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エクスターナル モード シミュレーションによるホストとターゲット間の通信

ラピッド プロトタイピングのためにエクスターナル モード シミュレーションを使用できます。エクスターナル モード シミュレーションは、開発用コンピューター (ホスト) 上の Simulink® と、コード生成やビルド プロセスによって作成された実行可能ファイルを実行するターゲット ハードウェアの間で通信チャネルを確立します。

通信チャネルを通じて以下が可能です。

  • ブロック パラメーターをリアル タイムに変更、つまり調整します。モデルのパラメーターを変更すると、Simulink は実行中のターゲット アプリケーションに新しい値をダウンロードします。

  • 実行中のターゲット アプリケーションの信号データを監視および保存します。

チャネルの下位のトランスポート層がメッセージの物理伝送を処理します。Simulink と生成モデル コードはこの層から独立しています。トランスポート層とそのインターフェイス コードは、メッセージとデータ パケットの書式設定、伝送、および受信を行う独立した複数のモジュールに分かれています。

A communication channel transport layer connects Simulink and the Target Hardware.

エクスターナル モードの通信メカニズム

Simulink は、エクスターナル モード シミュレーションに対して 2 つの通信メカニズムをサポートします。どちらのメカニズムを使用するかを決定するには、以下の表の情報を確認します。

通信メカニズム 以下によりサポート選択理由

XCP (汎用測定/キャリブレーション プロトコル)

ERT および GRT システム ターゲット ファイル。

XCP エクスターナル モード:

  • 標準の通信プロトコルを使用します。

  • ターゲット ハードウェアでは、軽量な通信ソフトウェア スタックのみが必要です。

  • Dashboard ブロックとシミュレーション データ インスペクターの信号のログ記録とストリーミングをサポートします。参照モデルの階層構造内から信号をストリーミングできます。

  • エクスターナル モードのターゲット接続性に関するドキュメント化された ext_mode.h API を提供します。

  • ホストベースおよびサポート パッケージのエクスターナル モード シミュレーションに関して、シミュレーション データ インスペクターへの実行時間メトリクスのストリーミングをサポートします。

XCP エクスターナル モード シミュレーションの実行の詳細については、以下を参照してください。

TCP/IP およびシリアル (RS-232)

ERT および GRT システム ターゲット ファイル。

Simulink サポート パッケージ。

データの可視化、エクスポート、および保存にはシミュレーション データ インスペクターは使用しません。

信号のトリガーを使用する場合。

TCP/IP およびシリアル エクスターナル モード シミュレーションの実行の詳細については、以下を参照してください。

エクスターナル モードの Simulink 機能のサポート

以下の表に、両方の形式のエクスターナル モード シミュレーションに対する機能サポートをまとめています。

機能XCP のサポートTCP/IP およびシリアルのサポート

パラメーターの調整

Dashboard ブロックを使用

あり

あり

調整可能なブロック パラメーター

あり

あり

シミュレーション データ インスペクター

はい。参照モデル内の信号が含まれます。

なし

ロジック アナライザー

はい。参照モデル内の信号が含まれます。

なし

ターゲット アプリケーションから信号を受信して表示するブロック。

Dashboardあり

なし

Floating Scope、Scope

あり。提供された信号のログ記録が、ブロックの入力に対して有効になっています。

あり

Spectrum Analyzer、Time Scope (DSP System Toolbox™)

あり。提供された信号のログ記録が、ブロックの入力に対して有効になっています。

あり

Display

あり。提供された信号のログ記録が、ブロックの入力に対して有効になっています。

あり

To Workspace

あり。提供された信号のログ記録が、ブロックの入力に対して有効になっています。

あり

ユーザーが記述した S-Function。

ユーザーが記述したブロックによってエクスターナル モードのサポートを可能にするメソッドが S-Function API に組み込まれています。

matlabroot/simulink/include/simstruc.h を参照してください。

あり。提供された信号のログ記録が、ブロックの入力に対して有効になっています。

あり

XY グラフ

あり

あり

Signal Viewing Subsystem

あり。提供された信号のログ記録が、サブシステムの入力に対して有効になっています。

あり

[ハードウェア ボードで実行] アプリによるエクスターナル モード シミュレーション

MathWorks® サポート パッケージがサポートしているターゲット ハードウェア上でエクスターナル モード シミュレーションを実行するには、[ハードウェア ボードで実行] アプリを使用します。エクスターナル モード シミュレーションについて、以下を行います。

  1. 開発用コンピューターでターゲット アプリケーションをビルドします。

  2. ターゲット アプリケーションをターゲット ハードウェアに展開します。

  3. ターゲット ハードウェア上で実行するターゲット アプリケーションに Simulink を接続します。

  4. ターゲット ハードウェア上で生成コードの実行を開始します。

このアプリを使用すると、手順を個別に実行するか、1 回のクリックで実行できます。次の表に、アプリがハードウェア ボードに提供するワークフローのサポートを示します。

ワークフロー機能またはタスクターゲット ハードウェア
開発用コンピューターハードウェア ボード

を 1 回クリック

あり

あり

ステップ単位

[接続]

あり

あり

[開始]

あり

あり

エクスターナル モード シミュレーションのセキュリティ

開発用コンピューターとターゲット ハードウェアへのアクセスが安全であることを確認します。

次の表に示されているセキュリティ対策を適用して、開発用コンピューターとターゲット アプリケーション間に安全な通信チャネルを提供します。

通信プロトコルセキュリティ対策

XCP on TCP/IP、TCP/IP

信頼されているプライベート ネットワークまたは仮想プライベート ネットワーク (VPN) 内で開発用コンピューターとターゲット アプリケーションを実行します。

XCP on Serial、Serial

シリアル ケーブルなど、開発用コンピューターとターゲット アプリケーション間のポイントツーポイント リンクを使用します。

量産用のコードを生成する前に、ターゲット アプリケーションへの意図しないアクセスのリスクを軽減するために、エクスターナル モード設定を無効にします。

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