、極低温の液体空気を利用したグリッドスケールのエネルギー貯蔵システムをモデル化します。余剰電力がある場合、このシステムはクロード サイクルの変法に基づいて周囲空気を液化します。低温の液体空気は、必要になるまで低圧断熱タンクに貯蔵されます。電力需要が高い場合、このシステムは貯蔵した液体空気を膨張させ、ランキン サイクルに基づいて電力を生成します。

液化システムでは、4 段中間冷却式圧縮機によって空気を 10 MPa まで加圧します。高圧空気の一部はチラーで冷却された後、スロットル バルブを介して膨張します。これにより、Joule-Thomson 効果によって空気の一部が液化します。残りの高圧空気は膨張機を通過し、空気を冷却するとともに、一部の電力を回収します。液化しなかった低圧の冷気は、チラーの反対側を通って高圧空気を冷却した後、圧縮機へ戻り、サイクルを完了します。

発電システムでは、液体空気は貯蔵タンクから蒸発器へポンプで送られ、約 80 K から周囲温度まで加熱されます。これにより、液体空気が気化し、圧力が 6.5 MPa まで上昇します。高圧空気は、再加熱を伴う 3 段タービンで膨張し、電力を生成します。

充電サイクルと放電サイクルの往復効率を向上させるために、3 つの蓄熱槽を追加しました。低品位蓄熱槽は、圧縮プロセスで発生する排熱を回収し、その熱を利用してタービンに流入する空気の温度を高め、発電量を増加させます。高品位蓄冷槽は、蒸発プロセスで液体空気から生じる廃冷熱を回収し、低品位蓄冷槽は、タービン排気から生じる廃冷熱を回収します。これらはどちらも、チラー内で高圧空気を冷却するために使用され、液化時の消費電力を低減します。

このシステムは、充電時に約 10 MW の電力を消費し、放電時に約 1.8 MW の電力を生成します。10 時間で約 15 MWh のエネルギーを蓄えます。往復効率は約 15% です。

モデル

Chiller サブシステム

Cold Thermal Store サブシステム

Compressor サブシステム

Coolant サブシステム

Stage 1 サブシステム

Cooler サブシステム

Evaporator サブシステム

Expander サブシステム

Hot Thermal Store サブシステム

Liquid Air Tank サブシステム

Pump サブシステム

Separator サブシステム

Throttle Valve サブシステム

Turbine サブシステム

Reheater 1 サブシステム

Stage 1 サブシステム

Scope からのシミュレーション結果

Scope は、充電サイクルで空気を液化するために消費される正味電力と、放電サイクルで貯蔵された液体空気から生成される正味電力を示します。充電時には約 10 MW を消費し、放電時には約 1.8 MW を生成します。充電フェーズと放電フェーズはそれぞれ 10 時間継続し、大気中の空気と液体空気のエンタルピー差に基づく計算では、このシステムに約 15 MWh のエネルギーを貯蔵できます。充電サイクルの時間平均効率は約 26%、放電サイクルの時間平均効率は約 56% であり、その結果、全体の往復効率は約 15% になります。

Simscape ログからのシミュレーション結果

上段のサブプロットは、単位質量の空気を液化するために充電サイクルで消費される仕事と、単位質量の液体空気から放電サイクルで得られる仕事を示します。下段のサブプロットは、圧縮した単位質量の空気当たりに生成される液体空気の質量として定義される液化収率を示します。2 回目の充電サイクル以降では、蓄冷槽による効果のため、サイクル開始時の空気液化に必要な仕事と液化収率は大きくなります。蓄熱槽が周囲温度に戻るにつれて、仕事と液化収率はサイクルの進行に伴って安定します。

次の図は、充電サイクル中の正味消費電力と放電サイクル中の正味発生電力の内訳を示します。充電サイクルでは、液化システム内の膨張機が必要な総電力の約 24% を相殺し、その結果、正味消費電力は約 10 MW になります。放電サイクルでは、正味発生電力は約 1.8 MW ですが、蓄熱槽の熱が使い切られるにつれて約 1.7 MW に低下して安定します。

上段のサブプロットは、システムの主要コンポーネントを流れる空気の質量流量を示します。充電サイクルでは、圧縮機は約 27 kg/s の空気を液化システムへ送り込みます。圧縮空気の 70% 超は膨張機へ分流され、仕事の一部を回収してサイクル効率を向上させます。約 6.5 kg/s の液体空気が生成されます。放電サイクルでは、ポンプはタンクから 7.5 kg/s の液体空気を送り出してタービンを駆動します。

下段のサブプロットは、タンク内の液体空気の質量を示します。2 回目の充電サイクル以降では、約 150 トンの液体空気が生成され、タンクに貯蔵されます。Scope に示すように、これは約 15 MWh のエネルギー貯蔵量に相当します。

次の図は、蓄熱槽および蓄冷槽の性能を示します。2 つの蓄冷槽は、液体空気の膨張によってそれぞれ約 5.1 MWh および約 2.3 MWh のエネルギーを回収し、そのうち約 3.8 MWh および約 1.7 MWh を充電サイクルへ供給します。同様に、蓄熱槽は空気の圧縮によって約 3.5 MWh のエネルギーを回収し、そのうち約 2.2 MWh を放電サイクルへ供給します。

次の図は、充電プロセスにおけるクロード サイクルの圧力-エンタルピー線図を示します。

次の図は、放電プロセスにおけるランキン サイクルの圧力-エンタルピー線図を示します。

参考

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