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CERT C++: OOP52-CPP

Do not delete a polymorphic object without a virtual destructor

説明

ルール定義

バーチャル デストラクターなしでポリモーフィック オブジェクトを削除しないようにします。1

Polyspace 実装

ルール チェッカーは、"基底クラス デストラクターが非バーチャルです" をチェックします。

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問題

基底クラス デストラクターが非バーチャルですは、クラスに virtual 関数があり、virtual デストラクターはない場合に発生します。

リスク

virtual 関数の存在により、そのクラスは基底クラスとしての使用が想定されていることが示されます。しかし、クラスに virtual デストラクターがない場合は、派生クラス オブジェクトの削除にあたりポリモーフィックに動作できません。

このクラスを指すポインターが派生クラス オブジェクトを参照し、ポインターを使用してオブジェクトを削除する場合、基底クラス デストラクターのみが呼び出されます。派生クラスに割り当てられている追加リソースは解放されず、リソース リークの原因となることがあります。

修正方法

1 つの修正方法として、virtual 関数を含むクラス内の virtual デストラクターを常に使用します。

例 - 基底クラス デストラクターが非バーチャル
class Base {         //Noncompliant
        public:
                Base(): _b(0) {};
                virtual void update() {_b += 1;};
        private:
                int _b;
};

class Derived: public Base {                     
        public:
                Derived(): _d(0) {};
                ~Derived() {_d = 0;};
                virtual void update() {_d += 1;};
        private:
                int _d;
};

この例では、クラス Basevirtual デストラクターがありません。したがって、Base* ポインターが指す Derived オブジェクトにメモリが動的に割り当てられていて、delete 操作がその Base* ポインターで実行される場合は、Base デストラクターが呼び出されます。追加メンバー _d に割り当てられているメモリは解放されません。

欠陥は、基底クラス定義に表示されます。ソース コード内での移動のヒントを以下に示します。

  • 基底クラスから派生したクラスを検索するには、基底クラス名を右クリックして [すべての参照を検索] を選択します。各検索結果を参照し、派生クラス定義を見つけます。

  • 派生クラス オブジェクトを指す基底クラスへのポインターまたは参照が使用されていることを確かめるには、基底クラス名を右クリックして [すべての参照を検索] を選択します。Base*Base& で始まる各検索結果を参照し、基底クラスを指すポインターまたは参照を見つけます。これにより、派生クラス オブジェクトを指すためにポインターと参照のいずれを使用しているかを確認できます。

修正 — 基底クラス デストラクターをバーチャルにする

1 つの修正方法として、クラス Basevirtual デストラクターを宣言します。

class Base {        
        public:
                Base(): _b(0) {};
                virtual ~Base() {_b = 0;};
                virtual void update() {_b += 1;};
        private:
                int _b;
};

class Derived: public Base {                     
        public:
                Derived(): _d(0) {};
                ~Derived() {_d = 0;};
                virtual void update() {_d += 1;};
        private:
                int _d;
};

チェック情報

グループ: 09.オブジェクト指向プログラミング (OOP)

バージョン履歴

R2019a で導入


1 This software has been created by MathWorks incorporating portions of: the “SEI CERT-C Website,” © 2017 Carnegie Mellon University, the SEI CERT-C++ Web site © 2017 Carnegie Mellon University, ”SEI CERT C Coding Standard – Rules for Developing safe, Reliable and Secure systems – 2016 Edition,” © 2016 Carnegie Mellon University, and “SEI CERT C++ Coding Standard – Rules for Developing safe, Reliable and Secure systems in C++ – 2016 Edition” © 2016 Carnegie Mellon University, with special permission from its Software Engineering Institute.

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