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ヒステリシスベースの電流コントローラーを使用したブラシレス DC モーター ドライブの回転数調整

この例では、ヒステリシスベースの電流コントローラーを使用したブラシレス DC モーター ドライブ (BLDC) の回転数調整を説明します。

説明

BLDC モーターは、電子的整流 (機械的ではなく) を使用して電力を巻線に供給する点で、ブラシ DC モーターとは異なります。基本的な形式のブラシレス DC モーターは、三相インバーターから電力が供給され、台形逆起電力をもつ永久磁石同期モーターで構成されます。回転子に取り付けられた位置センサーが、固定子電流と逆起電力との同期に必要な位置信号を提供するため、モーターは常に同期モーターとして動作します。

逆起電力は台形波状 (120 度の平坦領域をもつ) であるため、逆起電力が一定である時間間隔に電流も一定に維持されている場合、最小リップルで最大トルクが発生します。この条件は、インバーターで同時に 2 相のみが通電する 6 ステップ動作を意味します。

電気モデル

DC 母線は理想的な 310 V DC 電圧源でモデル化され、三相 2 レベル コンバーターに接続しています。このコンバーターは、300 W、4000 rpm の BLDC モーターを作動させるのに適切な三相電圧を生成します。

制御システム

この制御システムには次の主要コンポーネントがあります。

  1. 速度調整器 — この調整器は実際のモーター回転数を回転数指令値と比較します。モーターを加速する必要がある場合、より大きいトルクを発生させるために、調整器は指令電流の振幅を増大します。モーター回転数が指令値より高い場合、調整器は指令電流の振幅を減少させます。

  2. デコーダー — 回転子の位置を検出するホール センサーの信号に基づき、デコーダーはモーターの逆起電力に同期する 3 つの矩形波信号を出力します。

  3. ヒステリシスベースの電流コントローラー — 指令電流の振幅とデコーダーが出力した信号に基づいて、3 つの電流指令値を生成し、測定されたモーターの相電流と比較します。調整可能なバンドをもつヒステリシス制御に誤差が渡され、三相インバーターに必要なゲート信号が生成されます。スイッチング周波数は可変で、ヒステリシス バンドの値と固定子回路のダイナミクスに依存します。

シミュレーション

シミュレーションを実行し、Scope ブロックで波形を観察します。最初、モーターは無負荷で 3000 rpm で回転します。

0.05 秒で、負荷トルク 0.7 N.m がモーターに加えられます。モーター回転数を 3000 rpm に維持するために、制御システムが指令電流を増大します。

0.1 秒で、回転数指令値が 1500 rpm に減少します。この新しい回転数指令値に従うために、制御システムは多大な負のトルクを生成します。モーター相電流の周波数が低下していることに注目してください。

0.15 秒で、負の負荷トルク -0.7 N.m がモーターに加えられます。このときに、モーターは 68 W を生成する発電機として動作しています。

リアルタイム シミュレーション

Simulink Real-Time と Speedgoat ターゲット コンピューターがある場合は、このモデルをリアルタイムで実行できます。

  1. [コンフィギュレーション パラメーター] ウィンドウを開いて (または Ctrl+E キーを押す)、[コード生成] をクリックし、[システムターゲットファイル]slrealtime.tlc に設定します。

  2. ターゲットに接続し、[リアルタイム] タブの [ターゲットで実行] をクリックします。

これにより、ターゲット上で自動的にモデルが作成、展開および実行されます。ターゲットのストリーミング帯域幅に応じて、ターゲットからホスト コンピューターにリアルタイムで転送される信号数を減らさなければならないことがあります。