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Wavelet Scattering

Simulink でのウェーブレット散乱ネットワークのモデル化

R2022b 以降

  • Wavelet Scattering block icon

ライブラリ:
DSP System Toolbox / Feature Extractors

説明

Wavelet Scattering ブロックは、Simulink® 環境でウェーブレット時間散乱のフレームワークを作成します。このブロックを使用して、実数値データから低分散の特徴を導出し、それらの特徴を機械学習や深層学習の用途で使用します。ブロックは、定義済みのウェーブレット フィルターを使用してスカログラムを計算し、特徴抽出のためにスカログラムに平均化フィルターを適用します。詳細については、Wavelet Scattering (Wavelet Toolbox)を参照してください。MATLAB® でウェーブレット散乱を実行するには、waveletScattering (Wavelet Toolbox) 関数を使用します。

Wavelet Scattering ブロックには Wavelet Toolbox™ が必要です。

端子

入力

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入力信号をベクトルまたは行列として指定します。ブロックは、行列内の各列を個別のチャネルとして扱います。たとえば、ブロックは 1 行 Nchann 列の行ベクトルを Nchann 個の個別のチャネルとして扱います。

入力データ型が single の場合、ブロックは単精度で内部演算を実行します。入力データ型によって、フィルター バンク内の散乱分解の精度が決まります。

入力フレーム長は、ブロック ダイアログ ボックスで指定された信号長と一致する必要はありません。ブロックはバッファーを使用して、[信号長 (サンプル数)] の長さのフレームをウェーブレット散乱アルゴリズムに供給します。入力フレーム サイズが信号長と一致しない場合、ブロックはマルチレート モードで実行されます。

データ型: single | double

出力

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出力信号。行列または 3 次元配列として返されます。

列ベクトル入力の場合、出力次元は NpathNscat 列になります。ここで、Npath は散乱パスの数、Nscat は各パスの散乱係数の数 (散乱係数の分解能) です。

行列入力の場合、出力の次元は Npath×Nscat×Nchann になります。ここで、Nchann は入力の列数です。

データ型: single | double

パラメーター

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信号長を 16 以上の正の整数としてサンプル単位で指定します。

入力フレーム長は信号長と一致する必要はありません。ブロックはバッファーを使用して、[信号長] の長さのフレームをウェーブレット散乱アルゴリズムに供給します。入力フレーム サイズが信号長と一致しない場合、ブロックはマルチレート モードで実行されます。

データ型: double

信号の連続するフレーム間のオーバーラップ (サンプル単位) を非負の整数として指定します。

データ型: double

Sample rate (Hz) パラメーターを使用し、ブロック ダイアログでサンプル レートを指定します。このチェック ボックスがオフの場合、周波数の単位はサイクル/サンプル、ナイキスト周波数は ½ になります。

データ型: Boolean

サンプル レートを正のスカラーとして Hz 単位で指定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[サンプル レートを指定します] パラメーターを選択します。

データ型: double

散乱変換不変スケールを正の整数としてサンプル単位で指定します。不変スケールは、散乱変換の変換不変性を指定します。

サンプル レートを指定しない場合、不変スケールはサンプル単位で測定されます。サンプル レートを指定した場合、不変スケールは秒単位で測定されます。

不変スケールは信号長を超えることはできません。信号長が 1000 サンプルで、サンプル レートを指定しない場合、不変スケールの最大値は 1000 サンプルになります。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[サンプル レートを指定します] パラメーターをオフにします。

データ型: double

散乱変換不変スケールを正のスカラーとしてサンプル単位で指定します。不変スケールは、散乱変換の変換不変性を指定します。

サンプル レートを指定しない場合、不変スケールはサンプル単位で測定されます。サンプル レートを指定した場合、不変スケールは秒単位で測定されます。既定では、不変スケールは信号長の半分になります。

不変スケールは信号長を超えることはできません。信号の長さが 1000 サンプルで、サンプル レートを 200 Hz に指定した場合、不変スケールの最大値は 5 になります。

