基本的な代数演算
シンボリック オブジェクト上での基本的な代数演算は、クラス double
の MATLAB® オブジェクト上での演算と同じです。このことを、次の例の中で示すことができます。
ギブンス回転は、角度 t
の平面回転を行います。次のステートメント
syms t G = [cos(t) sin(t); -sin(t) cos(t)]
は、この変換行列を作成します。
G = [ cos(t), sin(t)] [ -sin(t), cos(t)]
ギブンス回転を 2 回適用することは、単に 2 倍の角度を回転させることになります。これに対応する行列は、G
をそれ自身と掛け合わせるか、または G
を二乗することで求められます。次の
A = G*G
さらに
A = G^2
結果は以下のようになります。
A = [ cos(t)^2 - sin(t)^2, 2*cos(t)*sin(t)] [ -2*cos(t)*sin(t), cos(t)^2 - sin(t)^2]
関数 simplify
A = simplify(A)
は、予想される結果を得るために、三角恒等式を使って単純化を行います。いくつかの異なる公式を使って単純化を行い、その中から最も短い表現を選択します。
A = [ cos(2*t), sin(2*t)] [ -sin(2*t), cos(2*t)]
ギブンス回転行列は直交行列なので、転置行列は逆行列に一致します。これは次のように簡単に確認できます。
I = G.' *G
次の値が返されます。
I = [ cos(t)^2 + sin(t)^2, 0] [ 0, cos(t)^2 + sin(t)^2]
それから単純化を行います。
I = simplify(I)
I = [ 1, 0] [ 0, 1]