モデルベースデザインのための継続的インテグレーション

CI Support Package for Simulink® は、継続的インテグレーションのパイプラインの定義と生成、ビルドエラーを最小限に抑えるためのデスクトップ上での事前検証、そして CI システムにおけるインクリメンタル ビルドの実行を支援します。

このサポートパッケージは、以下の機能を提供します。

  • 独自のビルド・検証プロセスを定義できるプロセス モデリング システム
  • タスクのパイプラインを生成して CI システムで最適化されたビルドを実行するビルドシステム
  • 事前検証プロセスの展開と自動化を支援するプロセス アドバイザー アプリ
  • Jenkins、GitLab、GitHub Actions、Azure DevOps などの CI システムとの統合機能

ビルド・検証プロセスの定義

プロセス モデリング システムを使用することで、モデルベースデザイン向けビルド・検証プロセスの手順を定義できます。このシステムは自動化を実現し、チームのエンジニアや CI システムに展開できる一貫したプロセスを確立します。サポートパッケージには、モデルベースデザイン向けのカスタマイズ可能なプロセスモデルが含まれており、モデリング標準の確認、テストの実行、コードの生成など、一般的なタスクに対応しています。サードパーティ製ツールに対応するために、独自のタスクを作成してプロセスモデルに統合することもできます。

パイプラインの生成とインクリメンタル ビルドの実行

ビルドシステムは、プロセスモデルを通じてプロジェクトを解析し、CI システムとデスクトップの両方で実行できるようにするためにタスクのパイプラインを生成します。このシステムは、両方の環境でアクセス可能な共通の API を提供します。変更を検出してインクリメンタル ビルドを行うことで、結果の更新が必要なタスクのみを実行し、ビルド時間を短縮します。

ローカルにおける変更の事前検証

プロセス アドバイザー アプリは、Simulink に統合されたグラフィカル インターフェイスを通じて、ローカルで変更を事前検証することで、CI/CD システムのビルドやテストに不具合が生じるリスクを軽減します。また、このアプリを利用することで、モデルベースデザインのプロセスをチームに展開し、ISO 26262DO-178C といった業界標準への準拠が必要な開発や検証作業を特定・自動化し、すべての要件を満たせるよう支援することができます。このアプリは、サポートパッケージ内のビルドシステムを通じて、生成物に対する変更を検出して既存タスクへの影響を自動的に評価することで、ビルド時間を最小限に抑えます。

CI/CD システムとの統合

このサポートパッケージは、モデルベースデザインのプロセスを広く利用されている CI/CD システムに統合できます。サポートパッケージに同梱されている YAML ファイルには、GitLab®、Jenkins®、GitHub Actions、Azure DevOps などの CI/CD システムでモデルベースデザイン パイプラインを生成して実行するためのビルドシステムの構成例や統合手順が示されています。モデルベースデザインのビルドでは、結果をまとめたレポートを生成し、問題のトラブルシューティングに役立つ詳細なログファイルも出力できます。