半導体ブロックの I-V 基本特性のプロット
完全なモデルを作成することなく、半導体ブロックの I-V 基本特性をプロットできます。そのプロットを使用して、デバイス特性に関するパラメーター選択の影響を調べます。ブロックをデータシートからパラメーター化する場合は、プロットとデータシートを比較して、ブロックを正しくパラメーター化していることを確認できます。完全な作業用モデルがあるものの、どの製造パーツを使用すればよいかわからない場合は、プロットとデータシートを比較して判断できます。
基本特性をプロットするには、このオプションをサポートしているモデルの半導体ブロックを右クリックし、コンテキスト メニューから [Electrical]、[基本特性] を選択します。ブロックのパラメーター値を使用して一連のバイアス条件が計算された後、ブロックの DC I-V 特性のプロットが含まれる Figure ウィンドウが開きます。たとえば、[基本特性] オプションは、N-Channel MOSFET ブロックに対して既定のパラメーター値で次の図を生成します。
ブロックのパラメーター値を変更して再び特性をプロットすると、プロットは新しいウィンドウで開きます。プロットを並べて比較し、パラメーター値が I-V 特性に与える影響を確認することができます。たとえば、N-Channel MOSFET ブロックの [R_DS(on) に対するゲート-ソース電圧、Vgs] パラメーターを 20
V
に設定し、再度 [基本特性] オプションを選択すると、次のプロットが生成されます。
[基本特性] オプションは、以下の半導体ブロックで使用できます。
ブロック | [モデリング オプション] パラメーター値 | [基本特性] オプションの追加機能 |
---|---|---|
Diode | 熱端子なし | None |
IGBT (Ideal, Switching) | 熱端子なし または熱端子を表示 |
詳細については、Ideal Semiconductor の追加基本特性のプロットを参照してください。 |
MOSFET (Ideal, Switching) | 熱端子なし または熱端子を表示 |
詳細については、Ideal Semiconductor の追加基本特性のプロットを参照してください。 |
N-Channel IGBT | 詳細な I-V および静電容量の特性 | 熱端子なし | None |
N-Channel MOSFET | しきい値ベース または 表面電位ベース | None |
P-Channel MOSFET | しきい値ベース または 表面電位ベース | None |
N-Channel LDMOS FET | 熱端子なし | None |
P-Channel LDMOS FET | 熱端子なし | None |
N-Channel JFET | 熱端子なし | None |
P-Channel JFET | 熱端子なし | None |
NPN Bipolar Transistor | 熱端子なし | None |
PNP Bipolar Transistor | 熱端子なし | None |
Light-Emitting Diode | 熱端子なし | 光強度に対する電流をプロットする |
Photodiode | 熱端子なし | 異なる磁束密度における I-V 特性をプロットする |
メモ
N-Channel MOSFET ブロックと P-Channel MOSFET ブロックも [特性を確認] オプションをサポートしています。このオプションを使用すると、ブロックの特性を詳細に調べて、ブロックの動作を一連のターゲット特性と一致させることができます。このオプションを有効にするには、ブロックの [モデリング オプション] パラメーターを [表面電位ベース]
に設定します。次に、ブロックを右クリックし、コンテキスト メニューから [Electrical]、[特性を確認] を選択します。このオプションの詳細については、MOSFET 特性ビューアーを参照してください。
Ideal Semiconductor の追加基本特性のプロット
R2023b 以降
[基本特性] オプションには、Semiconductors ライブラリの次のブロックで追加機能があります。
[基本特性] オプションで生成するプロットは、ブロックの [モデリング オプション]、[オン状態の動作と損失]、[集積保護ダイオード] パラメーターで指定する値に依存します。
スイッチング デバイスのオン状態とオフ状態の I-V 特性のみをプロットするには、[モデリング オプション] パラメーターを [熱端子なし]
に設定し、[集積保護ダイオード] パラメーターを [なし]
に設定します。次に、モデルでブロックを右クリックし、コンテキスト メニューから [Electrical]、[基本特性] を選択します。たとえば、[基本特性] オプションは、IGBT (Ideal, Switching) ブロックに対して既定のパラメーター値で次のプロットを生成します。
また、集積保護ダイオードのオン状態とオフ状態の I-V 特性をプロットすることもできます。[集積保護ダイオード] パラメーターを [ダイナミクスを考慮しないダイオード]
または [電荷ダイナミクスを考慮したダイオード]
に設定します。基本特性 オプションは、スイッチング デバイスと集積保護ダイオードの I-V 特性を並べてプロットします。
また、オン状態の電流とオフ状態の電圧の関数として、ターンオン エネルギー損失とターンオフ エネルギー損失の表面プロットを作成することもできます。[モデリング オプション] パラメーターを [熱端子を表示]
に設定し、[オン状態の動作と損失] パラメーターを [定数値を指定]
に設定します。[基本特性] オプションにより、I-V 特性プロットとは別のウィンドウで次の図の表面プロットが開きます。
[オン状態の動作と損失] パラメーターを [表を作成]
に設定した場合、[基本特性] オプションはある範囲の温度にわたって結果をプロットします。異なる温度の表面プロットが異なるウィンドウで開きます。I-V 特性プロットは、異なる温度での結果を、追加のウィンドウで 1 つのグラフに表示します。