依存関係

このパラメーターは、[サンプル レートを指定します] パラメーターを選択した場合にのみ表示されます。

データ型: double

散乱フィルター バンクの品質係数を正の整数、または単調減少する正の整数のベクトルとして指定します。フィルター バンクの品質係数は、オクターブあたりのウェーブレット フィルターの数です。品質係数は 32 を超えることはできず、1 以上でなければなりません。

既定では、ブロックが作成するウェーブレット散乱ネットワークは 2 つのフィルター バンクをもちます。最初のフィルター バンクの品質係数はオクターブあたり 8 ウェーブレットで、2 番目のフィルター バンクの品質係数はオクターブあたり 1 ウェーブレットです。

データ型: double

散乱変換を最適化して散乱パスの数を削減するかどうかを指定します。

このパラメーターを選択すると、アルゴリズムは帯域幅を考慮して、計算する散乱パスの数を減らします。散乱変換では、次の基準を満たさない 2 次以上の散乱パスは除外されます。

(i+1) 番目のフィルター バンクのウェーブレット フィルターの中心周波数から 3 dB 帯域幅の ½ だけ戻った位置は、i 番目のフィルター バンクのウェーブレット フィルターの 0 (DC) から 3 dB 帯域幅の ½ だけ進んだ位置とオーバーラップしていなければなりません。

この基準が満たされない場合、高次パスは除外されます。[散乱パスの数を削減] パラメーターを選択することで、ほとんどのネットワークで散乱パスの数と散乱変換の計算量を大幅に削減できます。

データ型: Boolean

オーバーサンプリング係数を非負の整数または Inf として指定します。

オーバーサンプリング係数は、信号あたりの散乱係数の数を log2 スケールで増加させる係数を指定します。既定では、[オーバーサンプリング係数]0 に設定されており、これは係数を厳密にダウンサンプリングすることに対応します。まったく間引きされていない散乱変換を取得するには、[オーバーサンプリング係数]Inf に設定します。

サンプル数よりも係数が多くなる値に [オーバーサンプリング係数] を設定することは、[オーバーサンプリング係数]Inf に設定することと等価です。[オーバーサンプリング係数] を大きくすると、散乱変換の計算量とメモリ要件が大幅に増加します。

[オーバーサンプリング係数] を 2 に設定すると、散乱変換は、厳密にサンプリングされた数に対して、各散乱パスの 22 倍の係数を返します。

データ型: double

境界に適用する信号拡張方法を次のように指定します。

  • 周期的 — 信号を長さ 2^ceil(log2(N)) まで周期的に拡張します。ここで、N は信号長です。

  • 反射 — 反射によって信号を長さ 2^ceil(log2(2N)) まで拡張します。ここで、N は信号長です。

信号はウェーブレット フィルターの長さに合わせて拡張されます。フィルターの長さは 2 のべき乗です。

信号拡張方法は内部演算用です。結果は、返される前に元の信号のスケールにダウンサンプリングされます。

散乱係数

ゼロ次係数を含めるかどうかを指定します。

データ型: Boolean

散乱係数に適用する正規化のタイプを [なし] または [親] として指定します。[親] として指定すると、0 より大きい次数の散乱係数は散乱パスに沿って親によって正規化されます。

散乱係数に適用する変換のタイプを [なし] または [対数] として指定します。

ブロックの特性

データ型

double | single

直達

いいえ

多次元信号

いいえ

可変サイズの信号

いいえ

ゼロクロッシング検出

いいえ

参照

[1] Andén, Joakim, and Stéphane Mallat. “Deep Scattering Spectrum.” IEEE Transactions on Signal Processing 62, no. 16 (August 2014): 4114–28. https://doi.org/10.1109/TSP.2014.2326991.

[2] Mallat, Stéphane. “Group Invariant Scattering.” Communications on Pure and Applied Mathematics 65, no. 10 (October 2012): 1331–98. https://doi.org/10.1002/cpa.21413.

拡張機能

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バージョン履歴

R2022b で導入

参考

関数