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MISRA C++:2008 Rule 16-2-1

The pre-processor shall only be used for file inclusion and include guards.

説明

ルール定義

The pre-processor shall only be used for file inclusion and include guards. 1

根拠

インクルードとインクルード ガードの他に、定数または関数形式のマクロの定義などの目的で、プリプロセッサ命令を使用することがあります。これらのプリプロセッサ命令は一般的なリンクに従わず、またスコーピング メカニズムや型の安全性が欠落しています。プリプロセッサ命令は、C++ の同等の機能に比べて安全性が低くなります。たとえば #define ステートメントを使用して定義される定数は、ローカル スコープで定義されている場合であっても、すべてのスコープでその値を維持します。スコープごとに定数の定義が異なる場合、constexpr の代わりに #define プリプロセッサを使用すると、混乱が生じる可能性があります。変数 constexpr は明確に定義されたスコープを維持するため、より安全な代替手段です。constexpr はコンパイル時定数であるため、効率的です。

プリプロセッサ命令がインクルードまたはインクルード ガードに使用されていない場合は、プリプロセッサ命令を回避します。代わりにインライン関数、const オブジェクトまたは constexpr オブジェクト、テンプレートなどの機能を使用してください。

Polyspace 実装

以下のいずれかの条件に該当する場合、Polyspace® はインクルード ヘッダー ファイルでのこのルールの違反を報告します。

  • #define がインクルード ガードの外で使用されている。このような #define ステートメントでは一般に、定数と関数形式のマクロが定義されます。

  • #ifndef がインクルード ガードの外で使用されている。

Polyspace は、次のイディオムを正しいインクルード ガードのイディオムと見なします。

#ifndef <identifier>
#define <identifier>
#endif

トラブルシューティング

ルール違反が想定されるものの、Polyspace から報告されない場合は、コーディング規約違反が想定どおりに表示されない理由の診断を参照してください。

すべて展開する

file1.hmain.cpp

#ifndef MY_FILE
#define MY_FILE //Compliant
#endif
#define PI 3.1416 //Noncompliant
constexpr double pi = 3.1416;

#include"file1.h"
//...

この例では、インクルード ファイル file1.h に 2 つの #define ステートメントが含まれています。最初の #define 命令はインクルード ガード内で使用されます。この命令はこのルールに準拠しています。2 番目の #define 命令は、定数マクロ PI を定義します。この命令はこのルールに準拠しておらず、Polyspace によりフラグが設定されます。これより適している代わりの方法として、変数 constexpr を使用する方法があります。

チェック情報

グループ: Preprocessing Directives
カテゴリ: 必要

バージョン履歴

R2013b で導入


1 All MISRA coding rules and directives are © Copyright The MISRA Consortium Limited 2021.

The MISRA coding standards referenced in the Polyspace Bug Finder™ documentation are from the following MISRA standards:

  • MISRA C:2004

  • MISRA C:2012

  • MISRA C:2023

  • MISRA C++:2008

  • MISRA C++:2023

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