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MISRA C:2023 Dir 5.2
説明
このチェッカーは、既定の Polyspace® as You Code 解析では非アクティブにされます。Polyspace as You Code 解析で非アクティブにされるチェッカー (Polyspace Access)を参照してください。
命令の定義
There shall be no deadlocks between threads 1 .
根拠
同期リソースを共有するスレッドで、スレッドどうしが互いを待機する循環チェーンが作成されると、デッドロックが発生する可能性があります。次のコードについて考えます。
mtx_t mtx1, mtx2; void worker1() { /*In thread T1*/ mtx_lock(&mtx1); //... mtx_lock(&mtx2); // potential deadlock } void worker2() { /*In thread T2*/ mtx_lock(&mtx2); //... mtx_lock(&mtx1); // potential deadlock }
worker1()
および worker2()
は 2 つのスレッドで同時に実行されます。関数 worker1()
は mtx1
をロックしてから mtx2
のロックを試行します。同時に、worker2()
は mtx2
をロックしてから mtx1
のロックを試行します。どちらか片方のスレッドが 2 つ目のミューテックスのロックを試行する前に、両方のスレッドがそれぞれの 1 つ目のミューテックスをロックすると、両方のスレッドが、もう一方のスレッドのミューテックスのロックが解除されるまで待機したままになるため、デッドロックが発生します。デッドロックを回避するには、グローバルかつ非循環的な固定の順序でミューテックスを使用します。
Polyspace 実装
複数のスレッドが次のように循環的にミューテックス オブジェクトを待機する場合、Polyspace はこの命令の違反を報告します。
各スレッドが、もう一方のスレッドによってミューテックスのロックが解除されるまで待機する。
スレッドが循環を形成する。
Polyspace は、C11 ライブラリのスレッドとミューテックス オブジェクトを認識します。Polyspace でのスレッド作成とクリティカル セクションの自動検出を参照してください。手動で、オプション [タスク] (-entry-points)
を使用してスレッドを指定し、[クリティカル セクション詳細] (-critical-section-begin -critical-section-end)
を使用してミューテックス オブジェクトを指定することもできます。
トラブルシューティング
ルール違反を想定していてもその違反が表示されない場合、コーディング規約違反が想定どおりに表示されない理由の診断を参照します。
例
チェック情報
グループ: 同時実行の考慮事項 |
カテゴリ: 必要 |
AGC カテゴリ: 必要 |
バージョン履歴
R2024b で導入
1 All MISRA coding rules and directives are © Copyright The MISRA Consortium Limited 2021.
The MISRA coding standards referenced in the Polyspace Bug Finder™ documentation are from the following MISRA standards:
MISRA C:2004
MISRA C:2012
MISRA C:2023
MISRA C++:2008
MISRA C++:2023
MISRA and MISRA C are registered trademarks of The MISRA Consortium Limited 2021.