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UPFC (フェーザ モデル)

この例では、500/230 kV グリッドでの電力過密を緩和するために使用される統合電力潮流コントローラー (UPFC) を示します。

Gibert Sybille and Pierre Giroux (Hydro-Quebec)

説明

UPFC は、500 kV /230 kV 伝送システムの電力潮流を制御するために使われます。ループ構造に接続されるシステムは、基本的には 3 つの伝送線路 (L1、L2、L3) および 2 つの 500 kV/230 kV 変圧器バンク Tr1 と Tr2 で相互接続される 5 つの母線 (B1 から B5) で構成されます。230 kV システムにある 2 つの電力プラントは、合計 1500 MW を発電します。これは、500 kV 15000 MVA 相当の負荷と、母線 B3 に接続された 200 MW の負荷に伝送されます。プラント モデルには、電力系統安定化装置 (PSS) とともに、速度調整機と励磁システムが含まれます。通常の操作では、母線 B4 と B5 の間に接続された 3 つの 400 MVA 変圧器を通して、Power Plant #2 の発電容量 1200 MW の大部分が 500 kV 相当の負荷に送られます。ここでは、3 つのうち 2 つの変圧器しか利用できない (Tr2= 2*400 MVA = 800 MVA) ような不測の事態について検討します。

Powergui ブロックの Load Flow オプション使用して、モデルは Plant #1 と #2 で初期化されています。それぞれのプラントでは 500 MW と 1000 MW の発電が行われ、UPFC は非稼動状態にあります (Bypass ブレーカーが閉じられています)。母線 B1 から B5 で結果として得られる電力潮流は、回路図に赤い番号で示されています。電力潮流により、Plant #2 で発電される電力の大部分 (1000 MW のうち 899 MW) は 800 MVA 変圧器バンクを通して伝送され、残り (101 MW) はループ内で循環していることが示されます。したがって、変圧器 Tr2 は 99 MVA によりオーバーロードされます。例では、UPFC によってこの電力過密がどのように緩和されるかを説明します。

ライン L2 の右端にある UPFC は、母線 B_UPFC での電圧の他、500 kV の母線 B3 における有効電力と無効電力の制御に使用されます。これは、100 MVA、IGBT ベースのコンバーター 2 つ (1 つは分路に、1 つは直列に接続され、両方とも DC 側の DC 母線を通して相互に、またカップリング リアクトルと変圧器を通して AC 電力システムに接続されています) のフェーザ モデルで構成されています。UPFC 電力コンポーネントのパラメーターは、ダイアログ ボックスで与えられます。直列コンバーターは、ライン L2 と直列のグランドに対するライン基準電圧 (28.87kV) の最大 10% を投入できます。図中の青い数字は、UPFC を稼動して B3 の有効電力と無効電力をそれぞれ 687 MW と -27 Mvar に制御する場合の電力潮流を示しています。

シミュレーション

UPFC の基準の有効電力と無効電力は、"Pref(pu)" および "Qref(pu)" というラベルの付いたブロックで設定されます。はじめに、Bypass ブレーカーが閉じられ、母線 B3 での結果の実電力潮流は 587 MW と -27 Mvar です。Pref ブロックは、実電力流に対応する 5.87 pu の初期有効電力を使ってプログラムされます。次に、t=10s において、Pref は 5.87pu から 6.87pu まで 1pu (100MW) ずつ増加します。一方、Qref は -0.27pu で一定に保たれます。

シミュレーションを実行し、母線 B3 で測定される P と Q がどのように参照値に従うかを UPFC Scope ブロック上で見ることができます。t=5 秒で Bypass ブレーカーが開くと、顕著な過渡状態なしに、Bypass ブレーカーから UPFC 直列分岐まで実電力が流れます。t = 10 秒において、電力が速度 1 pu/s で増加します。電力が 687 MW まで増加するのに、1 秒かかります。母線 B3 での有効電力の 100MW の増加は、94 度の角度で、0.089pu の直列電圧を投入することで達成されます。この結果、Tr2 を流れる有効電力潮流が、899 MW から 796 MW まで、およそ 100 MW 減少します。ここで、Tr2 は許容負荷を伝達します。VPQ Lines と名付けられた Scope ブロックで、母線 B1 から B5 までの有効電力の変化を確認してください。