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単相、240 Vrms、3500 W 変圧器不使用グリッド接続 PV アレイ
この例では、電力グリッドに接続された、変圧器を使用しない太陽電池 (PV) の典型的な住宅システムの動作について説明します。
PV アレイ
SPS PV アレイ モデルは、直列および並列に接続された PV モジュールで構成される PV アレイを実装します。これにより、NREL System Advisor Model (Jan. 2014) から利用可能なさまざまなプリセット PV モジュールおよびその他のユーザー定義 PV モジュールのモデル化が可能になります。PV array ブロックには、変動する太陽放射照度 (入力 Ir、W/m^2 単位) と温度 (入力 T、℃単位) データを指定できる 2 つの入力があります。
この例では、PV アレイは 14 個の Trina Solar TSM-250 モジュールが直列に接続された 1 つのストリングで構成されます。温度 25℃、太陽放射照度 1000 W/m2 の場合、このストリングで 3500 W を出力できます。
PV アレイの + 端子と - 端子に接続された 2 つの小さいコンデンサを使用して、PV モジュールと地面の間の寄生静電容量をモデル化します。
単相 DC/AC コンバーター
インバーターは、PWM 制御単相フルブリッジ IGBT モジュール (H-bridge) を使用してモデル化されます。グリッド側フィルターのトポロジは標準的な LCL 構成で、インダクターがラインと中性分岐の間で等分されます。
インバーター制御
この制御システムには、5 つの主要な Simulink® ベースのサブシステムが含まれています。
MPPT Controller: 最大電力点追従 (MPPT) コントローラーは、「Perturb & Observe」手法に基づいています。この MPPT システムは、インバーターの VDC 制御器の VDC 基準信号を自動的に変動させて DC 電圧を得ます。これにより、PV ストリングから最大の電力を抽出します。
VDC Regulator: 電流制御器が必要とする Id (有効電流) 指令値を決定します。
Current Regulator: 制御器は、基準電流 Id および Iq (無効電流) に基づき、インバーターに必要な基準電圧を決定します。この例では、Iq 指令値が 0 に設定されます。
PLL & Measurements: 同期および電圧/電流測定に必要です。
PWM Generator: PWM バイポーラ変調法を使用して、IGBT への点弧信号を生成します。この例では、PWM の搬送周波数が 3780 Hz (63*60) に設定されます。
負荷および電力グリッド
このグリッドは、一般的な柱上変圧器と、14.4 kVrms の理想化された AC 電源を使用してモデル化されています。変圧器の 240 V 二次巻線にはセンタータップが接続されており、中性線は小さい抵抗 Rg 経由で接地されています。住宅用負荷 (10 kW/4 kvar @ 240 Vrms) は、2 つの「電圧側」 (120 V) 端子間で平等に分配されます。
シミュレーション
シミュレーションを実行し、結果として得られた信号をさまざまなスコープで観察します。
PV アレイ モデルへの初期入力太陽放射照度は 250 W/m2 で、動作温度は 25℃です。定常状態に達すると (t=0.25 秒前後)、PV 電圧 (Vdc_mean) 424.5 V が得られます。アレイから抽出された電力 (Pdc_mean) は 856 W です。t=0.4 秒のとき、太陽放射照度は 250 W/m^2 から 750 W/m^2 へ急激に上昇します。MPPT の動作により、制御システムは PV ストリングから最大電力 (2624 W) を抽出するために VDC の基準電圧を 434.2 V に増加させます。これらの値は期待値とほぼ一致します。これを確認するには、[PV Array] メニューの [プロット] ボタンを使用して、PV ストリングの I-V 特性および P-V 特性を製造元の仕様に基づいてプロットします。
漏れ電流 (Ig スコープ) を確認すると、PV モジュールの浮遊静電容量を流れる電流がないことがわかります。これは、使用する PWM 手法とフィルターのトポロジによるものです。ここで、PWM ユニポーラ変調手法を ([Inverter control] メニューから) 選択してシミュレーションを繰り返すと、システムに有意な漏れ電流が見られます。